紀の国屋
紀の国屋(きのくにや)は、かつて東京都武蔵村山市にあった、和菓子を製造・販売していた会社である。
種類 | 有限会社 |
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本社所在地 |
![]() 〒208-0021 東京都武蔵村山市三ツ藤1-93-2 |
本店所在地 |
〒208-0021 東京都武蔵村山市三ツ藤1-93-2 |
設立 | 1952年7月 |
業種 | 製造業 |
法人番号 | 8012802004319 |
事業内容 | 和菓子の製造及び販売 |
代表者 | 破産管財人 竹山拓[1] |
資本金 | 700万円 [2] |
従業員数 | 162人 |
支店舗数 | 23 |
外部リンク | 公式サイト |
特記事項:2022年5月16日破産手続開始決定。 |
ここでは、廃業後の2022年6月から株式会社アイ・スイーツが営業開始した実質的な後継店の匠紀の国屋についても述べる。

概要 編集
工場は武蔵村山市に、店舗は東京都多摩地域を中心に神奈川県などに23店舗を展開し、実店舗販売に加え自社のオンラインショップでの通信販売も行われていた。過去 (2000年5月期) には売上高は約18億5000万円を計上したこともあった。
なお、東京都日野市多摩平に本店がある和菓子店・紀の國屋(1961年創業)とは全くの無関係であるが、名前の差異が新字体か旧字体の1文字だけであったため、紀の国屋廃業時には、こちらの紀の國屋にも問い合わせが殺到する事態となった[3]。
歴史 編集
有限会社紀の国屋時代 編集
- 1948年 - 東京都立川市にて創業。
- 1952年7月 - 有限会社紀の国屋を設立。
- 1993年7月 - 東京都武蔵村山市に工場を建設。
- 1995年 - 本店を武蔵村山市に移転(以上の出典:[2])。
- 2022年5月16日 - 東京地方裁判所へ自己破産を申請し、同日付で破産手続廃止決定を受ける[1][4]。公式ツイッターと公式サイト上で廃業を発表し[5][6]同日中に全店舗を閉鎖。約74年に渡る歴史の幕を閉じた。
匠紀の国屋時代 編集
- 2022年5月25日 - 文京区に本社を置くアイ・スイーツ株式会社が、倒産に伴い解雇された従業員20人を雇用し「匠紀の国屋」として和菓子製造販売を開始すると発表[7][8]。 (詳しくは下記参照)
- 2022年6月3日 - 匠紀の国屋国分寺店、東大和店がオープン。
- 2022年7月1日 - 匠紀の国屋武蔵村山店がオープン。
倒産とその後 編集
倒産の理由 編集
本店工場を立川市から武蔵村山市へ新設し移転した際の金融負債が負担となり、更に顧客高齢化もあり売上高は漸減。その上に原材料の価格高騰などや、コロナ禍での手土産需要の低迷が重なったことによる。負債額は10億円[9]。
影響 編集
立川市にある池田屋紙器製作所は紀の国屋に菓子箱を卸していたが、突然の廃業により大量の在庫を抱えてしまう事態が発生。その在庫を解消すべく、インスタグラムを用いて取引先を探している[10]。
復活 編集
年表の通り、アイ・スイーツ株式会社が解雇された元社員と伴に「匠紀の国屋」の屋号で和菓子製造販売事業を開始すると発表した。商標権や機械の兼ね合いから、完全再現は厳しいとの見方をしているが、「『伝統の味と安心安全な商品』は再現させます」とコメントしている。 また、AIを活用し、「伝統と革新の繰り返し文化」を実現するとしている。
実店舗は、2022年6月3日に国分寺店(国分寺市本町)と東大和店(東大和市向原)の2店が同時オープンし、7月1日には工場を兼ねた武蔵村山店(武蔵村山市残堀)がオープンした[11][12]。
なお、「匠紀の国屋」の名称は匠大塚から着想を受けている。紀の国屋のビジネスモデルが残るという左証としたいと社長は語っている[13]。
店舗 編集
直営の路面店とデパートなどへのテナント出店で、計23店舗があった。
廃業時まであった店舗[14] 編集
東京都 編集
- 武蔵村山本店
- 立川ルミネ店
- 伊勢丹立川店
- 国分寺マルイ店
- アトレ吉祥寺店
- 東急吉祥寺店
- 国立北口駅前店
- 谷保駅前店
- 東大和店
- 一橋学園駅前
- 福生店
- 秋川店
- イトーヨーカドー昭島店
- イトーヨーカドー八王子店
- セレオ八王子店
- 京王調布店
- 京王新宿店
- 東急町田店
- グランベリーパーク南町田店
神奈川県 編集
- マルイファミリー溝口店
- ミウィ橋本店
- マルイファミリー海老名店
- 新百合ヶ丘店
メンバーズカード 編集
年会費は無料で、プリペイドカード式であった。最終利用から2年で失効。使用できた店舗は直営店のみで、その他テナント店や通信販売は利用不可。ポイントの還元率は1% (100円未満の商品は対象外)[15]。
主な商品 編集
脚注 編集
注釈 編集
出典 編集
- ^ a b 倒産要約版 「相国最中」の(有)紀の国屋(東京)/破産開始決定JC-net. 2022年5月19日
- ^ a b “会社概要”. 有限会社紀の国屋. 2021年12月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “弊社は「紀の国屋」様とは別の会社です”. 株式会社紀の國屋. 2022年5月20日閲覧。
- ^ 帝国データバンク (2022年5月16日). “「相国最中」「おこじゅ」などを看板商品で有名、紀の国屋(東京都武蔵村山市)が自己破産申請”. Yahoo!ニュース (Yahoo! JAPAN(ヤフー)) 2022年5月16日閲覧。
- ^ @wgskinokuniya (2022年5月16日). "廃業のお知らせ". X(旧Twitter)より2022年5月16日閲覧。
- ^ “公式サイトトップページ”. 有限会社紀の国屋. 2022年5月17日閲覧。
- ^ アイ・スイーツ株式会社. “和菓子紀の国屋の倒産により解雇された元社員とともに和菓子製造販売事業「匠紀の国屋」を開始”. PRTIMES. 2022年5月26日閲覧。
- ^ @tkm_kinokuniya (2022年5月25日). "紀の国屋の復活に向けて動き出しました! 応援よろしくお願い致します。". X(旧Twitter)より2022年5月26日閲覧。
- ^ 帝国データバンク (2022年5月26日). “「相国最中」「おこじゅ」などを看板商品で有名、紀の国屋(東京都武蔵村山市)が自己破産申請”. Yahoo!ニュース (Yahoo! JAPAN(ヤフー)) 2022年5月16日閲覧。
- ^ “積み上がった菓子箱5.8万個の活用先募集 相国最中の「紀の国屋」廃業で”. ツギノジダイ. 2022年5月26日閲覧。
- ^ ITmedia (2022年5月16日). “廃業決めた老舗和菓子店を救済 社長が語った「マクドナルドを見習え」の真意”. Yahoo!ニュース (Yahoo! JAPAN(ヤフー)) 2022年5月26日閲覧。
- ^ アイ・スイーツ株式会社. “和菓子紀の国屋の倒産により解雇された元社員とともに和菓子製造販売事業「匠紀の国屋」を開始”. PRTIMES. 2022年5月26日閲覧。
- ^ ITmedia (2022年5月16日). “廃業決めた老舗和菓子店を救済 社長が語った「マクドナルドを見習え」の真意”. Yahoo!ニュース (Yahoo! JAPAN(ヤフー)) 2022年5月26日閲覧。
- ^ “和菓子 紀の国屋 店舗のご案内”. 有限会社紀の国屋. 2022年5月26日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “メンバーズカードのご案内”. 有限会社紀の国屋. 2022年5月26日閲覧。
- ^ “和菓子 紀の国屋 相国最中”. 有限会社紀の国屋. 2021年12月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “和菓子 紀の国屋 短冊最中”. 有限会社紀の国屋. 2021年12月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “和菓子 紀の国屋 おこじゅ”. 有限会社紀の国屋. 2021年12月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “和菓子 紀の国屋 あわ大福”. 有限会社紀の国屋. 2022年5月26日閲覧。[リンク切れ]