に関して配景(はいけい[1]: Perspective from point)であるとは、特に射影幾何学において、ある図形の対応する点を結ぶ直線がすべてある一点Oで交わることである[2] この双対、直線に関して配景perspective from a line)であるとは、図形の対応する(またはその延長線)の交点が同一直線上にあることである。

2つの三角形の配景

配景の概念の射影幾何学における例としては平行線無限遠点(無限遠直線上にある点)で交わることが挙げられる。 また、高次元の配景も、同様に定義することができる。

用語

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図形の対応する(またはその延長線)のすべての交点を通る直線を配景の軸axis of perspectivity, perspective axis, homology axis, 古くは perspectrix)という。

図形の対応する点を結ぶ直線の交点は配景の中心center of perspectivity, perspective center, homology center, pole, 古くはperspector)または単に配景中心という[3][4]

配景の関係にある二つの図形は配景の位置にあると言われる[5][6]

配景

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いくつかの図形の対応する点すべてを通る直線(射影領域英語版)が存在するとき、一方の射影領域の点をもう一方の射影領域へ移す変換を「central perspectivity」という。この変換の双対は、ある点を通る直線()を他の束へ移す変換である。これを「axial perspectivity」という[7]

三角形

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三角形の配景は特に重要な場合である。2つの三角形がある点に関して配景であるとき、その状態を「centrally perspective」といい、元の三角形は「central couple」と呼ばれる。2つの三角形がある直線に関して配景であるとき、 その状態を「axially perspective」といい、元の三角形は「axial couple」と呼ばれる[8]

カール・フォンシュタウト英語版 は三角形の配景について記号 を導入した[9]

関連する定理

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デザルグの定理は三角形のcentral perspectiveとaxial perspectiveは同値であるという定理である。ユークリッド平面のデザルグの定理は、実射影平面英語版 上で証明可能である。図形が一般の位置英語版にない場合でも、もとの証明を少し修正したものを使用できる。デザルグの定理が成立する射影平面は「Desarguesian planes」と呼ばれる。

2種類の配景には延べ10個の点が関連する。6つは三角形の頂点で、他3つは配景の軸上の点、1つは配景の中心である。射影幾何学の双対性英語版 によれば、点と同様に、10個の直線が配景に関連する。うち6つは三角形の辺、3つは配景の中心を通るもの、1つは配景の軸である。この10個の点と10個の線はDesargues configuration英語版を作る。

 
3つのどの対応でも配景的となる三角形BbY,△CcX

2つの三角形が少なくとも2つの配置を持つ(対応する頂点の結び方が2通り以上あり、2つの配景の中心がある)とき、3つ目の辺の対応でも配景対応を作ることができる。これは、例えばパップスの六角形定理英語版などと等しい表現である[10]。3つの対応のどれでも配景的であるとき、9点(頂点6つと配景の中心3つ)と、9つの直線(6つの辺と配景の中心を通る3つの直線)はPappus configuration英語版を成す。

Reye configuration英語版は、三次元上でのPappus configuration英語版、つまり三角錐で4通りの配景の関係ができる構成である。

関連項目

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出典

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  1. ^ 世界大百科事典, 改訂新版. “配景(はいけい)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年6月23日閲覧。
  2. ^ デザルグの定理”. mixedmoss. 2024年7月22日閲覧。
  3. ^ Young 1930, p. 28
  4. ^ 中島鋭治『英和工学字典』丸善出版、1908年、43頁。doi:10.11501/845326 
  5. ^ 窪田忠彦『幾何学の基礎 (岩波全書)』岩波書店、1946年、10-15頁。doi:10.11501/1371935 
  6. ^ 森本清吾『近世幾何学』積善館、1929年、99-105頁。doi:10.11501/1171033 
  7. ^ Young 1930, p. 29
  8. ^ Dembowski 1968, p. 26
  9. ^ H. S. M. Coxeter (1942) Non-Euclidean Geometry, University of Toronto Press, reissued 1998 by Mathematical Association of America, ISBN 0-88385-522-4 . 21,2.
  10. ^ Coxeter 1969, p. 233 exercise 2

参考文献

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