祁連山脈
座標: 北緯39度12分 東経98度32分 / 北緯39.200度 東経98.533度
祁連山脈(きれん/チーリェン-さんみゃく, Qilian Mountains)は中国の主な山脈の一つ。青蔵高原(チベット高原)の北縁、甘粛と青海に跨り、西はアルチン山脈に接し、東は蘭州の興隆山に至り、南はチャイダム盆地と青海湖に相連なる。山脈は西北から東南へ走り、数条の平行する山脈よりなり、平均海抜4000m以上、長さ2000km、幅200~500km。平原河谷が山地面積の三分の一以上を占める。主峰は祁連山。山脈の北側は河西回廊である。
祁連山脈 | |
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祁連山 | |
青海省祁連県の祁連山 | |
最高地点 | |
山頂 | 团结峰(Kangze'gyai) |
標高 | 5,808 m (19,055 ft) |
地形 | |
所在地 | 中国甘粛省および青海省の境界 |
プロジェクト 山 | |
祁連山脈の特徴的な生態系は、世界自然保護基金(WWF)に「祁連山脈の針葉樹林(Qilian Mountains coniferous forests ; PA0517) 」として登録されている[1]。
名前の由来
編集「祁連山」の名の由来は古代の匈奴まで遡る。匈奴語で「祁連」は即ち「天」の意であり、祁連山は「天山」と名付けられたのである。河西回廊の南にあったためかつては南山と称されていた。
明月出天山,蒼茫雲海間。
長風幾萬里,吹度玉門關。
漢下白登道,胡窺青海灣。
由來征戰地,不見有人還。
戍客望邊邑,思歸多苦顏。
高樓當此夜,歎息未應閑。明月、天山より出づ、
蒼茫 たる雲海の間。
長風幾萬里 、吹き度る玉門関。
漢は下だる白登の道、胡は窺う青海の灣。
由來 征戰 の地、有人の還り有るを見ず。
戍客 邊色 を望み、歸るを思うて苦顏 多し。
高樓 此の夜に當り、歎息 すること未だ閑 ならざるべし。—關山月
含まれる山々
編集広義の祁連山脈は、甘粛省西部と青海省東北部の境界にある山々の総称である。
稜線 | 山 | 最高峰 | 海抜(m) |
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最北の稜線 | 走廊南山 | 祁連峰 | 5,547 |
冷龍嶺 | 崗什卡峰 | 5,254.5 | |
烏鞘嶺 | ? | ? | |
第2条 | 托來山 | ? | 5,197 |
第3条 | 大雪山 | ? | 5,481 |
托來南山 | ? | 5,382 | |
第4条 | 野馬南山 | ? | ? |
疏勒南山 | 團結峰 | 5,826.8 | |
大通山 | 桑斯扎峰 | 4,755 | |
達坂山 | 仙米達坂山 | 4,353 | |
稜線の間の湖 | 哈拉湖 | — | 4,077 |
青海湖 | — | 3,192 | |
第5条 | 黨河南山 | ? | 5,665 |
哈爾科山 | ? | 5,153 | |
第6条 | 察漢鄂博圖嶺 | ? | 5,280 |
土爾根達坂山 | ? | 5,696 | |
第7条 | 賽什騰山 | ? | ? |
柴達木山 | 红旗峰 | 5,742 | |
宗務隆山 | 巴音山 | 5,030 | |
青海南山 | 橡皮山 | 4,452 | |
拉脊山 | ? | ? | |
他の山 | 焉支山 | 百花嶺 | 3,978 |
鷹嘴山 | ? | 3417.9 | |
日月山 | 野牛山 | 4,832 |
気候
編集一部には氷河も発達させた、氷冠を戴いた6,500m級の高峰が連なり、「河西回廊」のオアシス都市群、武威(涼州)・張掖(甘州)・酒泉(粛州)・敦煌(瓜州)を潤す内陸河川の水源となっており、黒河などの源流にあたる。
山脈にある氷河は融解が進み衰退傾向にあり、後退のペースは1956年 - 1990年に比べ、1990年 - 2001年には50%速くなっている。ある氷河の終端部近くから始まる流れの水量は、60年前に比べて約2倍になっている[2]。
脚注
編集- ^ “Qilian Mountains Conifer Forests” (英語). World Wildlife Federation. October 29, 2019閲覧。
- ^ “フォトログ:衝撃的なペースで減少する中国辺境の氷河、研究者が注目” (2020年11月13日). 2020年11月14日閲覧。