金髪の草原』(きんぱつのそうげん)は、大島弓子少女漫画作品。

また、上記を原作とした映画作品。

あらすじ編集

日暮里歩(にっぽり あゆむ)はある朝目覚めると自身の体調・周囲の風景などに違和感を覚えた。さらに、憧れのマドンナが古代なりすと名乗り、お手伝いさんとして、自分の家にやってきたことに歓喜した。だが、事態のおかしさにこれは自分が見ている夢なのだと思い込む。

実は歩は80代の老人であり、自分が大学生だと思い込んでいるだけなのであった。忘年会の際になりすの相談でこのことを知った友人たちは、なりすと歩が結婚し、広大な屋敷を相続して、一生を安楽に暮らせるようにとたくらむ。その折に、なりすは片思いをしていた同級生の佐分利が友人と同棲していることを知る。

失恋のショックで涙を流しているなりすの様子を見て、自分の級友たちを呼んで慰めようとする歩。しかし、級友たちは既にこの世を去っていた。自分のことを気づかった歩の行動に、なりすは自分の身勝手さを感じ、逆に友人たちを呼んで歩のことを慰安しようとするが、歩はなりすの友人たちは実は自分の級友たちが変装した姿だと思い込んでしまう。

医師から歩の症状を確認したなりすは、現実を教え込むのは彼にとって酷なのではないか、と悩むようになる。そんな折、なりすは邸宅の2階の書斎で、歩の「記憶年表」を発見する。そして、心臓弁膜病で過度の運動を禁じられ、短命を宣言され、大学を中退し、ただひたすら生きてきただけの歩の人生を知る。その直後、隣家の庭より、無断で薔薇を大量に伐採してきた歩より花束を渡され、プロポーズされる。

歩のプロポーズを受け入れることを決意したなりすに、佐分利たちは歩が死後、自分の屋敷を市に寄贈する事実を突き止め、知らせてきた…。

書誌情報編集

  • 『水枕羽枕』 朝日ソノラマ、サンコミックス・ストロベリーシリーズ(1984年8月30日刊)
    • 収録作品 -『水枕羽枕』・『金髪の草原』・『夢虫・未草』・『わたしの〆切りあとさきLIFE』・『雪の日のすごし方』・『ミルク・ラプソディ』・『ミルク・ラプソディⅡ』
  • 『大島弓子選集第10巻 ダリアの帯』朝日ソノラマ(1985年12月31日刊)
    • 収録作品 -『桜時間』・『金髪の草原』・『夢虫・未草』・『水枕羽枕』・『あまのかぐやま』・『快速帆船』・『わたしの〆切りあとさきLIFE』・『ノン・レガート』・『ダリアの帯
  • 『四月怪談』白泉社、白泉社文庫、1999年3月17日刊
    • 収録作品 -『ローズティーセレモニー』・『きゃべつちょうちょ』・『ページワン』・『四月怪談』・『雛菊物語』・『桜時間』・『金髪の草原』
  • 『金髪の草原』 朝日ソノラマ(2000年8月30日刊)
    • 収録作品 -『金髪の草原』・『夢虫・未草(ゆめむし・ひつじぐさ)』・『水枕羽枕』・『あまのかぐやま』・『ノン・レガート』・『ダリアの帯』
  • 『大島弓子が選んだ大島弓子選集 5 ダリアの帯』メディアファクトリーMFコミックス(2009年2月23日刊)
    • 収録作品 -『赤すいか黄すいか』・『金髪の草原』・『夢虫・羊草』・『サマタイム』・『ノン・レガート』・『ダリアの帯』・『ロングロングケーキ』・『庭はみどり川はブルー』・『山羊と羊の駱駝の』

映画編集

金髪の草原
監督 犬童一心
脚本 佐藤佐吉
犬童一心
製作 久保田修
製作総指揮 泉正隆
出演者 伊勢谷友介
池脇千鶴
音楽 吉澤瑛師
CHOKKAKU
主題歌 エレファントラブ
「ぼくは世界とつながった」
撮影 村上拓
編集 犬童一心
配給 ザナドゥー
公開   2000年9月9日
上映時間 94分
製作国   日本
言語 日本語
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2000年製作の日本映画。犬童一心の監督作品である。

ストーリー編集

 記憶障害で自分を20歳のままだと思い込んでいる80歳の独居老人、日暮里歩のもとにヘルパーとして古代なりすが赴任する。彼女は大学を辞め和田寿美のもとでヘルパーとなり、血の繋がらない弟、丸男とアパートで暮らしていた。歩の近所には、日向ともみと父親の学、その母が住んでいた。学はともみの親権で母親ともめていた。ともみは、歩を"クソジジイ"と呼び、家を時折訪ねていた。歩が若いころに一目惚れして、仲間内で"マドンナ"と呼んでいた少女になりすがそっくりだったことから、歩はなりすに好意を持ち、同時にこんな素晴らしい出来事は夢だろうと思い込む。一方、なりすは丸男に密かに好意を抱いていたが、丸男は友人の宮園万亀子と交際していたため、三角関係に悩まされていた。

 ある日、なりすは歩が記したメモを見つける。そこには歩が記憶障害だという"真実"が記されていたため、なりすは歩に見られないようそれを隠す。丸男に失恋したことを打ち明けたなりすを、歩は友人を呼んで励まそうとする。しかし、彼の電話帳に記載された友人たちはすでに他界していた。そんな中、健在の神崎敬をやっと見つけ、家に呼んだ歩は、敬が連れてきた妻の道子が、"マドンナ"であることを知る。  歩は、勤務時間が過ぎるとなりすが帰ってしまう淋しさから、ついになりすにプロポーズをする。なりすは最初は拒否したが、自身の三角関係のこともあり、次第に歩に惹かれていくのだった。ある日、なりすは男友達と飲んだ帰りに酔っ払い、移動式クレープ屋の男に話しかける。関西弁を操る男は、見た目は少年で自ら13歳だと名乗る。なりすはそんな彼に歩と同じものを感じ、男を歩のもとに訪ねさせる。男は歩に「これから大変だが、あんたもいい加減現実を見ないと周りを不幸にする」と助言し去る。

 丸男と万亀子は、なりすが家に帰らないため、心配して歩のもとを訪ねる。なりすは歩と結婚したいと想いを打ち明けるが、2人はなりすが正気でないと思い頬を叩いたりして責める。その時台所にいた歩は、ぬか床の中からメモを発見し"真実"を知る。歩はこれが現実であることを確かめるため、家の屋根に登り飛び降りようとする。それに気づいたなりすは急いで歩のもとに向かう。道で友達と共にアイスを食べながらそれを見ていたともみはつぶやく。「飛べ」。なりすが屋根にたどり着いた時、歩は飛び降りる。

 歩の葬儀後、丸男に好意を打ち明けたなりすに、丸男は義姉としてでなく一人の女性として付き合うことを約束する。

キャスト編集

スタッフ編集

外部リンク編集