独立栄養生物

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独立栄養生物(どくりつえいようせいぶつ、autotroph)は、炭素を含む無機化合物二酸化炭素重炭酸塩など)だけを炭素源とし、無機化合物またはエネルギー源として生育する生物をいう。無機化合物から炭素を取り込む過程は炭素固定と呼ばれ、現在6種類が知られている。食物連鎖では生産者(特に一次生産者)に当たる。逆に、有機化合物から炭素を得る生物は従属栄養生物(heterotroph)と呼ばれる。

独立栄養生物は、エネルギー源により2つに分けられる。

光合成独立栄養生物(photoautotroph)

エネルギーを利用して炭素を取り込むグループ。植物シアノバクテリアなどの多くの光合成生物をいう。カルビン回路による炭素固定が最もよく知られている。

化学合成独立栄養生物(chemoautotroph)

無機化合物(硫化水素アンモニア、2価イオンなど)を酸化して得た化学エネルギーを利用して炭素を取り込むグループ。化学合成細菌をもいう。

個々の事例編集

食虫植物は、虫を炭素源ではなく窒素源としている(また必須ではない)ので、独立栄養性である。寄生植物は完全または部分的に従属栄養である。また、原生生物には例えば黄金色藻類サヤツナギなどのように葉緑体を持ち、光合成をおこなうのと同時に有機物を取り込む能力を持つものがあり、これも一部では独立栄養生物でありながら、従属栄養生物でもある。また、従属栄養生物が例えば光合成生物と共生することで独立栄養生物として振る舞う例も知られる。例えば地衣類は菌類が形成する構造の内部に藻類を共生させることで独立に生活が出来る。珊瑚礁を形成する所謂造礁サンゴは捕食のための構造を持ってはいるが、細胞内に褐虫藻を共生させ、栄養的には藻類に依存しているとされる。そもそも葉緑体そのものが真核細胞が原核藻類を取り込んだことに起源を持つとされている。

独立栄養生物はあらゆる生態系の食物連鎖において不可欠の存在である。従属栄養生物は独立栄養生物またはその生産物(有機物質)を炭素源として利用する。従って従属栄養生物である動物菌類や多くの細菌などはエネルギーと栄養の両面で独立栄養生物に依存している。独立栄養生物の物質生産の量はその生態系を特徴付けるものであり得る。そのため、これを生産者という。なお、上記のような二次的な独立栄養生物が生産者となる例もあるので、珊瑚礁では造礁サンゴを生産者だと見ることも出来る。

関連項目編集