CNET Networks, Inc.(シーネット ネットワークス)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くIT分野に特化したメディア企業。日本版は朝日新聞社子会社の朝日インタラクティブが運営している。1993年ハルシー・マイナーシェルビィ・ボニーによって設立された。2008年、CBSコーポレーション(現・パラマウント・グローバル)が子会社化した。

シーネット ネットワークス
CNET Networks, Inc.
種類 レッド・ベンチャーズの子会社
本社所在地 235 Second Street, San Francisco, California, USA
設立 1993年
業種 情報・通信業
代表者 ハルシー・マイナー(創設者)
シェルビィ・ボニー(共同創設者)
売上高 増加3億8769万ドル(2006年)
従業員数 2,080名(2006年)
外部リンク cnet.com ウィキデータを編集
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沿革 編集

1994年、CNETはコンピュータ/テクノロジー/インターネットをテーマとしたテレビ番組、CNET CentralThe WebThe New Edgeを制作した。このうちCNET CentralがまずUSAネットワークで放送開始された。その後、SciFiチャンネルThe WebThe New Edgeの放送が開始された。1996年にはTV.comが放送開始されている。このように元々はテレビ番組制作会社であり、インターネット上のサイト運営はそれに付随した業務だった。

さらにCNETは、別のテレビ番組News.comを1999年からCNBCで放送している。

1999年、CNETはスイスを本拠地とする企業GDTを買収した[1]

2000年1月、CNETはCNET Networksと改称した。同時に価格比較サイトmySimonを7億ドルで買収した[2]

2000年10月、CNETはZDNetを約16億ドルで買収した[3][4]。2001年1月、ジフ・デイビスとCNETはソフトバンクにジフ・デイビスが売却したURLを取り戻すことで合意した[5]。2001年4月、CNETはガートナーがIT専門家向けに運営していたTechRepublic Inc.を2300万ドルで買収した[6]2004年7月14日、CNETは写真サイトとして有名なWebshotsを7000万ドルで買収することを発表した[7]

2001年から2003年まで、CNETはCNET Radioというラジオ番組をサンフランシスコボストンで放送していた。テクノロジーをテーマとした番組だったが、聴取率が悪く、CNET自体の財政問題もあって2003年1月に放送終了となった[8]

1996年から2003年の間に行われたストックオプションの不正が発覚した結果、2006年10月11日、Shelby BonnieがCEOを辞任した。後任としてNeil AsheがCEOに就任した。

2006年12月、James Kim(CNETの編集者)がオレゴン州の荒野で死亡した。CNETは彼に捧げる記念のショーとポッドキャストを主催した。

2007年3月1日、CNETはビジネスマン(マネージャレベル)向けのBNETの立ち上げを発表した。ただしベータ版としては2005年から運営されている[9]

2023年1月、Futurism.comの調査[10]により、CNETが2022年11月からChatGPTにCNET Moneyの名義で記事を書かせていたことが判明した[11]検索エンジン最適化が目的とみられるが、ChatGPTが執筆した記事には誤りが多数掲載されていたため、正確性が疑問視されている[12]

CBSによる買収 編集

2008年5月15日CBSコーポレーション(現・パラマウント・グローバル)はCNETを18億USドルで買収することを発表した[13][14][15]2008年6月30日、買収が完了した[16]。かつてのCNETの資産は、現在はレッド・ベンチャーズの子会社となっている。

日本における展開 編集

朝日インタラクティブ株式会社
ASAHI INTERACTIVE INC.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 101-0051
東京都千代田区神田神保町3-29-1 住友不動産一ツ橋ビル2階
設立 2009年9月1日
業種 情報・通信業
事業内容 テクノロジー情報配信
代表者 葛原 徳昭(代表取締役社長)
主要株主 株式会社朝日新聞社(100%)
外部リンク aiasahi.jp
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日本では、1997年にテレビ版をテレビ東京がダイジェスト版として放送した。同年より2002年末までNTTPCコミュニケーションズがライセンス供与を受け日本語版ウェブサイトを運営した。2002年8月、CNET Networks, Inc.がバックテクノロジーズ株式会社(御手洗大祐社長、当時)を買収し、2003年1月、社名をシーネットネットワークスジャパン株式会社と変更して、日本語版ウェブサイトの運営を引き継いだ。

CNETは2000年、IT系ニュースサイトとして当時最大のライバルであったZDNetを買収したが、以降も「ZDNet Japan」はソフトバンク・ジーディーネット(現・ITmedia)による運営が続き、2004年1月、ライセンス契約期限切れに伴いサイト名を「ZDNet Japan」から「ITmedia」へ変更した。2005年4月、シーネットネットワークスジャパンにより「ZDNet Japan」が改めて開設された。

2009年7月1日朝日新聞社が、シーネットネットワークスジャパンが運営する「CNET Japan」「ZDNet Japan」「GameSpot Japan」「鉄道コム」などのサイト運営事業を買収し、事業承継すると発表[17][18]された。同年9月1日以降、シーネットネットワークスジャパンから新設分割によって設立された朝日新聞社の完全子会社、朝日インタラクティブ株式会社によって運営されている[19]朝日新聞デジタル(旧asahi.com)、CNET Japanの双方で互いの主要記事へのリンクが掲載される。

GameSpot Japanは2012年12月17日をもって終了し、過去の記事も閲覧できなくなった[20]。以降はCNET Japanにコンピュータゲーム関連の記事が掲載されている。

運営サイト 編集

脚注 編集

  1. ^ CNET Acquires GDT InternetNews、1999年7月27日。2008年9月22日閲覧
  2. ^ CNET Acquires mySimon”. internetnews.com (2000年1月20日). 2008年1月19日閲覧。
  3. ^ Cnet To Buy Ziff Davis”. InformationWeek (2000年7月19日). 2007年6月29日閲覧。
  4. ^ Interview With CNETnews.com's Sydnie Kohara”. JournalismJobs.com (2001年1月). 2007年6月29日閲覧。
  5. ^ Ziff Davis Media to Regain URLs through agreement with CNET Networks, ZDNet”. Ziff Davis Media Press Release (2001年1月23日). 2012年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月19日閲覧。
  6. ^ CNET acquires TechRepublic for $23 million”. San Francisco Business Times (2001年4月9日). 2008年1月19日閲覧。
  7. ^ CNET Networks to Acquire Webshots”. CNET Networks Investor Relations (2004年7月14日). 2008年1月19日閲覧。
  8. ^ CNet pulls plug on radio program”. Silicon Valley / San Jose Business Journal (2003年1月16日). 2007年6月29日閲覧。
  9. ^ “CNET Networks rolls out BNET, Web site targeting business managers”. BtoB Magazine. (2007年3月1日). http://www.btobonline.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20070301/FREE/70301001/1078 2007年6月29日閲覧。 
  10. ^ Frank Randymore (2023年1月21日). “CNET Is Quietly Publishing Entire Articles Generated By AI” (英語). Futurism. https://futurism.com/the-byte/cnet-publishing-articles-by-ai 
  11. ^ Mia Sato; James Vincent (2023年1月19日). “Inside CNET’s AI-powered SEO money machine” (英語). The Verge (Vox Media). https://www.theverge.com/2023/1/19/23562966/cnet-ai-written-stories-red-ventures-seo-marketing 
  12. ^ Lauren Leffer、福田ミホ「米CNET、AIにひっそり書かせた記事が間違いだらけだった」『ギズモードゴーカー・メディア、2023年1月23日。
  13. ^ CBS CORPORATION TO ACQUIRE CNET NETWORKS, INC.”. CBS Corporation (2008年5月15日). 2008年5月15日閲覧。
  14. ^ CBS to buy CNET Networks”. CNET (2008年5月15日). 2008年5月15日閲覧。
  15. ^ CBS buying CNet in online push”. cnn.com (2008年5月15日). 2008年5月15日閲覧。
  16. ^ CBS CORPORATION COMPLETES ACQUISITION OF CNET NETWORKS; MERGES OPERATIONS INTO NEW, EXPANDED CBS INTERACTIVE BUSINESS UNIT”. CBS Corporation (2008年6月30日). 2008年6月30日閲覧。
  17. ^ 朝日新聞社、CNET Japan、ZDNet Japan等の事業を米CBS Interactiveより継承”. CNET Japan. CNET (2009年7月1日). 2018年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月20日閲覧。
  18. ^ 「CNET Japan」等の事業継承とパートナーシップの樹立について asahi.com、2009年7月1日。
  19. ^ 朝日インタラクティブ株式会社を設立” (PDF). 朝日新聞社 (2009年9月1日). 2009年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月29日閲覧。
  20. ^ GameSpot Japan、2012年12月17日で終了 ― 今後はCNET Japanに”. GameBusiness.jp (2012年11月22日). 2013年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月5日閲覧。

外部リンク 編集