突発性射精(とっぱつせいしゃせい)または自発射精(じはつしゃせい)(: Spontaneous ejaculation)とは、性的刺激や性的思考とは無関係に突然に射精する状態である[1][2][3]夢精は、突発性射精の正常/生理的形態と考えられる[2]。男性のみならず女性でも自発絶頂(じはつぜっちょう、: Spontaneous orgasm)が発生し得る[3]

突発性射精
別称 自発射精
概要
診療科 精神医学, 泌尿器科
分類および外部参照情報

病的な突発性射精は、快感、非快感、または不快感として経験され、苦痛を伴うことがある[2][3]。 病的突発性射精の原因としては、脊髄病変、心理的原因、狂犬病、薬剤の副作用が挙げられる[2]。一部の症例では、原因が特定できない場合がある[2]。突発性射精は、誘因が無いか、または様々な非性的状況(排尿排便亀頭への非性的接触、不安パニック発作、学校の試験等のストレス)によって誘発される[2]

原因

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神経症や統合失調症を有する患者で突発性射精が見られることが1983年に報告された[4]。また、不安・緊張時に突発性射精が発生し、後に統合失調症を発症した例も報告されている[1]

中枢性ノルアドレナリン作動性神経は不安と性的興奮の双方に関連するので、突発性射精の発生に関連がある可能性がある[4]

薬剤性

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薬剤の副作用として突発性射精が知られている。殆どの症例は抗うつ薬抗精神病薬精神刺激薬などの精神科治療薬に関連している[2][3]

治療

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突発性射精の治療には、心理療法選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)(例、パロキセチンシタロプラムセルトラリン)、α1遮断薬シロドシン英語版)、抗不安薬などが用いられる[2]

出典

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  1. ^ a b 高尾 哲也, 佐々木 恵美, 鈴木 利人, 白石 博康 (2001年12月15日). “突発性射精の1例”. 精神医学 43 (12): 1361-1363. https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1405902551?englishFlg=2. 
  2. ^ a b c d e f g h “Spontaneous Ejaculation: A Focused Review for the Clinicians”. Sex Med Rev 9 (3): 406–422. (July 2021). doi:10.1016/j.sxmr.2020.11.001. PMID 33262094. 
  3. ^ a b c d “Drug-Associated Spontaneous Orgasm: A Case Report and Systematic Review of Literature”. Clin Neuropharmacol 41 (1): 31–37. (2018). doi:10.1097/WNF.0000000000000259. PMID 29194112. 
  4. ^ a b “Spontaneous ejaculation associated with anxiety: psychophysiological considerations” (英語). American Journal of Psychiatry 140 (9): 1163–1166. (1983-09). doi:10.1176/ajp.140.9.1163. ISSN 0002-953X. http://psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/ajp.140.9.1163. 
  5. ^ Ahmed, Jawad; Ali, Aiman; Malik, Farheen; Ahmad, Junaid; Yasmin, Farah (January 2021). “Fexofenadine Induced Spontaneous Ejaculations: Rare Case with Literature Review”. SN Comprehensive Clinical Medicine 3 (1): 355–359. doi:10.1007/s42399-021-00733-6.