本項目では、第二次世界大戦期のアメリカ軍で開発・運用された車載式の75 mm砲について述べる。M2M6の4つのバリエーションがあり、主に戦車に搭載されたが、B-25爆撃機にも搭載された。

第5インド師団のM4シャーマンから取り外されている75mm砲M3。1945年3月29日、ビルマのタウンサ近くにて

M2とM3はM3中戦車で使用され、M3はM4シャーマン中戦車で使用され、M6はM24軽戦車で使用された。 M7軽戦車でも使用された。

M4・M5は、B-25中爆撃機に搭載された。 [1]

砲弾編集

 
M3中戦車に搭載された75mm砲M2
 
75mm砲を搭載したM3中戦車。

75mm戦車砲には主に5種の徹甲弾が用意されていた。

初期の徹甲弾は重量6.32kgのM72徹甲弾だったが、遠距離になるにつれて貫通力が低下したので、すぐにM61徹甲弾に置き換えられた。M61徹甲弾は重量6.63kgで、空気抵抗低減用の仮帽と跳弾防止用の被帽を付けた仮帽付被帽付徹甲弾(APCBC)だった。これにより遠距離での貫通力が向上した。M61徹甲弾には装甲貫徹後に砲弾を破砕して被害を拡大させることを狙った爆薬が仕込んであったが、大部分のM61徹甲弾は爆薬なしで出荷された。[要出典]

M61の初速は617m/sであり、500ヤード(おおよそ450m)で傾斜0°の装甲板に対して81mmの貫通力を誇った。これは1942年時点では十分な性能を持っていて、最大50mmの垂直装甲板しか持たないドイツIII号戦車IV号戦車に対して効果的で、1500mの距離から前面装甲を貫通できた。 [2]しかし、1942年3月に出現した、48口径75mm砲 KwK 40を搭載したIV号戦車G型は、車体前面装甲圧が80mmに増加していたため、75mm砲M3を搭載したM3中戦車の戦場での優位性が低下した。ただし、砲塔と防盾の前面装甲圧は50mmのままだった。優位性の低下は、装甲がより強化されたM4中戦車の投入によって幾分か緩和された。M4中戦車の56度に傾斜した車体前面装甲板は、30度傾斜させた場合、KwK40では貫通できないとされた。

歴史編集

第二次世界大戦初期のイギリスの戦車は、口径40mmのオードナンスQF2ポンド砲や口径57mmのオードナンスQF6ポンド砲などの高速で小口径の戦車砲に依存していた。戦車砲としては、これらには十分に榴弾が配備されず、歩兵支援を十分に行えないという欠点を持っていた。アメリカの75mm砲の有効性を経験したイギリス軍は、歩兵支援の役割も担える戦車砲としてオードナンスQF 75mm砲を採用するという手段をとった。 1944年までに、これは標準的なイギリスの戦車砲になり、北西ヨーロッパでの戦闘ではクロムウェル巡航戦車チャーチル歩兵戦車に装備された。

バリエーション編集

T6
試作型対空砲。[要出典]バレルは36口径から31口径に短縮され、ノルデンフェルトスクリューブリーチはスライディングブロックブリーチに置き換えた。
M2
T6の戦車砲型。M3中戦車の初期型に装備された。
  • 口径長:31口径
  • 初速:588m/s
M3
 
75mm砲M3を搭載したM4中戦車。
M2の発展型。 M4中戦車M3中戦車、で装備された。アメリカ陸軍対戦車砲として使用するための試験を行ったが、計画はキャンセルされた。[3]
  • 口径長:40口径
  • 初速:619m/s
M4
75mm砲M4は、戦車砲として運用されていたM3を改造したもの。M3とは異なり、スプラインのシートがチューブに機械加工されている。B-25爆撃機に装備された。
T13E1 / M5
 
B-25に搭載された75mm砲M5
ダグラスA-26インベーダーB-25Hミッチェル爆撃機で使用された、より軽い薄壁バレルと異なる反動メカニズムを備えたM3の軽量型。 M3と同じ弾薬を使用する。
M6
 
75mm砲M6を搭載したM24軽戦車。

M5から派生したバージョンで、M24チャーフィー軽戦車の主砲として装備された。

  • 口径長:40口径
  • 初速:619m/s

貫徹力の比較編集

貫徹力(装甲板垂直) [4] [5]
ガンタイプ 弾薬の種類 砲口速度 貫通(mm)
100 m 250 m 500 m 750 m 1,000 m 1,250 m 1,500 m 1,750m 2,000 m 2,500 m 3,000 m
75mm L/31(M2) M61対FHA 563 m/s (1,850 ft/s) 92 89 84 79 75 71 67 63 59 53 47
M61対RHA 78 76 72 68 65 61 58 55 52 47 42
M72対FHA 82 76 67 59 52 45 40 35 31 24 19
M72対RHA 95 90 81 73 66 60 54 49 45 36 30
75mm L/40(M3/M6) M61対FHA 618 m/s (2,030 ft/s) 102 99 95 90 86 82 79 75 72 65 60
M61対RHA 88 85 81 77 73 69 65 62 59 53 47
M72対FHA 91 85 75 66 58 51 45 40 35 27 21
M72対RHA 109 102 92 84 76 68 62 56 51 41 34

参考文献編集

  • Zaloga、Steven J.、Brian Delf- US Anti-tank Artillery 1941-45 (2005)Osprey Publishing(New Vanguard 107)、ISBN 1-84176-690-9
  • TM 9-2800標準砲兵および射撃統制資料(1944年2月付け)

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

出典編集

  1. ^ Baugher, J "North American B-25G Mitchell" March 10, 2000
  2. ^ Jentz, Thomas; Doyle, Hilary (2001). Panzerkampfwagen IV Ausf. G, H and J 1942-45. Osprey Publishing. pp. 20–21. ISBN 1841761826 
  3. ^ Zaloga, Delf - US Anti-tank Artillery 1941–45, pp. 8–9
  4. ^ Penetration probability is 50%; derived from average of lowest velocity penetrating hit and highest non-penetrating hit and estimating the range at which that velocity is obtained
  5. ^ Bird, Lorrin Rexford; Livingston, Robert D. (2001). WWII Ballistics: Armor and Gunnery. Overmatch Press. pp. 62–63 

関連項目編集

同等の役割、パフォーマンス、時代の武器

外部リンク編集