豚骨
豚骨(とんこつ)とは、豚の骨の事であり、主にスープにするための食材である。
骨の部位によって、「豚丸骨(げんこつ)」(脛骨や大腿骨)、「頭骨」、「背骨・ロース骨」、「ネック骨」などと呼び分ける場合がある。
概要
編集豚を食材の豚肉とするために解体して残った部位であるが、中国や日本においてスープ(出汁)の材料として使われており、多くの場合は中華料理やラーメンのスープに使用されている。元々は廃棄される廃物であるために価格が安く、主に業務用食材として大ロットで購入され使用されている。調理に手間が掛かることから、一般家庭ではあまり扱われない食材でもある。
軟骨や骨髄などにリン・鉄・カルシウム・マグネシウム・銅・亜鉛・マンガン・アミノ酸類などの栄養素がある事から、骨を粉末状にして栄養食品やペットフードとしても利用されている。
鹿児島市周辺の薩摩料理に「豚骨料理」があり、奄美群島では「わんふに(豚の骨)」という郷土料理があるが、これらは豚の骨付き肉を甘辛く煮込んだ料理である。これらの地方では、豚の骨付き肉の事を「豚骨」とも呼ぶ。
スープ
編集豚骨を、長時間もしくは高圧高熱で煮込み、骨髄からでる旨味成分をスープの出汁として使用するものである。「豚骨スープ」のように、スープ名として用いられることが多い。
豚の骨でも、特に膝関節の部分(脛骨・大腿骨)は旨味が強いとされ、この骨端の形状が人間の拳に似ていることから「げんこつ」と呼ばれることもある。
げんこつ煮込み
編集中華料理や沖縄料理では豚の大腿骨(げんこつ)を煮込んで、そのスープを飲み、骨の周りに残った肉を食べ、骨の中の髄をストローで吸う料理がある。
醤骨頭
編集中国の東北料理では、ある程度肉が残った大腿骨を醤油ベースで甘辛く煮たものを「醤骨頭」と称する。「骨頭」の「頭」は名詞の音を整える接尾語で、あたまや頭骨の意味ではない。
燉豬骨
編集中国の広東料理では、ある程度肉が残った大腿骨を薄塩味で煮たものを「燉豬骨」などと称する。