皿回し(さらまわし、英語: Plate spinning)とは、、あるいは棒状の物(キセルなど)の先端で茶碗を回転させる技術曲芸)、そのための道具、あるいはその演者を指す。英語圏では、プレート・スピニングPlate spinning)で、ジャグリングの一種とされ、使用される皿をスピニングプレートと称する。

皿回し

皿を回したまま手のひらあごの上などでバランスをとる曲芸で、しばしば複数の皿を同時に操る。

概要

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人倫訓蒙図彙』(元禄3年(1690年)頃刊行)の挿図より「放下」(右)「住吉踊り」(左)
放下師は路上で皿回しをしている。

日本の中世から近世にかけて大道芸をおこなっていた放下(ほうか)は烏帽子姿や形をなしていたが、江戸時代には俗人の手にうつり、従来の曲芸ばかりではなく、大がかりな曲芸や手品を手がけるようになり、籠抜けや皿回しも演じるようになった[1]。一方で寄席演芸としてもおこなわれるようになり、現在にいたっている[注釈 1]

こんにちでは大道芸として演じられることも多いが、中国雑技に由来する多数の皿を回すもの、一本の棒で一枚の皿を回すもの、正座して技術を競う競技などさまざまなスタイルがある。最近ではトスジャグリングを取りいれたスタイルも登場している。

皿回しの科学

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皿回しの成り立たせているのは遠心力ジャイロ効果である。

皿などを高速で回転させることによって遠心力がはたらき、皿と棒が垂直(皿と地面・床が水平)の状態を保とうとする[2]。さらに、皿が充分な速度で回転するようになると、皿の中心を棒などで支えても回転状態を保ち、回転軸の方向を一定に保とうとする力がはたらく[2]。これをジャイロ効果という[2]。この現象は、転がりつづけようとする独楽ヨーヨー硬貨(コイン)などで確認でき、また、自転車オートバイなど二輪車の走行、円盤式(回転式)ののこぎりなどでは、この力が利用される[2]

脚注

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注釈

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  1. ^ 18世紀以降、しだいに劇場からはすがたを消し、大道芸に回帰していった放下は「辻放下」と呼称され、身分的には非人階級に属し、江戸浅草車善七の差配に服した。郡司(1953)pp.592-593

出典

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参考文献

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  • 郡司正勝 著「放下」、坪内博士記念演劇博物館 編『藝能辞典』東京堂出版、1953年3月。ASIN B000JBAYH4 
  • 山路興造 著「放下」、平凡社 編『世界大百科事典26 ホ - マキ』平凡社、1988年3月。ISBN 4-582-02200-6 

関連項目

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