天安門、恋人たち』(てんあんもん、こいびとたち、原題:頤和園)は、2006年中国映画

天安門、恋人たち
タイトル表記
繁体字 頤和園
簡体字 颐和园
拼音 Yíhéyuán
(イーフォユェン)
英題 Summer Palace
各種情報
監督 婁燁(ロウ・イエ)
脚本 婁燁
梅峰(メイ・フェン)
英力(イン・リー)
製作 耐安(ナイ・アン)
方励(ファン・リー)
シルヴァン・ブリュシュテイン
出演者 郝蕾(ハオ・レイ)
郭暁冬(グオ・シャオドン)
音楽 ペイマン・ヤズダニアン
撮影 花清(ホァ・チン)
編集 婁燁
曹剣(ツアン・チアン)
衣装 呂越(リュィ・ユエ)
美術 劉維新(リウ・ウェイシン)
配給 日本の旗 ダゲレオ出版
公開 フランスの旗 2007年4月18日
日本の旗 2008年7月26日
上映時間 140分
製作国 中華人民共和国の旗 中国
フランスの旗 フランス
言語 中国語
ドイツ語
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ストーリー 編集

1987年中国東北部に住む少女、余紅(ユー・ホン)のもとに北京の「北清大学」から合格通知が届いた。余紅は故郷の恋人暁軍(シャオ・ジュン)と離れ離れになり、1人での大学生活を始める。自分のやり方を貫き、束縛を受けることを好まない性格から、いつしか学生たちの間でも注目される存在になっていた。

そんな中、余紅は友人の李(リー・ティ)たちを通じて周偉(チョウ・ウェイ)と出会った。2人はすぐに強烈な恋に落ちるが、強く結びつけば結びつくほど気持ちが近づいたり離れたりを繰り返してしまい、ついには李もこの複雑な関係に巻き込まれてしまうことに。

1989年夏、北京の大学生たちが参加していたデモを軍が鎮圧した。世に言う天安門事件であった。事件後、余紅は大学を中退して故郷に戻り、周偉は李と若古(ロー・グー)の助けを借りてベルリンに移った。2人はそれぞれ新しい生活を始め、長らく連絡を取ることはなかった。

数年後、周偉は中国に戻り、既に結婚していた余紅を見つけ出し、再会を果たす。離れ離れになってから片時も相手のことを忘れなかった2人だったが…。

キャスト 編集

  • 余紅(ユー・ホン):郝蕾(ハオ・レイ)、日本語吹替:魏涼子
    中国東北部、吉林省延辺朝鮮族自治州図們市に住む少女。北清大学合格を機に北京に上京する。
  • 周偉(チョウ・ウェイ):郭暁冬(グオ・シャオドン)、日本語吹替:竹若拓磨
    北清大学の学生。余紅と知り合い、恋人となる。
  • (リー・ティ):胡伶(フー・リン)、日本語吹替:林真里花
    北清大学の学生。女子寮で余紅と知り合う。
  • 若古(ロー・グー):張献民(チャン・シャンミン)、日本語吹替:鈴木正和
    李緹の恋人、留学先のベルリンから帰国した。周偉を余紅たちに紹介する。
  • 暁軍(シャオ・ジュン):崔林(ツイ・リン)、日本語吹替:小松史法
    余紅が図們にいた頃の恋人。
  • 冬冬(トントン):曾美慧孜(ツアン・メイホイツ)、日本語吹替:足立友
  • 王波(ワン・ボー):白雪雲(パイ・シューヨン)

中国での上映について 編集

1989年に発生した六四天安門事件についての描写があったことから、2006年5月16日中国広電総局は「音声と映像が非常に不鮮明」として初回の審査を棚上げした。翌5月17日に再提出したが、同様の理由で拒否された。このため、2006年のカンヌ国際映画祭への参加が認められることは無かった。しかし、監督の婁燁(ロウ・イエ)は出演した郝蕾や郭暁冬、胡伶とともに記者会見と舞台挨拶に強行出席した。この映画はその年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された唯一の中国語映画であった。現在もこの映画は中国大陸での上映が禁止されている[1]

また、2006年9月1日、この映画の制作を理由として婁燁とプロデューサーの耐安(ナイ・アン)は国家広播電影電視総局から5年間の映画制作禁止という処分を受けた[2][3][4]。しかし、ゲリラ撮影を行い、次回作『スプリング・フィーバー』を製作。

評価 編集

  • 映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第103位

脚注 編集

  1. ^ 电影《颐和园》涉六四内容遭北京封杀 (中国語) - 博訊新聞網 2006年5月19日
  2. ^ 娄烨违规参赛戛纳电影节 五年内不准拍片(图) (中国語) - 新浪網 2006年9月4日
  3. ^ 中国の「映画管理条例」第64条によれば、条例に違反して許可を受けないまま無断で映画を撮影し、輸入しまたは配給した者、あるいは無許可で国内外で映画上映会または国際映画祭を行った者、あるいは無許可で映画フィルムを海外の映画上映会、映画祭に参加させた者は、5年以内の期間で映画に関係する業務に従事することを禁止される。
  4. ^ 婁燁と耐安は、2009年のカンヌ国際映画祭にフランス資本で制作した『春風沈酔的夜晩(Spring Fever)』を出品した。
    『天安門、恋人たち』のロウ・イエ監督、新作でカンヌに挑む - AFPBB News 2009年5月12日

外部リンク 編集