メインメニューを開く
試金石と検査セット

試金石(しきんせき)とは、の品質を計るために用いられる主に黒色の石英質の鉱石の別称。一般的には、緻密な粘板岩であり碁石などの材料として用いられる那智黒石を指す[1]

使用方法編集

試験標本と、金品位が既知である手札金・手本金と呼ばれる金純度が異なる指標となる金の棒を数本石の上にこすり線を描き、その色を比較する。金自体は、王水と呼ばれる硝酸と塩酸の混合物でのみ常温で溶解し、単独の酸には溶解しない。その一方銀や銅といった他の不純物は濃硝酸でも溶ける。この違いを利用して、金の純度をはかる。さらに詳細に測る場合は微量の濃硝酸条痕を洗い、残り具合を見て判断することもある。

熟練者であれば%(パーセント)オーダーの品位を鑑定することが可能であり、実際に江戸時代金座鑑定を担当した役方(やくがた)による鑑定品位は、現在の近代的化学分析による分析値とほとんど一致している[2]

前述のような特徴から簡便に検査が行えるため、現在においても簡易試験用に用いられることがある。

歴史編集

用例としての「試金石」編集

前述のような試金石の性格から転じて、実験的・試験的な要素がうまく行くかどうかを見極めるために行う事柄のことを「試金石」と呼ぶ。また、物事を判断する基準(指標)の意味で用いられることもある。

脚注編集

参考文献編集

  • 木下亀城、小川留太郎『標準原色図鑑全集 岩石鉱物』保育社、1967年1月。ISBN 4586320060
  • 三上隆三『江戸の貨幣物語』東洋経済新報社、1996年3月。ISBN 449237082X