陸繋砂州
本土と陸繋島とを繋ぐ砂州もしくは砂嘴
陸繋砂州(りくけいさす、イタリア語:Tombolo、トンボロ)とは、本土と陸繋島とを繋ぐ砂州もしくは砂嘴の事である[1]。細長い砂州や尖角州と呼ばれる砂地形の発達によって陸続きになった地形[2]。

複数の島々を結ぶものは、tombolo clusterと呼ばれる[3]。島二つ以上のtombolo clusterが成長することで、湾が塞がれラグーン(潟湖)となる事がある。
概要
編集沖合の海水の流れによって砂が運ばれ、流れが静かなところに砂州が作られるが、そのうち沖合の島との間に砂州が作られ陸続きになった地形のことである[4]。トンボロは、ラテン語で「土手」を意味するtumulusから来た言葉[5]。砂州が波を防ぐ効果があることから港湾や養殖場として利用されることもある[4]。波打ち際には波と風によって砂が運ばれ、浜堤が形成される。場所によっては複数形成されることもある。浜堤が巨大化することもあり、そのようなものは砂丘と呼ばれる[4]。砂なので水が吸い込まれる一方、砂の底は水を吸い込まない地盤であることから水捌けが悪く、浜堤と浜堤の間は湿地がちの低地で、池沼が形成されることもある[4]。海が大シケ等になると決壊することもある[6]。
主な陸繋砂州と陸繋島
編集日本
編集函館山山頂御殿山から望む陸繋砂州(函館市の旧市街地)
鹿児島県薩摩川内市にある上甑島の陸繋砂州(里集落)
→「陸繋島」も参照
- 日本三大トンボロ
- 特に日本三大トンボロと数えられることがあるもの[7]
- 常時存在するもの
- 常時存在しないもの
→詳細は「タイダル・アイランド」を参照
海外
編集出典
編集- ^ 5.海の作用による地形 - 国土地理院、地形項目に「19:トンボロ及び陸繋島」の項目に、日本のトンボロ一覧有
- ^ "陸繫島" 世界大百科事典(旧版)平凡社
- ^ Glossary of Geology and Related Sciences. The American Geological Institute, 1957
- ^ a b c d よくわかる地形・地質 pp.75-76
- ^ tombolo(n.)(Online Etymology Dictionary)
- ^ 自然景観の謎 pp.178-179
- ^ かごしま よかとこ旅 p.219
- ^ 里村郷土誌編纂委員会 1985, p. 38.
- ^ 国土地理院技術資料D1-No.440 国土地理院 p.18
- ^ 図解 日本地形用語辞典 p.189
参考文献
編集- 里村郷土誌編纂委員会『里村郷土誌(上巻)』里村、1985年。
- 日下哉(編、著) 『図解 日本地形用語辞典』 東洋書店 2002年 ISBN 9784885954023
- トライ社 『かごしまよかとこ旅』 鹿児島県観光交流局観光課 2010年 ISBN 9784990424213
- ロバート・ヤーハム(著)、武田裕子(訳) 『自然景観の謎』 ガイヤブックス 2012年 ISBN 978-4882828389
- 吉川敏之(監修、著)、松浦浩久 『よくわかる地形・地質』 自由国民社 2024年 ISBN 978-4426615710
関連項目
編集- タイダル・アイランド - 世界遺産モン・サン=ミシェルの様に、潮が満ちた時は島、引いた時は陸繋島となる島
- 地峡