花図鑑 (薬師丸ひろ子のアルバム)
『花図鑑』(はなずかん)は1986年6月9日にリリースされた薬師丸ひろ子のスタジオ・アルバム。発売元は東芝EMI。商品コードは、LP:WTP-90408、CT:ZH28-1688、CD:CA32-1260。
『花図鑑』 | ||||
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薬師丸ひろ子 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | J-POP | |||
時間 | ||||
レーベル | EASTWORLD / 東芝EMI | |||
プロデュース | 松本隆 | |||
チャート最高順位 | ||||
薬師丸ひろ子 アルバム 年表 | ||||
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オリコンチャートの最高順位は週間2位(全チャート共通)、LPチャートの登場週数は10週、累計9.4万枚のセールスを記録。CTチャートの登場週数は11週、累計4.7万本。CDチャートの登場週数は11週、累計3.7万枚[1]。LP・CT・CD合算のセールスは17.9万枚となっている。
1997年11月19日に発売元EMIミュージック・ジャパンにより再発売された。
2014年2月5日にユニバーサルミュージック(USMジャパン)により高音質SHM-CDで再発売された。規格品番はTYCN-80017[2]。
解説編集
1986年にリリースされた3作目のオリジナル・アルバム。全10曲。このアルバムも漢字3文字シリーズの1枚である。
本アルバムのプロデューサーを兼ねる作詞家・松本隆が全曲の歌詞を書き下ろし[3][4]。〔『花図鑑』というタイトルどおりに、〕アルバムは全て花に関する歌詞[3]。東芝EMIのディレクター鈴木孝夫によれば、松本がこういうアルバムを作りたいとリードし、〔アルバムに曲を提供してもらう〕作家の選定は、松本と薬師丸の2人が相談して決めた[3]。作曲家はモーツァルト、筒美京平、井上陽水、中田喜直、細野晴臣、薬師丸ひろ子(順不同)といったメンバーである。クラシックで始まり、唱歌で終わる、作家たちの売れ線とは違う意欲的な作品から構成されたアルバムとなっている[5]。
1曲目の「花のささやき」は、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番の第2楽章・アダージョの旋律に松本隆が詞を付けたものである[6]。クラシックの曲に歌詞をつけて歌う例は2020年現在でも多くはない[7]。鈴木ディレクターは、話を聞いた時上手くいくだろうかと思った[7]。最初は、スタッフからの抵抗もあった[7]。松本は薬師丸なら、人間の持つ生々しさを取り払った表現が出来るのではないかと期待し、その通りになった[7]。田家秀樹は、通俗的な喜怒哀楽を浄化したような涼やかな声がクラシック音楽を感じさせないとコメントしている[8]。松本がアルバム全部の歌詞を書くから出来たわがままで、作曲家にモーツァルトを指名し、その曲に自分の歌詞を付けるなど、今考えると、非常に畏れ多いことをしたと回顧している[7]。
作曲家の中で目を引く存在として、「夏の思い出」「雪の降るまちを」「めだかの学校」「ちいさい秋みつけた」などの童謡や唱歌で有名なクラシックの作曲家兼ピアニストである中田喜直がいる、このアルバムには「寒椿、咲いた」と「かぐやの里」の2曲を提供[8]。中田喜直の甥である中田佳彦[注 1]を知っていた松本が、偶然六本木の蕎麦屋で2人に遭遇し、直接中田喜直に作曲を依頼した[8]。その2曲は童謡のようでもあり、雅楽のようでもある[5]。アルバムのラスト「かぐやの里」は和風の唱歌のような歌で、日本画のような淡い繊細な曲となっている[5]。
薬師丸自身の作曲による「紫の花火」も収録されている。
ジャケット、歌詞カード、ピンナップの写真は篠山紀信による。
予約特典として、ステキな恋の忘れ方のカップリング曲の「不思議よセ・ラ・ヴィ」の1985.11.28 薬師丸ひろ子 in 国技館 映画「野蛮人のように」完成記念フェスティバルで披露されたヴァージョンがソノシートとして添付されていた。
歌手生活30周年を記念したベスト・アルバム『歌物語』には、本作から「100粒の涙」と「紅い花、青い花」の2曲が収録されている。
収録曲編集
全曲作詞:松本隆
脚注編集
注釈編集
出典編集
- ^ a b 『オリコン・アルバム・チャートブック(完全版):1970 - 2005』オリコン・エンタテインメント、2006年4月、656頁。ISBN 978-4-87131-077-2。
- ^ “薬師丸ひろ子、オリジナルアルバム7作品が高音質CD化 | 薬師丸ひろ子 | BARKS音楽ニュース” (2014年2月8日). 2014年2月9日閲覧。
- ^ a b c 田家 2020, p. 77.
- ^ 『花図鑑』歌詞カード
- ^ a b c 田家 2020, p. 80.
- ^ 田家 2020, pp. 78–79.
- ^ a b c d e 田家 2020, p. 78.
- ^ a b c d e 田家 2020, p. 79.
参考文献編集
関連項目編集
外部リンク編集
UNIVERSAL MUSIC JAPAN