第3期名人戦 (将棋)
1941年度、1942年度の名人戦
第3期名人戦(だい3きめいじんせん)は、1941年度、1942年度の名人戦である。
第3期 名人戦 | |
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開催期間 | 1940年 - 1942年8月24日 |
前名人 | 木村義雄(通算2期目) |
第3期名人 | 木村義雄(通算3期目) |
名人戦 < 第2期第4期 > |
概要
編集第3期名人戦の挑戦制度は、以下のように変更となった。
- 参加棋士12名を3組に分けて予選リーグを実施し、各組の優勝者を決定する。
- 予選リーグの各組の次点による次点復活戦を実施し、1名の復活者を決定する。
- 予選リーグの優勝者3名と次点復活戦の勝者1名による決勝リーグを実施し、優勝者を名人戦七番勝負の挑戦者とする。
挑戦者決定リーグは、土居市太郎八段、金易二郎八段、木見金治郎八段、花田長太郎八段、金子金五郎八段、神田辰之助八段、萩原淳八段、斎藤銀次郎八段、坂口允彦八段、塚田正夫八段の10名と、七段リーグ戦を勝ち抜いた渡辺東一七段、大野源一七段の2名を加えた12名で行われた[1]。なお、渡辺と大野は挑戦者決定リーグの開催中に八段へ昇段している[2][3]。
予選リーグの結果、A組優勝者の神田辰之助八段、B組優勝者の土居市太郎八段、C組優勝者の渡辺東一八段、次点復活優勝者の塚田正夫八段が決勝リーグに進出した[1]。
決勝リーグは予選リーグを勝ち抜いた4名により開催され、5勝1敗の成績で優勝した神田辰之助八段が木村義雄名人への挑戦権を獲得した[1][4]。
名人戦七番勝負では、木村義雄名人が4連勝でタイトルを防衛し、3期連続3期目の名人位獲得を果たした[5]。挑戦者の神田辰之助八段は、七番勝負で1勝を挙げれば「準名人」を名乗って八段の上位に座ることとなっていたが、4連敗のため準名人の資格を得ることはできなかった[4]。
名人戦七番勝負
編集対局者 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | |
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1942年 7月11日〜13日 |
1942年 7月21日〜23日 |
1942年 7月31日〜8月2日 |
1942年 8月22日〜24日 | ||
木村義雄 名人 | ○ | ○ | ○ | ○ | 名人位防衛 |
神田辰之助 八段 | ● | ● | ● | ● |
決勝リーグ
編集棋士 | 勝 | 負 | 備考 | 1回戦 | 2回戦 | 3回戦 | 4回戦 | 5回戦 | 6回戦 | |
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A組代表 | 神田辰之助 八段 | 5 | 1 | 挑戦 | ○渡辺 | ○塚田 | ○土居 | ○渡辺 | ●塚田 | ○土居 |
B組代表 | 土居市太郎 八段 | 2 | 4 | ○渡辺 | ●塚田 | ●神田 | ○渡辺 | ●塚田 | ●神田 | |
C組代表 | 渡辺東一 八段 | 2 | 4 | ●土居 | ●神田 | ○塚田 | ●神田 | ○塚田 | ●土居 | |
次点代表 | 塚田正夫 八段 | 3 | 3 | ●神田 | ●渡辺 | ○土居 | ●渡辺 | ○神田 | ○土居 |
予選リーグ
編集A組
編集棋士 | 勝 | 負 | 備考 | 1回戦 | 2回戦 | 3回戦 | 4回戦 | 5回戦 |
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金易二郎 八段 | 0 | 3 | ●神田 | ●坂口 | ●金子 | --- | --- | |
金子金五郎 八段 | 2 | 3 | ○金 | ●神田 | ○坂口 | ●神田 | ●坂口 | |
神田辰之助 八段 | 4 | 1 | 決勝進出 | ○金 | ○金子 | ●坂口 | ○金子 | ○坂口 |
坂口允彦 八段 | 3 | 2 | 次点 | ○神田 | ●金子 | ○金 | ●神田 | ○金子 |
B組
編集棋士 | 勝 | 負 | 備考 | 1回戦 | 2回戦 | 3回戦 | 4回戦 | 5回戦 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
土居市太郎 八段 | 4 | 1 | 決勝進出 | ○斎藤 | ○花田 | ○大野 | ●花田 | ○大野 |
花田長太郎 八段 | 3 | 2 | 次点 | ○斎藤 | ●土居 | ○大野 | ○土居 | ●大野 |
斎藤銀次郎 八段 | 0 | 3 | ●土居 | ●花田 | ●大野 | --- | --- | |
大野源一 八段 | 2 | 3 | ○斎藤 | ●土居 | ●花田 | ●土居 | ○花田 |
C組
編集棋士 | 勝 | 負 | 備考 | 1回戦 | 2回戦 | 3回戦 | 4回戦 | 5回戦 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
木見金治郎 八段 | 0 | 3 | ●萩原 | ●塚田 | ●渡辺 | --- | --- | |
萩原淳 八段 | 2 | 3 | ○塚田 | ○木見 | ●渡辺 | ●塚田 | ●渡辺 | |
塚田正夫 八段 | 2 | 3 | 次点 | ○木見 | ●萩原 | ●渡辺 | ○萩原 | ●渡辺 |
渡辺東一 八段 | 5 | 0 | 決勝進出 | ○木見 | ○萩原 | ○塚田 | ○萩原 | ○塚田 |
次点復活
編集棋士 | 勝 | 負 | 備考 | 1回戦 | 2回戦 | |
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A組次点 | 坂口允彦 八段 | 0 | 2 | ●塚田 | ●花田 | |
B組次点 | 花田長太郎 八段 | 1 | 1 | ●塚田 | ○坂口 | |
C組次点 | 塚田正夫 八段 | 2 | 0 | 決勝進出 | ○花田 | ○坂口 |
脚注
編集- ^ a b c 山本(1966), p. 77
- ^ “渡辺東一|棋士データベース”. 日本将棋連盟. 2022年2月4日閲覧。
- ^ “大野源一|棋士データベース”. 日本将棋連盟. 2022年2月4日閲覧。
- ^ a b “日本将棋の歴史(22)|将棋の歴史”. 日本将棋連盟. 2022年2月4日閲覧。
- ^ 山本(1966), p. 78
参考文献
編集- 山本武雄『将棋百年』時事通信社、1966年。ASIN B000JA9I5Y。