Mk.39 5インチ砲
ミッドウェイ級搭載のMk.39単装砲塔
運用・開発
開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
設計 1940年
配備期間 1945–1993年
配備先  アメリカ海軍
Naval Ensign of Japan.svg 海上自衛隊
関連戦争 ベトナム戦争
諸元[1]
口径 5in (127mm)
砲身長 54口径長 270in (6.858m)
砲身重量 5,400lbs (2,449kg)
砲塔重量 73,900lbs (33.52t)
俯仰角 -10/+85°
俯仰速度 15°/s
旋回角 300° (±150°)
旋回速度 30°/s
砲弾重量 70lbs (31.75kg) ※HC Mk.41
砲口初速 2,650fps (808m/s)
最大射程 25,900yd (23,683m)
最大射高 51,600ft (15,728m)
発射速度 15-18rpm

Mk.39 5インチ単装砲は、アメリカ海軍艦砲システム。54口径127mm砲Mk.16(5"/54 Caliber Gun Mark 16)を単装砲塔と組み合わせた両用砲である。

来歴編集

アメリカ海軍は、1934年に38口径12.7cm砲(Mk.12 5インチ砲)を制式化し、駆逐艦級艦艇の主砲、あるいは大型艦の副砲/対空砲として広く搭載した[2]第二次世界大戦後期に至ると、艦種にかかわらず、遠距離用として38口径12.7cm砲(方位盤はMk.37)、中距離用として56口径40mm機銃(方位盤はMk.51)、近距離での最終防御用として70口径20mm機銃(照準器はMk.14)の3種類に対空兵器を統一し、縦深的な防空網を構築した[3]

しかしアメリカ海軍兵器局では、1939年より、さっそく38口径12.7cm砲の後継となる新型対空砲の開発に着手していた。この際には口径から再検討が行われ、5インチのほか、6インチ(15.2cm)や4.5インチ(11.4cm)も俎上に載せられたが、1940年1月、既存の5インチ砲よりも長砲身化して射程延伸を図った54口径12.7cm砲が採択された。これによって開発されたのが本砲である[4]

設計編集

まず、50口径15.2cm砲(Mk.8/0 6インチ砲)を減口径化したMk.D/Oと47口径15.2cm砲(Mk.16/0 6インチ砲)英語版を減口径化したMk.E/Oがプロトタイプとして製作された。最終的に採用された54口径12.7cm砲(Mk.16/0 5インチ砲)では、自緊処理 (autofrettageを施したモノブロック砲身が採用されており[5]、長砲身化したにも関わらず、2,432キログラムと比較的軽量である。尾栓は垂直鎖栓式である[4]

当初計画では、連装型のMk.41はモンタナ級戦艦の高角砲として搭載される予定であったが、モンタナ級の計画自体が中止されたことから、これは実現せず、単装型のMk.39のみが1942-45年度計画のミッドウェイ級航空母艦に搭載されて装備化された[4]

砲室は密閉式の角型砲塔で、防楯の外板は厚さ19ミリの鋼板である。操作要員は計16名、砲塔内に10名と給弾薬室に6名である。給弾薬室中央部には半自動式2筒型の揚弾筒が配置されており、電動・油圧によって上下する。弾薬はMk.12砲と同じ半固定式である[4]。ただし弾火薬庫からの揚弾および装填は、一部機力補助による人力操作のままで、38口径12.7cm砲とほぼ同一であったことから、発射速度の向上は持ち越しとなった[6]

運用編集

 
グアンタナモ湾に停泊する「フランクリン・D・ルーズベルト」(1950年3月22日)右舷に7門のMk.39を搭載している

上記の経緯により、連装型のMk.41の計画は中止され、単装型のMk.39のみがミッドウェイ級航空母艦3隻に搭載されたのみとなった。このため、生産数も約50基程度と少数であった。またミッドウェイ級の搭載砲も、数次に渡る近代化改装で順次に撤去され、1977年までにアメリカ海軍での運用は終了した[4]

このうち、1955年頃の近代化改装で撤去された砲はは日本海上自衛隊に供与され、初代むらさめ型および初代あきづき型護衛艦に搭載された[6]。小型の護衛艦に搭載されるに当たって、重量を軽減するため、砲室の防楯は厚さ6ミリの高張力鋼に変更された[4]

搭載艦編集

登場作品編集

アニメ編集

ハイスクール・フリート
晴風の最終武装として登場。シュペー戦の損傷復旧時に九八式10センチ高角砲から換装された。

脚注編集

注釈編集

出典編集

  1. ^ 5"/54 (12.7 cm) Mark 16
    5-IN. MOUNT, MARK.39 MOD.0
  2. ^ 梅野 2007, pp. 90-94.
  3. ^ 香田 2015, pp. 78-81.
  4. ^ a b c d e f 梅野 2007, pp. 86-90.
  5. ^ Campbell 1986, p. 143.
  6. ^ a b 香田 2015, pp. 36-43.

参考文献編集

  • Campbell, N. J. M. (1986). Naval Weapons of World War Two. Naval Institute Press. ISBN 978-0870214592. 
  • 梅野, 和夫『世界の艦載兵器―砲熕兵器篇』光人社、2007年。ISBN 978-4769813590
  • 香田, 洋二「国産護衛艦建造の歩み」『世界の艦船』第827号、海人社、2015年12月、 NAID 40020655404

関連項目編集

  •   ウィキメディア・コモンズには、Mk 39 5インチ砲に関するカテゴリがあります。
  • Mk 42 5インチ砲 - 後継となった5インチ単装速射砲。Mk.18砲を採用している。