秋元雄史
秋元 雄史(あきもと ゆうじ、1955年7月24日[1] - )は、東京藝術大学名誉教授、金沢21世紀美術館特任館長、国立台南芸術大学栄誉教授、美術評論家。
経歴
編集1955年東京都生まれ。東京都立武蔵丘高等学校、東京芸術大学美術学部絵画科卒業[2]。
1991年から2004年6月まで、ベネッセコーポレーション(旧・福武書店)に勤務。美術館の運営責任者として国吉康雄美術館、ベネッセアートサイト直島の企画・運営に携わる。ベネッセアートサイト直島では、1997年から2002年まで直島・家プロジェクト(第一期7件)を担当。宮島達男、ジェームズ・タレル+安藤忠雄、内藤礼、杉本博司、大竹伸朗、須田悦弘、千住博の作品を本村集落に設置。2002年頃からはモネ《睡蓮》の購入をきっかけに「地中美術館」を構想し、ディレクションに携わる。ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレル、安藤忠雄とクロード・モネの組み合わせによるサイト・スペシフィックな建築とアートの一体となったスペースを2004年に完成。
主な展覧会は、「柳幸典」展、「山田正亮」展、「キッズアートランド」展など、ベネッセハウス・直島コンテンポラリーアートミュージアムを会場にしたものや、「Out of bounds; open air‘94: 海景の中の美術」展(南條史生氏との共同企画)、「直島スタンダード」展、「直島スタンダード2」展など、自然の中、街中、路上、民家など直島全体をつかった屋外型美術展を開催。 1992年から2004年までベネッセアートサイト直島、チーフキュレーター。2004年から2006年12月まで地中美術館館長/公益財団法人直島福武美術館財団常務理事、ベネッセアートサイト直島・アーティスティックディレクター。
金沢21世紀美術館では、「金沢アートプラットホーム2008」で金沢の街を舞台にプロジェクト型展覧会の開催。2010年にはフランスのルーブル美術館、2014年にはポンピドゥー・センターとの初の共同企画展を開催。アジアの現代美術、建築、工芸、デザイン、書や新人作家の紹介など、幅広く現代美術を扱った。また屋外の作品では、オラファー・エリアソンの「カラー・アクティビィティ・ハウス」(2010年)、開館10周年(2014年)を記念した建築家グループのSANAA(妹島和世、西沢立衛)による「まる」(2016年)を設置。
自身の企画では、2012年「工芸未来派」展(金沢21世紀美術館)、2013年「柿沼康二 書の道 “ぱーっ”」展(金沢21世紀美術館)、2014年「橋本雅也 間(あわい)なるもの」展(金沢21世紀美術館デザインギャラリー)、2015年文化庁海外展「日本の工芸未来派Japanese kougei; Future Forward」展(ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン、ニューヨーク市、マンハッタン(Museum of Arts and Design, MAD)、2016年「生誕百年記念井上有一」展(金沢21世紀美術館)を開催。
それ以外の企画では、2009年「金沢・世界工芸トリエンナーレ・プレ 自由な工芸」展(主催:金沢・世界工芸トリエンナーレ開催委員会、共催:金沢市、金沢市工芸協会、会場:金沢21世紀美術館市民ギャラリーA)、2010年「第1回 金沢・世界工芸トリエンナーレ 工芸的ネットワーキング」(主催:金沢・世界工芸トリエンナーレ実行委員会、共催:金沢市、金沢市工芸協会、第一会場:リファーレ、第二会場:金沢21世紀美術館ギャラリーA)、2013年「第2回 金沢・世界工芸トリエンナーレ 工芸におけるリージョナルなもの」(主催:金沢・世界工芸トリエンナーレ実行委員会、共催:金沢市、金沢市工芸協会、会場:金沢21世紀美術館市民ギャラリーA)のディレクターを務めて、新しい時代の工芸を世界に向けて発信。
国際交流展では、 2013年「The Co-Curator of Taiwan Japan-Contemporary Craft and Design/Craft in Flux 2nd International Triennale of Kougei in Kanazawa Exchange Exhibition in Taiwan」(国立台湾工芸研究発展センター、台湾)を共同企画。International Committee of the 2013 Gyeonggi International Ceramic Biennale(利川セラピア・利川世界陶磁センター他 京畿道 韓国)では作家推薦、審査を務めた。
2017年1月21日~2月11日「第3回 金沢・世界工芸トリエンナーレ 進化する芸術工芸」監修(主催:金沢・世界工芸トリエンナーレ実行委員会、共催:金沢市、金沢市工芸協会、会場:金沢21世紀美術館市民ギャラリーA,B)。 2017年2月15日~20日「新しい工芸 KOGEI Future Forward」展(会場:日本橋三越本店本館1階中央ホール)。2017年8月23日~9月27日「Japanese Kogei Future Forward 工芸未来派–Bridge Art and Craft 工芸ブリッジ」(主催:GYRE 会場:EYE OF GYRE)。 日仏友好160年を記念し、2018年にフランス全土で開催された日本文化・芸術の祭典「ジャポニズム2018:響きあう魂」において『井上有一 1916−1985 –書の解放-』展(会場:パリ日本文化会館 2018年7月14日~9月15日、トゥールーズ=ロートレック美術館 2018年9月29日~12月17日)。2018年12月7日~16日「秋元雄史監修 もう一つの工芸未来派」(会場:和光ホール)。 2020年7月23日~9月6日「特別展 あるがままのアート ―人知れず表現し続ける者たち」(主催:東京藝術大学、NHK、文化庁、独立行政法人 日本芸術文化振興会 会場:東京藝術大学大学美術館本館)。2020年11月20日~2021年3月28日「日本の鐘 井上有一作品回顧展」(主催、会場:清華大学博物館・北京)。2021年1月9日~19日、3月3日~15日「100歳記念 すごいぞ!野見山暁治のいま」展 監修 (主催:日本経済新聞社、会場:日本橋高島屋、京都高島屋)
他の主な委員・役職
編集- 2007年4月~2017年3月 金沢21世紀美術館館長
- 2007年4月~2017年3月 金沢美術工芸大学理事/経営審議委員
- 2013年4月~2017年3月 秋田公立美術大学客員教授
- 2015年4月~2021年3月 東京藝術大学大学美術館館長
- 2016年9月~2018年3月 女子美術大学芸術学部特別招聘教授
- 2016年~2020年 厚生労働省障害者芸術文化活動普及支援事業の評価検討会構成員
- 2016年~2022年 江副記念財団選考委員
- 2017年~ 国立台南芸術大学栄誉教授
- 2017年~2018年 文化庁文化審議会委員
- 2017年~ 川村記念文化財団評議員
- 2017年~ ユニバーサルデザインいしかわ理事
- 2017年~2018年 大学博物館等協議会・日本博物科学会会長
- 2018年4月~2023年3月 練馬区立美術館館長
- 2018年~2021年 文化庁国際文化交流・協力推進委員会委員
- 2018年~2022年 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会文化・教育委員会
- 2018年~2022年 一般財団法人東京国立博物館協力会理事
- 2018年~2023年 日本財団「DIVERSITY IN THE ARTS」審査委員
- 2018年、2021年 富山ガラス大賞展2018」、「富山ガラス大賞展2021」審査員
- 2018年~ アジアン・カルチュラル・カウンシル日本財団理事
- 2018年~ 岡山市有識者懇話会メンバー
- 2018年~2020年 ザ・クリエイション・オブ・ジャパン アドバイザー
- 2018年~2020年 国際交流基金「建築展事業委員会」委員
- 2019年~2021年 文化庁「アートプラットフォーム事業」審査委員
- 2019年~ 菊地誠22世紀医美支援事業団 理事
- 2019年~ 現代美術文化振興財団「陶芸家支援助成金」選考委員
- 2020年 文化庁「優れた現代美術の国際発信促進事業」協力者会議委員
- 2020年~ 富山ガラス美術館協議会委員
- 2021年4月~2023年3月 練馬区文化振興協会常務理事
著書
編集- 「美術と展示の現場 (神戸芸術工科大学レクチャーシリーズII 1)」 共著 秋元雄史、中原佑介、笠原美智子、増田玲 新宿書房(2008年)
- 「揺らぎの中の日本文化 原像・怪異・日本美術」 共著 新納泉、山口和子、鐸木道剛、平川南、松木武彦、坂部恵、松岡心平、秋元雄史、宮崎法子 岡山大学出版会(2009年)
- 「日本列島『現代アート』を旅する」 小学館新書(2015年6月1日) ISBN:978-4-09-825243-5
- 「工芸未来派 アート化する新しい工芸 」六耀社(2016年1月23日) ISBN:978-4-89737-814-5
- 「おどろきの金沢」 講談社プラスα新書(2017年6月)
- 「直島誕生 過疎化する島で目撃した『現代アートの挑戦』全記録」 ディスカヴァリー・トゥエンティワン(2018年7月12日)
- 「武器になる知的教養 西洋美術鑑賞」 大和書房(2018年10月7日)
- 「一目置かれる知的教養 日本美術鑑賞」 大和書房(2019年5月19日)
- 「アート思考 ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法」 プレジデント社(2019年10月30日)
脚注
編集- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.471
- ^ “練馬区立美術館:館長に秋元・芸大教授が就任 /東京”. 毎日新聞. 2023年1月28日閲覧。