野村真理
野村 眞理(のむら まり、1953年5月30日 - )は、日本の西洋史学者。専門は、社会思想史・歴史学(東欧史)・地域研究[1]。金沢大学名誉教授。
経歴
編集山口県生まれ[3]。県立女子高を経て、1976年3月、埼玉大学理学部数学科卒業[1]。同年4月、一橋大学社会学部に入学し、1979年3月卒業。1981年3月、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。1983年3月、同博士課程中退[1]。一橋大学では良知力の指導を受けた[4][5]。
2003年『ウィーンのユダヤ人』で日本学士院賞受賞。金沢大学教員としては46年ぶりであった[6]。同年、金沢市文化賞受賞。
2004年、日本学術振興会特別研究員等審査会専門委員。2006年、第20期日本学術会議連携会員、2008年、第21期日本学術会議会員。2014年、大学評価・学位授与機構大学機関別認証評価委員会専門委員。2016年、日本学術振興会学術システム研究センター人文学専門調査班主任研究員[7][8]。
職歴
編集著書
編集単著
編集- 『西欧とユダヤのはざま:近代ドイツ・ユダヤ人問題』南窓社、1992年。ISBN 978-4-8165-0099-2
- 『ウィーンのユダヤ人:19世紀末からホロコースト前夜まで』御茶の水書房、1999年。ISBN 978-4-275-01788-8
- 『ガリツィアのユダヤ人:ポーランド人とウクライナ人のはざまで』人文書院、2008年。ISBN 978-4-409-51060-5
- 『ガリツィアのユダヤ人:ポーランド人とウクライナ人のはざまで』(新装版)人文書院、2022年6月。ISBN 978-4-409-51093-3
- 『ホロコースト後のユダヤ人:約束の土地は何処か』世界思想社、2012年。ISBN 978-4-7907-1575-7
- 『隣人が敵国人になる日:第一次世界大戦と東中欧の諸民族』人文書院〈レクチャー 第一次世界大戦を考える〉、2013年。ISBN 978-4-409-51120-6
- 『ウィーン ユダヤ人が消えた街:オーストリアのホロコースト』岩波書店、2023年。ISBN 978-4-00-022245-7
共著
編集- (川名隆史・篠原敏昭)『路上の人びと:近代ヨーロッパ民衆生活史』日本エディタースクール出版部、1987年。ISBN 978-4-88888-128-9
- (大津留厚・森明子・伊東信宏ほか)『民族:近代ヨーロッパの探究(10)』ミネルヴァ書房、2003年。ISBN 978-4-623-03716-2
共編著
編集- (弁納才一)『地域統合と人的移動:ヨーロッパと東アジアの歴史・現状・展望』御茶の水書房、 2006年。ISBN 978-4-275-00423-9
- (川越修・植村邦彦)『思想史と社会史の弁証法:良知力追悼論集』御茶の水書房、2007年。ISBN 978-4-275-00548-9
訳書
編集- メンデル・ノイグレッシェル『イディッシュのウィーン』松籟社、1997年。ISBN 978-4-87984-192-6
- ユーリウス・H・シェプス編『ユダヤ小百科』石田基広・唐沢徹・北彰ほか共訳、水声社、2012年。ISBN 978-4-89176-922-2
- ヤヌシュ・コルチャク『コルチャク ゲットー日記』田中壮泰・菅原祥・佐々木ボグナ監訳、野村真理・細見和之ほか訳、みすず書房、2023年。ISBN 978-4-622-09660-3
雑誌論文
編集- 「西欧市民社会の歴史哲学とユーデントゥーム:19世紀ドイツの文献を中心として」『一橋研究』7(2)、1982年、101-116ページ。
- 「後期モーゼス・ヘスにおけるユダヤ民族への回帰をめぐって」『一橋論叢』93(5)、1985年、618-638ページ。
- 「シオニズム草創期の西欧における東欧ユダヤ人の影」『一橋論叢』100(2)、1988年、247-262ページ。
- 「自由主義的ユダヤ人解放論とシオニズム:東欧ユダヤ人問題をめぐって」『社会思想史研究』13号、1989年、81-93ページ。
- 「西欧とユーデントゥームのはざま:第一次世界大戦期におけるドイツ・ユダヤ人の諸問題」『歴史学研究』594号、1989年、64-75,79ページ。
- 「ハインリヒ・グレーツにおけるユダヤ的アイデンティティの諸問題:トライチュケ論争をめぐって」『社会思想史研究』14号、1990年、118-129ページ。
- 「ドイツユダヤ人と東欧ユダヤ人問題 1914-1933」『金沢大学経済学部論集』11(1)、1990年、151-180ページ。
- 「「ハプスブルグ神話」と世紀末ウィーンのユダヤ人:同化ユダヤ人のアイデンティティ問題をめぐって」『金沢大学経済学部論集』12(2)、1992年、191-220ページ。
- 「ゼーリヒのために:戦間期ウィーンのユダヤ人」『現代思想』22(14)、1994年、30-46ページ。
- 「半アジアからサラエヴォによせて」『現代思想』23(7)、1995年、188-201ページ。
- 「ヨーロッパ・永遠のユダヤ人の鏡像」『学鐙』98(3)、2001年、20-23ページ。
- 「フェルキッシュ・ナショナリズムの行方:ハンナ・アーレントの「帝国主義」を読む」『現代思想』29(8)、2001年、196-207ページ。
- 「ウィーンのユダヤ人:同化と異化のはざまで」『歴史学研究』755号、2001年、125-134ページ。
- 「杉原ビザとリトアニアのユダヤ人の悲劇」『歴史と地理』581号(「世界史の研究」202号)2005年、1-17ページ。
- 「1941年リーガのユダヤ人とラトヴィア人:ラトヴィア人のホロコースト協力をめぐって」『金沢大学経済論集』(前篇)30(1)、2009年、219-246ページ。(後篇)30(2)、2010年、175-200ページ。
- 「ナチ支配下ウィーンのユダヤ人移住におけるウィーン・モデルとゲマインデ」『ユダヤ・イスラエル研究』28号、2014年、24-34ページ。
- 「ホロコーストとルーマニア」『金沢大学経済論集』(前篇)36(1)、2015年、1-33ページ。(後篇)36(2)、2016年、5-44ページ。
- 「ユダヤ人ネットワークの実像と虚像:「世界イスラエル連合」から『シオン賢者の議定書』へ」『東欧史研究』38号、2016年、73-79ページ。
- 「ミンスクのホロコースト:ユダヤ人抵抗運動の成果と限界」『金沢大学経済論集』(前篇)39(1)、2018年、1-28ページ。(後篇)39(2)、2019年、7-37ページ。
脚注
編集- ^ a b c “野村眞理 - 金沢大学研究者情報”. 金沢大学 (2015年4月23日). 2015年4月26日閲覧。
- ^ “文化賞”. 金沢市. 2015年4月26日閲覧。
- ^ 「野村真理 のむら まり」講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plus
- ^ 『思想史と社会史の弁証法 : 良知力追悼論集』
- ^ 「昭和55年度 学位授与・単位修得論文一覧」一橋研究
- ^ 「経済学部野村教授に日本学士院賞 -本学では46年ぶりの快挙-」金沢大学
- ^ 「社会貢献実績」
- ^ 「プログラムオフィサー(PO) 」日本学術振興会