説明文法(せつめいぶんぽう)とは、規範文法記述文法に対する用語である。

日本語処理においては記述文法が形態素解析に大きく関わるのに対し、説明文法は構文解析に関わる。

概要 編集

かつては「日本語は曖昧かつ非・論理的な言語だ」「日本語には文法がない」「日本語には主語がない」といった主張があった。

日本語は主要な印欧語(とはいっても英語)とは違って、述語からみた文法格は語順では示されず、格助詞などによって示されるため、英文法における理論が通用しづらい点がある。

「日本語には主語がない」というのも、おそらくは「主語が多くの場合省略される」「主格を表す格助詞が存在しない(『は』『が』はとりたて詞とされる)」などの理由によるほか、「学校教育における規範的な正書法」が示されなかったという理由もあるらしい[1][2][要ページ番号]

理論 編集

説明文法のひとつとしては、フランス数学者ルネ・トムの『ことばのカタストロフィー』があり、述語が要求する文法格はたかだか四つであり、かつ述語からみて一意であろう、と述べられている。

実際に「私はラーメン餃子チャーハンを食べる」は不自然であり、「私はラーメン餃子チャーハンを食べる」のように「ラーメンと餃子とチャーハン」を一つの「個物」として表現するのが自然である。「私はラーメン餃子をさっきチャーハンを食べた」はより不自然だが「私はラーメン餃子チャーハンをさっき食べた」「私はさっきラーメン餃子チャーハンを食べた」「さっき私はラーメン餃子チャーハンを食べた」はどれも不自然ではない。

脚注 編集

出典 編集

参考文献 編集

  • 三上章『象は鼻が長い』くろしお出版、1960年。 
  • 大野晋『日本語の文法を考える』岩波書店岩波新書・黄判53〉、1978年7月。ISBN 4004200539 

関連項目 編集