Raspberry Pi

クレジットカードサイズのシングルボードコンピュータ

Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータイギリスRaspberry Pi 財団(非営利組織)とRaspberry Pi Ltd(営利組織)によって開発されている。日本語では略称としてラズパイとも呼ばれる[3]

Raspberry Pi 5
Raspberry Pi 5
開発元 Raspberry Pi Ltd
種別 シングルボードコンピュータ
発売日 2023年10月23日 (2023-10-23)
OS Raspberry Pi OS
SoC Broadcom BCM2712
CPU ARM Cortex-A76 @ 2.4GHz
メモリ 2, 4, 8GB
ストレージ microSDカード、PCIe接続、USB接続
電源 5V 5A 25W
前世代ハード Raspberry Pi 4 Model B
ウェブサイト www.raspberrypi.com
Raspberry Pi Ltd
種類
公開会社
市場情報 LSERPI(2024年6月11日上場[1]
設立 2012
本社 194 Cambridge Science Park, Milton Road, Cambridge, England, CB4 0AB
主要人物
Eben Upton (CEO)
製品 Raspberry Pi
売上高 US$265,797,000[2] (2023)
営業利益
US$37,532,000[2] (2023)
利益
US$31,572,000[2] (2023)
総資産 US$265,354,000[2] (2023)
純資産 US$159,214,000[2] (2023)
従業員数
103[2] (2023)
ウェブサイト www.raspberrypi.com

2012年の立ち上げ当初は教育で利用されることを想定して制作された。IoTが隆盛した2010年代後半以降は、安価に入手できるシングルボードコンピュータとして趣味や業務(試作品の開発)等としても用いられるようになった。その後 Raspberry Pi Compute Module を商品に組み込む用途まで広がっていき、2023年は売上の72%が産業・組み込み市場となっている[4][5]

概要

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Raspberry Piは、かつてイギリスで教育用コンピュータとして普及したエイコーン社の「BBC Micro(1981年)」の再来として、学校で基本的なコンピュータ科学の教育を促進することを意図している[6][7][8]。Model A、Model Bという名称もBBC Microに由来しており、サポートされるコンピュータ言語の中にはBBC Microで利用されたBBC Basicも含まれている。

ハードウェア的にはエイコーン社のCPU部門(Acorn RISC Machine、略してARM)が独立したARM社の開発するARMプロセッサを搭載している。また、エイコーンのオペレーティングシステム (OS) であるRISC OSも、Raspberry Pi用がRISC OS Open Limitedより公式リリースされている。 内蔵ハードディスクソリッドステートドライブを搭載しない代わりに、SDメモリーカード(SDカード)またはmicroSDメモリーカード (microSD Card) を起動および長期保存用ストレージに利用する[9]STEM教育の一環として本製品以外にも、ArduinoIchigoJamM5StackObnizなどが見られる。

出荷台数

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Raspberry Pi 累積出荷台数(百万台)

2012年2月29日発売からの累計出荷台数は2013年10月31日までで200万台[10]、2014年6月11日までで300万台[11]、2015年2月18日までで500万台[12]、2015年10月13日までで700万台[13]、2016年2月29日までで800万台[14]、2016年9月8日までで1,000万台[15]、2016年11月25日までで1,100万台[16]と、年間約230万台のペースであった。

その後、累計出荷台数は、ペースが上がり、2018年3月14日までで1,900万台[17]、 2019年12月14日までで3,000万台[18]、 2021年1月21日までで3,700万台[19]と 年間約600万台強の直線的な増加を記録した。

その後、累計出荷台数は、2021年5月12日までで4,000万台[20] 、2021年9月22日までで4,200万台[21] 、2021年11月16日までで4,300万台[22] 、出荷開始からちょうど10年間経過の2022年2月28日までで4,600万台[23] を記録。

2021年10月20日、世界的な半導体不足により、Raspberry Pi の供給不足および一時的な値上げを発表[24]。2022年4月4日、再度、供給不足の状況を説明し、商品に組み込んでいるなど産業用で必要な企業を、家庭用よりも優先すると発表[25]。2022年12月12日、2023年第2四半期から生産数が回復し、2023年第3四半期から在庫がある状態に戻る見通しであると述べた[26]。2023年6月1日、2023年7月から月産100万台に回復できる見通しであると報道された[27][28]

製造企業

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ハードウェアの設計は英国Raspberry Pi Ltdが行い、製造はRaspberry Pi Ltd自身と、Raspberry Pi Ltdから製造権を供与されたelement14(Premier Farnell社)が担当している(2022年まではRSコンポーネンツ社も製造を任されていたが、2022年にRaspberry Pi Ltdより契約を解除された[29])。この2社から製品の供給を受けた各国のリセラー(日本ではBAKS、スイッチサイエンス、DigiKey、KSY、Mouser Electronicsの5社[30])によって製品が販売される。いずれのメーカーも実際の製造はソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ社に委託されている[31]。2022年現在、ほとんどの製品が英国内の工場(ソニーペンコイド工場、ウェールズ)で製造されているが、日本向けモデルの一部は日本国内の工場(ソニー稲沢テック、愛知県)で製造されている[32]。2021年現在はRaspberry Pi Picoを稲沢テックで製造中[33]

ハードウェア

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Model A, Model B

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Model A, Model B はクレジットカードと同程度(Model A は長辺方向がクレジットカードの5分の4程度)の大きさ。Model A の方が価格が安い。Model A, Model B には USB をはじめとして、様々な端子が取り付けられている。

モデルごとの仕様一覧表(Model A / Model B)
Model A Model B Raspberry Pi 5
Raspberry Pi 1
Model A
Raspberry Pi 1
Model A+
Raspberry Pi 3
Model A+
Raspberry Pi 1
Model B
Raspberry Pi 1
Model B+
Raspberry Pi 2
Model B
v1.1
Raspberry Pi 2
Model B
v1.2
Raspberry Pi 3
Model B
Raspberry Pi 3
Model B+
Raspberry Pi 4
Model B
発売日 2013年2月 2014年11月10日 2018年11月15日[34][35] 2012年2月15日 2014年7月 2015年2月1日 2016年 2016年2月29日 2018年3月14日[36][37] 2019年6月24日[38][39] 2023年10月23日[40]
FCC認証 2016年7月26日 2016年2月26日[41] 2023年10月18日[42]
電波法認証 2019年9月19日[43] 2016年2月25日[注釈 1] 2018年5月17日 2019年9月4日[44] 2024年1月11日[45]
ターゲット価格[7][46] $25 $20 $25 $35[47][48] $35→$25[49] $35 $35(1 GB)

$45→$35[50]→$45[24](2 GB)
$55 (4 GB)
$75 (8 GB)[51]

$50 (2GB)
$60 (4GB)
$80 (8GB)
SoC[7]
(CPU, GPU, DSP, SDRAM, USB)
Broadcom BCM2835[52] Broadcom BCM2837B0[53] Broadcom BCM2835[52] Broadcom BCM2836 Broadcom BCM2837[注釈 2] Broadcom BCM2837[54] Broadcom BCM2837B0[55] Broadcom BCM2711[56] Broadcom BCM2712[57]
CPU ARM1176JZF-S[58] ARM Cortex-A53[53] ARM1176JZF-S[58] ARM Cortex-A7 ARM Cortex-A53[注釈 2] ARM Cortex-A53[54][55] ARM Cortex-A72[56] ARM Cortex-A76[57]
シングルコア クアッドコア[53] シングルコア クアッドコア[54][55][56][57]
700 MHz 1.4GHz[53] 700 MHz 900 MHz 1.2 GHz[54] 1.4 GHz[55] 1.5 GHz → 1.8 GHz[59][56] 2.4 GHz[57]
ARMv6 ARMv8 (64bit)[53] ARMv6 ARMv7 ARMv8 (64bit)[注釈 2] ARMv8 (64bit)[54][55][56][57]
ARM11 ARM Cortex-A[53] ARM11 ARM Cortex-A[54][55][56][57]
GPU
Broadcom VideoCore IV[60] Broadcom VideoCore VI[61] Broadcom VideoCore VII[57]
250 MHz 400 MHz(3D 300 MHz) 250 MHz 400 MHz (3D 250 MHz) 400 MHz (3D 300 MHz) 2コア
500MHz[61]
12コア
800 MHz[61]
OpenGL ES 2.0 (250 MHz の場合 24 GFLOPS) OpenGL ES 3.1, Vulkan 1.0[56] OpenGL ES 3.1, Vulkan 1.2[57]
H.264 High Profile(1080p30デコード・エンコード)[52]
MPEG-2[62][注釈 3]
VC-1[63][注釈 3]
H.264(1080p30デコード・エンコード)
MPEG-4(1080p30デコード)[64]
H.264 High Profile(1080p30デコード・エンコード)[52]
MPEG-2[62][注釈 3]
VC-1[63][注釈 3]
H.264(1080p30デコード・エンコード)
MPEG-4(1080p30デコード)[65]
H.265(4Kp60デコード)
H.264(1080p60デコード、1080p30エンコード)[56]
H.265(4Kp60デコード)[57][61]
メモリ
(GPUと共用)
256 MB 512 MB[53] 512 MB
256 MB[注釈 4]
512 MB 1 GB[54][55] 1 GB, 2 GB, 4 GB, 8 GB[56]
LPDDR2 SDRAM[54][55] LPDDR4-3200[56] LPDDR4X-4267
17 GB/s[57][61]
USB 2.0 ポート[9] 1[53] 2
(LAN9512内蔵ハブ)[66]
4
(LAN9514内蔵ハブ)[67]
4[54][55] 2[56][57]
USB3 ポート なし 2 (5Gbps)
同時5Gbps通信不可[56]
2 (5Gbps)
同時5Gbps通信可能[57]
PCIe なし PCIe 2.0 1レーン (5Gbps)[57]。設定によりPCIe 3.0 (8Gbps)も利用可能だが、不安定な場合があるとしている。[68]
映像入力 15ピンMIPIカメラインターフェース (MIPI CSI-2 2レーン)[注釈 5] MIPI CSI 4レーン x2[57]
映像出力[7] コンポジット RCA (PAL / NTSC) , HDMI 1.3 / 1.4[69], MIPI DSI コンポジット 3.5mm 4極ジャック (PAL / NTSC) , HDMI 1.3 / 1.4[69], MIPI DSI コンポジット RCA (PAL / NTSC) , HDMI 1.3 / 1.4[69] MIPI DSI コンポジット RCA (PAL / NTSC) , micro-HDMI 2.0 (最大4Kp60) x2, MIPI DSI 2レーン[56] micro-HDMI (最大4Kp60) x2, MIPI DSI 4レーン x2[57]
音声入力 I²S
音声出力[7] 3.5 mm ジャック, HDMI, I²S, USB Audio Class 2.0 3.5 mm ジャック, micro-HDMI, I²S, USB Audio Class 2.0 micro-HDMI, I²S, USB Audio Class 2.0
ストレージ[9] SDHCカード / MMC microSDカード[53] SDHCカード / MMC microSDカード[54][55][56][57]
有線ネットワーク[7][9] なし LAN9512[66] LAN9514[67] Gigabit Ethernet over USB 2.0 (最大300Mbps) [55] Gigabit Ethernet[56][57]
10BASE-T/100BASE-TX[54]
無線LAN/無線PAN[7][9] なし IEEE 802.11 b/g/n/ac 2.4GHz and 5GHz, Bluetooth 4.2, BLE[53] なし IEEE 802.11 b/g/n 2.4 GHz, Bluetooth 4.1, BLE[54] IEEE 802.11 b/g/n/ac 2.4GHz and 5GHz, Bluetooth 4.2, BLE[55] IEEE 802.11 b/g/n/ac 2.4GHz and 5GHz, Bluetooth 5.0, BLE[56][57]
低レベル周辺機器[注釈 6] GPIO 26 ピン
内訳:8 × GPIO, UART, I²C, SPIと2つのチップセレクト, +3.3 V, +5 V[注釈 7], 接地[60][70]
GPIO 40 ピン[53] GPIO 26 ピン
内訳:8 × GPIO, UART, I²C, SPIと2つのチップセレクト, +3.3 V, +5 V[注釈 7]4110, 接地[60][70]
GPIO 40 ピン[54][55][56][57]
消費電力
(典型的)
200 mA[71]
(1.0 W)
180 mA[71]
(0.9 W)
350 mA[71]
(1.75 W)
500 mA[71]
(2.5 W)
330 mA[71]
(1.65 W)
350 mA[71]
(1.75 W)
400 mA[71]
(2.0 W)
アイドル459 mA[72]
(2.295 W)
Max 1.13A (5.661W)
言及なし[73]
推奨電源 2.5 A
(12.5 W)[74][53][54][55]
3A
(15W)[56]
5A
(25W)[57]
電源ソース[7] microUSBまたはGPIO microUSB またはGPIOまたは Power over Ethernet(別途 PoE+ HAT) microUSBまたはGPIO microUSB またはGPIOまたは Power over Ethernet(別途 PoE+ HAT) USB Type-C またはGPIOまたは Power over Ethernet(別途 PoE+ HAT)[56][57]
質量 45 g 23 g 29 g 45 g
大きさ
(コネクター部の突起を除く)
85.6 mm × 56.5 mm (3.37 in × 2.22 in) 65 mm × 56.5 mm (2.56 in × 2.22 in) 85.6 mm × 56.5 mm (3.37 in × 2.22 in) 85 mm × 56 mm (3.3 in × 2.2 in)
公式に提供されるOS Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS (左記に加えて)Ubuntu, Windows 10 IoT Core Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS (左記に加えて)Ubuntu, Windows 10 IoT Core Raspberry Pi OS
Raspberry Pi 1
Model A
Raspberry Pi 1
Model A+
Raspberry Pi 3
Model A+
Raspberry Pi
Model B
Raspberry Pi 1
Model B+
Raspberry Pi 2
Model B
Raspberry Pi 2
Model B V1.2
Raspberry Pi 3
Model B
Raspberry Pi 3
Model B+
Raspberry Pi 4 Raspberry Pi 5

なお、Raspberry Pi 3は64ビットに対応した初のモデルだが、Raspberry Pi 4の発売まで公式OSであるRaspbianは32ビット版しかリリースされていなかった。

Raspberry Pi 400

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キーボード一体型のRaspberry Pi 400が存在する。キーボードの配列はJP/US/UKの3種。性能はRaspberry Pi 4 Model Bとほぼ同じだが、メモリは4GBのみで、CPUクロックは1.8GHz(4Bもオーバークロックは可能)。[75]

Zero は Model A, Model B よりも小型で安価で端子の数が少ない。W は無線搭載、H はピンヘッダが実装済み。

モデルごとの仕様一覧表(Zero)
Zero
Raspberry Pi Zero Raspberry Pi Zero W Raspberry Pi Zero WH Raspberry Pi Zero 2 W
発売日 2015年11月30日 2017年2月28日 2018年1月12日[76] 2021年10月28日[77]
FCC認証 2017年2月28日[78]
電波法認証 2017年4月10日 2022年3月23日
ターゲット価格 $5 $10 $14 $15
SoC[7]
(CPU, GPU, DSP, SDRAM, USB)
Broadcom BCM2835 Broadcom BCM2710A1
CPU ARM1176JZF-S ARM Cortex-A53
シングルコア クアッドコア
1 GHz 1GHz
ARMv6 ARMv8(64bit)
ARM11 ARM Cortex-A
GPU
Broadcom VideoCore IV
250 MHz
OpenGL ES 2.0 (250 MHz の場合 24 GFLOPS)
H.264 High Profile(1080p30デコード・エンコード)[52]
MPEG-2[62][注釈 3]
VC-1[63][注釈 3]
H.264 (1080p30デコード・エンコード)
MPEG-4 (1080p30デコード)
メモリ
(GPUと共用)
512 MB
LPDDR2 SDRAM
USB 2.0 ポート[9] 1 (microUSB)
USB3 ポート なし
映像入力 v1.3より専用カメラインターフェース (MIPI CSI-2 2レーン)[79] 専用カメラインターフェース (MIPI CSI-2 2レーン)
映像出力[7] Mini HDMI
音声入力 I²S
音声出力[7] Mini HDMI, I²S
ストレージ[9] microSDカード
有線ネットワーク[7][9] なし
無線LAN/無線PAN[7][9] なし Broadcom BCM43143
IEEE 802.11 b/g/n 2.4 GHz
Bluetooth 4.1, Bluetooth Low Energy
IEEE 802.11 b/g/n 2.4 GHz

Bluetooth 4.2, Bluetooth Low Energy

低レベル周辺機器 GPIO GPIO 40 ピン
消費電力
(典型的)
100 mA[71]
(0.5 W)
150 mA[71]
(0.75 W)
600 mA[80]
(3 W)
推奨電源 2.5 A
(12.5 W)[74]
電源ソース[7] microUSBまたはGPIO
質量 9 g[81] 11 g[82] 10 g[83]
大きさ
(コネクター部の突起を除く)
65 mm × 30 mm (2.6 in × 1.2 in)
公式に提供されるOS Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS Raspberry Pi OS
Raspberry Pi Zero Raspberry Pi Zero W Raspberry Pi Zero WH Raspberry Pi Zero 2 W

Compute Module

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Compute Module は産業用の組み込み向け。端子などは付いていないが、開発用には Compute Module IO Board が販売されていて、ボードには端子が取り付けられていて、ボードに Compute Module を挿して使用する。端子の種類が異なるサードパーティーのボードも多数ある。

端子の有無を除くと Compute Module 4 は Raspberry Pi 4 Model B とほぼ同じだが、USB 3.0 ではなく PCIe が搭載されていて、サードパーティーのボードによってはこれを M.2 にしていて、SSD やモバイル通信のモジュールやAIアクセラレータ[84]などを挿せる。

産業用ではあるものの、1個単位で個人でも購入できる。

モデルごとの仕様一覧表(Compute Module)
Compute Module
Compute Module (CM1) Compute Module 3 (CM3) Compute Module 3 Lite (CM3L) Compute Module 3+ (CM3+) Compute Module 4 (CM4) Compute Module 4 SODIMM (CM4S)
発売日 2014年4月 2017年1月16日 2019年1月28日 2020年10月19日 2022年4月
提供期限 2026年1月 2028年1月 2030年1月 2034年1月
FCC認証
電波法認証 2022年3月23日
ターゲット価格 $30→$25[85]→$30 $30[85] $25[85] $25~$40 $30~$95 $25~$75
SoC[7]
(CPU, GPU, DSP, SDRAM, USB)
Broadcom
BCM2835
Broadcom
BCM2837
Broadcom
BCM2837B0
Broadcom
BCM2711
CPU ARM1176JZF-S ARM Cortex-A53 ARM Cortex-A72
シングルコア クアッドコア
700 MHz 1.2 GHz 1.5 GHz
ARMv6 ARMv7 ARMv8 (64bit)
ARM11 ARM Cortex-A
GPU
Broadcom VideoCore IV[60] Broadcom VideoCore VI
250 MHz 400 MHz (3D 300 MHz) 500 MHz
OpenGL ES 2.0 (250 MHz の場合 24 GFLOPS) OpenGL ES 3.1, Vulkan 1.0
H.264 High Profile(1080p30デコード・エンコード)
MPEG-2[62][注釈 3]
VC-1[63][注釈 3]
H.264(1080p30デコード・エンコード)
MPEG-4(1080p30デコード)
H.265(4Kp60デコード)
H.264(1080p60デコード、1080p30エンコード)
メモリ
(GPUと共用)
512 MB 1 GB 1GB or 2GB or 4GB or 8GB[86]
LPDDR2 LPDDR4-3200
USB 2.0 ポート[9] 1
USB3 ポート なし なし(ただしPCIeから作り出せる) なし
PCIe なし PCIe 2.0 1レーン (5Gbps) なし
映像入力 2レーン MIPI CSI + 4レーン MIPI CSI
映像出力[7] HDMI 1.3a
2レーン MIPI DSI + 4レーン MIPI DSI
コンポジット, DPI
HDMI 2.0 x 2 (4K, 60fps)
2レーン MIPI DSI + 4レーン MIPI DSI
DPI
音声入力 I²S
音声出力[7] HDMI, I²S
ストレージ[9] 4 GB eMMC SDカードPIN なし or 8GB or 16GB or 32GB
有線ネットワーク[7][9] なし ギガビットイーサネット PHY なし
無線LAN/無線PAN[7][9] なし なし or 2.4 GHz / 5.0 GHz IEEE802.11 b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 BLE なし
低レベル周辺機器 GPIO 48 ピン GPIO 28 ピン GPIO 46 ピン
消費電力
(典型的)
言及なし[87]
(2.0 W)
言及なし[88]
(3.5 W)
電源
(推奨)

(2.5W)[89]

(3.5W)[89]
5V
質量 7 g[90] 6.1 g 6 g
大きさ
(コネクター部の突起を除く)
67.6 mm × 30 mm (2.66 in × 1.18 in) 67.6 mm × 31 mm (2.66 in × 1.22 in)[91] 55 mm × 40 mm (2.2 in × 1.6 in) 67.6 mm × 31 mm (2.66 in × 1.22 in)
公式に提供されるOS Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS Raspberry Pi OS
Compute Module (CM1) Compute Module 3 (CM3) Compute Module 3 Lite (CM3L) Compute Module 3+ (CM3+) Compute Module 4 (CM4) Compute Module 4 SODIMM (CM4S)

2021年1月21日、マイコンボードの Raspberry Pi Pico を発表。価格は$4。[92] デュアルコアの Arm Cortex M0+ プロセッサ(最大 133 MHz で動作)、2MBのフラッシュメモリを搭載し、26のGPIOピンを備えている。[93]通常のRaspberry Piシリーズがシングルボードコンピュータであるのに対して、Picoはマイクロコントローラである。

2022年6月30日、ピンヘッダを実装済みの Raspberry Pi Pico H、無線接続が可能な Raspberry Pi Pico W、その両方の Raspberry Pi Pico WH を発表。Hが$5、Wが$6、WHが$7。

2024年8月8日、Raspberry Pi Pico 2 を発表。価格は$5。CPUはArm Cortex-M33 2コア 150MHz。メモリは520KBのSRAM。[94]

カメラ

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以下の Raspberry Pi 用のカメラを販売している。今のところ全て MIPI CSI 2レーン用のカメラである(4レーンでも動作する)。[95]

  • Raspberry Pi Camera Module v1 - 2013年5月発売、販売終了済み。5メガピクセル。$25。NoIR の赤外線カメラあり。フォーカスは固定。
  • Raspberry Pi Camera Module 2 - 2016年4月発売、2028年1月販売終了。8メガピクセル。$25。NoIR の赤外線カメラあり。動画の最大解像度は1080p30。フォーカスは手動。[96]
  • Raspberry Pi Camera Module 3 - 2023年1月発売、2030年1月販売終了。11.9メガピクセル。$25、$35(Wide)。NoIR の赤外線カメラ、Wide、Wide NoIR がある。wideでない方は水平視野角が66度、wideは水平視野角が102度。オートフォーカス対応。HDR対応。[97]
  • Raspberry Pi High Quality Camera - 2020年5月発売、2030年1月販売終了。12.3メガピクセル。$50。C/CS か M12 マウントのレンズを別途取り付けて使用する。フォーカスは手動。[98]
  • Raspberry Pi Global Shutter Camera - 2023年3月発売、2032年1月販売終了。1.58メガピクセル。$50。グローバルシャッターにより、動く物体を綺麗に撮影することが出来、人工知能による画像認識などに適している。C/CS マウントのレンズを別途取り付けて使用する。フォーカスは手動。[99][100]
  • Raspberry Pi AI Camera - 2024年9月発売、2028年1月販売終了。12.3メガピクセル。$70。AIアクセラレータを搭載したソニーのIMX500を採用。[101]

High Quality Camera や Global Shutter Camera 用のレンズとして以下のものがある。

  • C/CS マウント
    • 16mm 望遠 $50
    • 6mm 広角 $25
  • M12 マウント
    • 8mm $25
    • 25mm (望遠) $15
    • 魚眼 $25

公式以外にも様々なカメラとレンズがサードパーティーから販売されている。

Python 用のライブラリとして picamera があったが[102]、現在は Raspberry Pi Ltd が picamera2 を開発している[103]

HAT は Hardware Attached on Top の略で、GPIO の所に載せるアドオンボードのこと[104]。2023年に後継の HAT+ が制定された[105]。以下の HAT や HAT+ が販売されている。

  • Raspberry Pi M.2 HAT+ - Raspberry Pi 5 用で PCIe 2.0 1レーンの M.2 を利用可能にする。形状は 2230 と 2242 に対応。[106]
    • Raspberry Pi SSD Kit - Raspberry Pi M.2 HAT+ と SSD をセットにした物。[107]
  • AIアクセラレータ
    • Raspberry Pi AI Kit - M.2 形式の Hailo-8L を使用したAIアクセラレータ[108][109]。Raspberry Pi M.2 HAT+ を同梱していて併用して使用する。Hailo 側から発売されている M.2 形式の Hailo-8 も Raspberry Pi では動作する[84]。Raspberry Pi AI HAT+ 発売以降は M.2 を経由しない Raspberry Pi AI HAT+ の方を推奨している。
    • Raspberry Pi AI HAT+ - 同じく Hailo のAIアクセラレータだが、M.2 を経由せずに直接 PCIe で接続するもの。通常の PCIe 2.0 (5Gbps) ではなく、PCIe 3.0 (8Gbps) を使用する。Hailo-8L (13 TOPS, $70) と Hailo-8 (26 TOPS, $110) の2種類が発売されている。[110]
  • Raspberry Pi Build HAT - Lego Technic モーターとセンサーを接続するための HAT[111]
  • Sense HAT - 加速度・気温・気圧・湿度などの様々なセンサー、8×8 RGB LED、ジョイスティックなどを搭載[112]
  • Power over Ethernet
    • PoE HAT (販売終了)
    • PoE+ HAT[113]
    • Raspberry Pi 5 PoE+ HAT
  • オーディオ関係
    • Raspberry Pi DAC+
    • Raspberry Pi DAC Pro
    • Raspberry Pi DigiAMP+
    • Raspberry Pi Codec Zero
  • Raspberry Pi TV HAT - DVB-T2 用。日本では DVB-T2 は使われていない。[114]

公式以外にも様々な HAT がサードパーティーから販売されている。

注釈

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  1. ^ 技適マーク表示が無く発売できず。3月23日、箱に技適マーク入りのものが発売。11月、日本製で基板に技適マーク入りのものが発売。
  2. ^ a b c 2016年10月以降のリビジョン Raspberry Pi2 Model B v1.2” (PDF). Avid Technology, Inc.. 2017年1月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 別売のライセンスが必要。
  4. ^ 2012年10月14日以前の発送分。
  5. ^ 別売のRaspberry Pi用カメラの接続が可能。
  6. ^ Model BのRev.1とRev.2では、GPIOポートのピン配列が異なる。
  7. ^ a b Raspberry Piの内部は3.3Vの電源で動作しており、GPIO入力へ5Vを接続することはできない。

ギャラリー

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ソフトウェア

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オペレーティングシステム

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2012年2月19日、ラズベリーパイ財団はSDカードから起動できるオペレーティングシステムのSDカードイメージを発表した。イメージに含まれるOSのRaspberry Pi OS(旧称:Raspbian)は"Debian GNU/Linux release 8.0 (Jessie)"に基づいており、LXDEデスクトップ環境Chromiumウェブブラウザ[115] に加えて、様々なプログラミングツールを初起動直後使用できる。また、このOSはRaspberry Pi だけでなく様々な他のプラットフォーム上でエミュレートできるように QEMU 上で実行できる[116]。この他、Arch LinuxFedoraUbuntu MATEなどもサポートされている。

ラズベリーパイ財団は、その後、カナダのセネカカレッジで開発された[117] Fedora バージョンをリリースする予定[118]。財団は、プログラムをやりとりするためのアプリケーションストアを開設予定。

Raspberry Pi OSは標準でソフトリアルタイムシステムとなっているが、ユーザーモードプログラムでのハードリアルタイム性能が必要な場合はlinux-rtカーネルを入れることもできる[119][120]。また、ベアメタル(OS無し)で使用することも可能[121]

Mathematica

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2013年11月21日、Raspberry Pi Foundationは、数式処理ソフトである Mathematicaのサブセット版及びその記述言語であるWolframをRaspberry Piの標準イメージ環境であるRaspberry Pi OSに向けて無償提供することを発表した[122][123]。Raspberry Pi 1の性能から、2013年現在の典型的なパソコン上で動作させた場合と比較して、10〜20倍遅いとしている[122]。Remote Development Kitを使い、コーディング等を行う外部コンピュータと、実際にMathematicaを実行するRaspberry Piを接続するインタフェースが提供されている[122]。GPIO を使えるなど専用の命令も用意されている[124]。2014年8月1日より、Mathematica 10 を提供開始[125]

脚注

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関連項目

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外部リンク

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公式サイト

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非公式サイト

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