3-メチル-2-ブテン-1-チオール
3-メチル-2-ブテン-1-チオール(英: 3-Methyl-2-butene-1-thiol)は、有機硫黄化合物の一種。ビールが太陽光や蛍光灯の光に曝されることにより生じる、いわゆる日光臭の原因物質である。
3-メチル-2-ブテン-1-チオール 3-Methyl-2-butene-1-thiol[1] | |
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別称 3MBT | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 5287-45-6 |
特性 | |
化学式 | C5H10S |
モル質量 | 102.2 g mol−1 |
外観 | 無色透明の液体 |
匂い | ニラ臭[1] ビールの日光臭[2] |
嗅覚閾値 | 0.0002ppb(水中)[3] 4-35ppt[2] |
沸点 |
127 °C, 400 K, 261 °F |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
生成
編集ホップの苦味成分であるイソα酸の側鎖が520nm以下の波長の紫外線を受け開裂し、アミノ酸から発生したSHラジカルと結合することにより生成する[2]。淹れたてのコーヒーからも生じるが、短時間で消失するため、コーヒーの淹れたて感賦与剤としては2-フルフリルメチルスルフィドなどの代替品が使用される[4]。日本酒にも含まれると考えられている[5]。嗅覚閾値は0.0002ppb(1ppbは十億分の一)と強い臭気を持つ[3]。日本の消防法では危険物第4類第2石油類に区分される[1]。
脚注
編集参考文献
編集- 井上重治『微生物と香り ミクロの世界のアロマの力』フレグランスジャーナル社、2002年8月1日。ISBN 4-89479-057-2。
- 磯谷敦子「清酒の熟成に関与する香気成分およびその生成機構について(1) -清酒の古酒の香りと老香」『日本醸造協会誌』第104巻第11号、日本醸造協会、2009年、2020年5月12日閲覧。