Tensilica(テンシリカ)は、シリコンバレーを本拠地とする半導体IPコア分野の企業である。 現在はケイデンス・デザイン・システムズの一部になっている。 テンシリカのDPU (データプレーン・プロセッサー)は、CPUDSPの強みを合わせ持ち、 10から100倍の性能を持つ独自ロジックを組み合わせている。 これにより、データに特化した処理タスクに向いている。

Tensilica Inc.
種類 非公開会社
本社所在地 カリフォルニア州サンノゼ
設立 1997
業種 半導体IPコア
事業内容 マイクロプロセッサー、HiFiオーディオ、DSPコア
関係する人物 Chris Rowen、Jack Guedj
外部リンク www.tensilica.co.jp
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テンシリカはカスタマイズ可能なマイクロプロセッサーコアである Xtensaコンフィギュラブル・プロセッサーで知られている。 他の製品としては、ケイデンスと55以上のソフトウェア・パートナーからの125以上の ソフトウェア・ライブラリーの付属したHiFiオーディオ/音声DSPと、 画像処理やビデオ、コンピューター・ビジョンにおける複雑なアルゴリズムを 扱うために設計されたIPV Image/Video DSP、MACを2基搭載したConnX D2から、64基搭載したConnX BBE 64EPに渡るConnXベースバンドDSPファミリーがある。

テンシリカは1997年にChris Rowen (ミップス・テクノロジーズ社の創設者の一人)によって 設立され、当初は、シリコンバレーにあるプロセッサーとEDAを手掛ける企業の 元従業員を雇用していた。 その中には、MIPS命令セットに対して、数年に渡りチーフアーキテクトとして貢献していたEarl Killianが含まれていた。[1] 2013年3月11日にケイデンス・デザイン・システムズはテンシリカを 380百万ドル近くの現金で買収する意志を示した。[2] 2013年4月には、326百万ドル近くの支出でケイデンスは買収を完了した。[3]

目次

ケイデンス・テンシリカの製品編集

ケイデンス・テンシリカは、ライセンス供与先の製品、 例えば、携帯電話や家庭用エンターテインメント機器、通信機器といった 組み込みシステムSystem-on-a-chipのダイに含めることできる 半導体IPコアブロックを開発している。

Xtensaコンフィギュラブル・コア編集

Xtensa DPU (データプレーン処理ユニット)は、小規模で低消費電力であり キャッシュを持たないマイクロコントローラーとしてから、 高性能な同時に16並列処理可能なSIMDと3命令を投入できるVLIW DSPを 備えたコアとしてまで、使用することができる。

例えばテンシリカのようなIPプロセッサ・ベンダーは、キャッシュの大きさや プロセッサーのバス幅、データ用RAM、命令用RAM、メモリ管理の有無、 割り込み制御といった機能を組み合わせて、ライセンス供与先の求めるIPコアを 提供するのが一般的である。 しかし、ケイデンス・テンシリカは、ユーザーの再構成可能な命令セットという 鍵となる機能を持っているため、差別化されている。

提供され構成用ツールを使用することで、顧客はXtensaの基本となる命令セットに、 独自に定義した命令を追加し、拡張することができる。 拡張できるものとしては、SIMD命令や新しいレジスター・ファイル、 マルチプロセッサでのプロセッサ間の通信のためのデータ転送インターフェイス などがある。 プロセッサの構成が決まったら、ケイデンスのプロセッサー・ジェネレーター・サービスが、 カスタマイズされたXtensa IPコアとプロセッサー・デザイン・キット、 ソフトウェア開発キットを生成する。 この過程は高度に自動化されており、設計者は命令の追加とそれによる性能の改善と、 消費電力とのトレードオフを簡単に実験することができる。

プロセッサ・キットには、構成したIPコアを顧客のチップ設計環境に統合するために 必要なものが含まれている。 これには、コアのハードウェア記述(合成可能なRTLまたはレイアウト済みの形式)、 タイミングとI/Oの制限、独自のRAMやキャッシュ、FIFOに対する要求事項が含まれる。 ソフトウェア・キットは、Eclipseベースの統合開発環境であり、 GNU Compiler Collectionをベースとしたツールチェイン(C/C++コンパイラ、 アセンブラ、リンカ、デバッガ)を使用している。 命令セットシミュレータにより、顧客は実際のハードウェアができ上がる前に アプリケーションの開発を開始できる。

Xtensa命令セット編集

Xtensa命令セットは、データプレーンの処理に関わる様々な要求を満たすように 設計されている。 この32ビットアーキテクチャーでは、最高の電力効率と性能を実現するために、 コンパクトな16ビットまたは25ビットの長さの命令セットを、モードを切り替えること なく使用することができる。 基本の命令セットは、80個のRISC命令からなり、32ビットのALUと 最大64個の32ビット汎用レジスター、6個の専用レジスターを操作できる。

利用例編集

AMDのTrueAudioUnified Video Decoderは、XtensaをベースとしたASCIである。

組み込みWi-FiチップであるESP8266ESP32は、XtensaをメインのCPUコアとして使用している。

HiFiオーディオと音声DSP用IP編集

  • HiFi Mini Audio DSP - 最小構成で、最も消費電力の少ないDSPコアである。音声を常時監視して、音声入力により処理を起動する用途や、音声認識用途向けである。
  • HiFi 2 Audio DSP - 高効率なDSPコアであり、MP3オーディオを処理できる最も消費電力の小さな構成である。
  • HiFi EP Audio DSP - HiFi 2の機能に加え、DSTマスターオーディオ、音声の前処理と後処理用に高度に最適化されている、改善されたキャッシュ・メモリー・サブシステムを持っている。
  • HiFi 3 Audio DSP - 32ビットの処理により、多くの音響補正アルゴリズムや幅広い音声コーデック、多チャネルオーディオにおいて、非常に高効率な処理を実現する。
  • HiFi 4 DSP - DSPの有用な、多チャネルのオブジェクト・ベースのオーディオ標準を実現するため、HiFi 3の2倍の性能を持っている。

利用例編集

PlayStation 4やKaveriデスクトップAPU、AMDのグラフィックカードのいくつかに 搭載されているAMD TrueAudioは、ケイデンス・テンシリカのHiFi EP Audio DSPをベースにしている。

Microsoft HoloLensは、TSMCで製造された特別にカスタマイズされた、 24基のテンシリカDSPコアを持った28nmコプロセッサーを使用している。 これは約65百万のロジック・ゲートと、8MBのSRAM、低消費電力な1GBのDDR3 RAMによる 追加レイヤーを持っている。[4]

歴史編集

1997年にChris Rowenにより、テンシリカが設立された。

2002年に、テンシリカは、FLIXとして知られる、可変命令長エンコーディングを サポートをリリースした。

2013年に、ケイデンス・デザイン・システムズがテンシリカを買収した。

社名編集

ブランド名であるテンシリカ(Tensilica)は、拡張性のあることを示すtensileと、 集積回路を構成する主な元素であるケイ素(silicon)の語を組み合わせて 作られた。

関連項目編集

外部リンク編集