ボックス・セット
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ボックス・セットは、映画やテレビ番組などの映像作品や音楽作品を、ひとつの特別な箱(ボックス)に梱包したもの。日本語では「箱入り」ともいう。
稀に複数の媒体に分けられたひとつの作品に対しては呼ばない場合もある。
媒体にはレコードやコンパクトディスク、DVD・Blu-ray Discなどのディスク、その他磁気テープ、本など様々な形態がある。
ボックス・セットは文字通りセット販売のため、ソフト1枚ごとの単価が安くなり、好きな作品や楽曲がまとめて手に入るだけでなく、ブックレットやミニ写真集が特別に封入されることが多く、また初回版には特典が付加されることがある。
DVD-BOX編集
映画やテレビ番組などで連続作品となっているものは、作品をシリーズとしてひとつにまとめるか、あるいはクール(シーズン)ごとにまとめて発売する傾向にある。特に監督など著名な人物ごとのボックスとして発売される場合や、その他にも独自のコンピレーションによるボックス・セットもある。
2014年現在、BOX形態で販売されている作品は1990年代後半以前作品が中心だが、近年では1990年代後半以降作品でもDVD-BOXになる場合もある。
テレビ放送で最終回収録分がDVD化された後、今まで発売されたDVDをDVD-BOXとして発売した(「BOX化」と呼ばれることが多い)作品も存在する。
収録、販売形態はテレビドラマでは全話を数枚のディスクに収録、それらを纏めて保管する箱(BOX)に収容され販売される形態が主流で、アニメーション(劇場版除く)ではソフトを定期的に販売する形態が主流となっている。
BOXそのものは、テレビドラマやアニメーションの全話を収録している商品が多いが、音楽ライブや特集関係のDVD-BOXが存在する。
音楽関係ではザ・ビートルズのようにアーティストごとに収録するのが慣例となっているほか、バラエティ番組では『8時だョ!全員集合』のように、ボックスのみで販売されているものも存在する。
劇場用映画作品においても、洋画『スター・ウォーズ』などのようにシリーズ化した人気作品は、各作品を全て収録したBOX版が後に発売されることがある。
一般的にDVD-BOXは映像特典などが「おまけ」として付随することが多い。他に、作品によっては初期生産品限定でキャラクターのフィギュアやCDなどを同梱させた「初回限定盤」が存在することもある。
アニメーションソフトではこの「おまけ」に収納ケースを付属させ、擬似的にDVD-BOXのようにしているものもあるが、これは本項で扱っているものとは異なる。
テレビドラマやアニメーションのDVD-BOXには、全話を1つのDVD-BOXにまとめた作品と、DVD-BOX自体を上下巻(あるいは複数巻)扱いにして複数のDVD-BOXで販売している作品がある。
何分割されるかは作品によりバラつきがあり、全50〜60話程度で2〜3分割されることもあれば、全100話以上でも1つにまとめられることもある(アニメーションの例)。
LD-BOX編集
DVD普及以前は、レーザーディスクを用いたLD-BOXが発売された。1987年5月にキティ・フィルムから発売のテレビアニメ『うる星やつら』LD-BOXがBOX商品第1号といわれる。
『うる星やつら』のLD-BOXは全50枚で33万円の価格にもかかわらず、予約限定の初回分が完売する成功を見せ、以後のテレビアニメや特撮テレビ番組のBOX化の道を開いた[1]。LD-BOXで発売された作品の中には、DVD-BOXで再発売されたものもあるが、LDのサイズに合わせて大きな紙面を使用した解説ブックレットは、DVDサイズに合わせたDVD-BOXのそれと比べ内容、写真等の資料掲載量などにおいて充実したものが多く、資料的にも優れたものが少なくなかった。
特撮・アニメ両ジャンルの場合、当時のアニメーターからのイラスト提供が受けられなかった際の打開策として幼少時にこれらの作品に影響を受けた若手アニメーター達がインナージャケット用のイラストを提供する、という企画が一部のメーカーで立ち上げられ、他社も追従するかたちでセールスポイントの1つとして採用していたが、雑誌『宇宙船』など一部のメディアでは、直接その作品に携わっていないクリエイターが手掛けるシステムを疑問視する向きも見受けられた。
LD衰退後も、1990年代後半までは新作が供給された。作品の一部ではLD-BOXに見せかけて記録メディアそのものはVHSビデオカセット2本組といったものも存在した。
BD-BOX編集
ハイビジョン画質での映像記録が可能なBlu-ray Discを用いたBOX商品。
現在は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『スパイダーマン』シリーズなどといった洋画のシリーズを1BOXに収めたものが大半を占めるが、これから普及が伸びていくに連れて現行のDVD-BOXのように多様なジャンルのBD-BOXがリリースされることが期待される。
VCD-BOX編集
中国市場向、VCD-BOX形態で販売されている作品。
CD-BOX編集
長い音楽経歴を持つアーティストは、それまでの作品を一挙に集めたボックス・セットを発売する傾向にある。またクラシック音楽、ジャズ、オールディーズ、イージーリスニングなどジャンルに対する需要がある場合、複数アーティストを集めたコンピレーション・ボックスも多い。ライノ・エンタテインメント(ワーナー)やレガシー・レコーディングス(ソニーBMG)は旧譜の再発を主軸にしており、多数のBOXセットを販売している。
DVDが新作・旧作問わずBOX販売される機会が多いのに対し[2]、CDでは一度発売されたものが再編集の上でBOX化されることが多い。
音楽CD-BOXの場合、例えば単独アーティストの音源コレクション、あるレコード会社が原盤権を保有する楽曲のみを集めた作品集、レコード会社枠を超えて往年の流行歌を集めた作品集などがある。その中でも単独アーティストの場合、主にシングル曲をまとめたシングル・コレクション・BOX、アルバムをまとめて復刻したアルバム・BOX、シングル・アルバムの縛りなく代表曲を集めたベスト・コレクション・BOX、ライヴ音源のみを集めたライヴ・コレクション・BOX、全音源を収録したコンプリート・BOXなどに分けられる。多くは歌手活動節目の年(20周年、30周年など)やグループの解散前後、該当アーティストの死去後に発売されることが多い。
オムニバスCD-BOXの場合、例えば演歌やムード歌謡、戦前・戦中・戦後の歌謡曲、軍歌、フォークソング、アイドル歌謡曲、ニューミュージック、J-POP、唱歌・童謡、オールディーズなどのジャンルごとに分類したものや、廃盤音源を集めたものなどがある。
そのほか、流行歌をボーカルなしの演奏のみで収録したもの(二胡・ギター・ ピアノなど)や、リラクゼーション・コンピレーション、音楽のみならず漫才・落語全集や名作本の朗読集も制作されている。アニメ・実写作品のCD-BOXでは、テレビアニメやオリジナルビデオアニメ、アニメーション映画など同一タイトル・シリーズのサウンドトラックを集めたものや、オムニバスのアニメ主題歌集、テレビゲーム・ミュージック集などもある。
流通経路としては、通信販売限定の販路となっていることが多く、テレビショッピング、ラジオショッピング、新聞広告、雑誌広告などを利用する形を採っている。価格も10,000円以上と高価なものであるものが殆どだが、レコード会社が原盤権を保有するオリジナル音源を集めている割に1曲あたりの値段が10円以下と、アルバムよりも更に安く抑えられている。