OKC-3S は、M7銃剣の後継としてアメリカ海兵隊によって開発された、M16系統の自動小銃に装着する銃剣である。この多用途銃剣は、M7より優れた耐久性を備え、戦闘用ナイフとしても機能する。

OKC-3S bayonet
OKC-3S 銃剣
種類 銃剣
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ
運用史
配備期間 2003年–
配備先 アメリカ海兵隊
関連戦争・紛争 アフガニスタン紛争イラク戦争
開発史
開発期間 2002年
製造業者 オンタリオナイフ
製造期間 2003年–
製造数 100,000本以上
諸元
全長 13 in (33 cm)
刃長 8 in (20 cm)

刃部 高炭素鋼クリップポイント、フルタング
柄部 金属製鍔、掛け金、留め金、ダイナフレックスグリップ
鞘部 ポリエステルエラストマー
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歴史 編集

OKC-3Sは、海兵隊マーシャルアーツプログラム、ナイフ格闘を含む海兵隊の白兵戦訓練を拡張、強化するためにアメリカ海兵隊総司令官ジェームズ・L・ジョーンズ大将によって2001年から開始された武器改良の一環である。多用途銃剣を採用するという決定が2002年12月になされてから、33の異なるナイフが評価された。OKC-3Sはほぼ全てのテストにおいて高い評価を得たため、選ばれることとなった。また、製造・販売は2003年から開始された。

構造 編集

 
MCMAPのロゴ。OKC-3SとM16がモチーフとなっている
 
アメリカ海兵隊の銃剣訓練。

OKC-3Sはオンタリオナイフ社一社により製造され、同一商品を民間でも購入することが出来る。樋こそ付いていないが、Ka-Bar戦闘用ナイフのデザインに似通っている。M7より大きく、厚く、重いものの、アメリカ陸軍が支給しているM9よりも薄く、軽くなっている。鋭い刃先はボディーアーマーの貫通を助け、柄の付近に作られているセレーションは戦闘用のみならず多用途ナイフとしての機能を向上させている。デモンストレーションにおいて、この試作型は航空機用アルミニウムとボディーアーマーに覆われたサンドバッグを貫通することが出来た。全ての箇所は耐腐食性を持つよう設計されており、鞘部を含めて570グラムの重量がある。鞘部と柄部はコヨーテタンギアの部隊に調和するように塗装され、ウッドランド迷彩、砂漠迷彩とも調和させることが出来る。NATOストック番号は1095-01-521-6087である。

OKC-3Sは、刃長20.32センチメートル、刃幅3.49センチメートル、刃厚0.51センチメートルである。またセレーション部は刃渡りの中で4.4センチメートルである。刃部はHRC硬度53-58の1095高炭素鋼製であり、-32から57℃の間で破損することなく機能する。刃部にはリン酸塩皮膜処理も施されている。

柄部には滑り止め加工として人間工学に基づいた溝が掘られており、楕円形をしている。この構造は擦過傷を防ぐと共に、訓練中の手の疲労を抑える働きも持つ。また、使用者が暗闇で刃の方向を確認するために、ハクトウワシと地球、錨のマークが刻印されているという特徴を持つ。ナロータング式の中子をかしめることで、いずれもリン酸塩皮膜処理が施された鍔・マズルリングとポンメルの留め金を繋いでいる。以前のオンタリオナイフ社の社長であり、最高責任者のニック・トバービッチ・ジュニアは「我々は柄部が人間工学的に正しいと言うことを証明するのに多くの時間を費やした……柄部には肉刺ができるような場所がない。海兵隊員は最高であり、彼らは最高に値する」と語った。[1]

ナティック研究所によって設計されたポリエステルエラストマー製の鞘部は、M7の鞘部から重量と騒音を軽減し、en:ILBEと調和させられる。また鞘部の口には、銃剣を固定するために、内部の形に一致するように作られたステンレス鋼製ばねと滑り止めが設けられている。セラミックで覆われたアルミニウム製ホーニング・ロッドは鞘部の裏側に位置している。鞘部はen:MOLLEシステムのPALSに対応している。 

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ Perry, Tony (2003年1月19日). “New Bayonet Puts Marine Corps on the Cutting Edge”. Los Angeles Times. 2010年1月6日閲覧。