願児我楽夢(がんじがらめ)は、1995年に結成された北九州市アマチュアバンド日本各地で「人権コンサート」を行っており、被差別部落問題などの差別をテーマとした楽曲を演奏している。ギターマンドリンベースブルースハープの4人と手話通訳3人によって構成される[1]。1995年9月2日に北九州市の「解放こども会リーダー合宿」において、メンバーの5人が「音楽を取り入れ子供に楽しんでもらおう」と演奏を行ったのが起源である[1][2]。当時は1回限りの予定であったものの依頼が相次いだため活動を継続し[3][2]、これまでに1500回以上のコンサートを行っているという[1]

「部落問題」以外に在日韓国・朝鮮人奄美群島出身者への差別障害者に対する差別などもテーマとなっている[3][2]。メンバーが「実体験を語り、それを自作の歌で表現する」という手法をとっており[3]、また「作った本人が歌わないと、思いが伝わらない」として作詞者または作曲者自身が歌う決まりであるという[2]1997年の『西日本新聞』では「静かなブーム」となっており「明らかに願児我楽夢を支持する輪は広がっている」としている[3]。また1998年の『佐賀新聞』では「部落差別を軸に置きながら、『人間解放』という視点であらゆる差別に向き合おうとするメンバーの姿が広い共感を呼んでいるのだろう」と評されている[2]

脚注 編集

  1. ^ a b c 願児我楽夢 - 基本データ Facebook
  2. ^ a b c d e 「差別問う熟年バンド『願児我楽夢』」『佐賀新聞』1998年10月28日号文化面。
  3. ^ a b c d 「部落、在日、島、障害…テーマは差別 北九州のバンド『願児我楽夢』」『西日本新聞』1997年4月12日付朝刊23面。