V774104は、2015年すばる望遠鏡の観測によって発見された太陽系外縁天体である[1][3]

V774104
V774104
小惑星セドナの軌道(赤色)を表した図。V774104はセドナに類似した軌道を持つかもしれない。
小惑星セドナの軌道(赤色)を表した図。V774104はセドナに類似した軌道を持つかもしれない。
見かけの等級 (mv) 23-25
分類 太陽系外縁天体(TNO)
内オールトの雲天体?
発見
発見年 2015年
発見方法 すばる望遠鏡による観測
軌道要素と性質
太陽からの平均距離 103au(2015年11月地点)[1]
位置
絶対等級 (MV) ~3.5[2]
物理的性質
直径 500-1,000km[3]
表面温度 ~0K
Template (ノート 解説) ■Project

当時の発表 編集

当時のプレスリリースによると、V774104は、2015年11月時点で太陽から103 au(154億キロメートル)離れた位置にあり[1]、これは、当時判明していた中で最も太陽から遠かった準惑星エリス(当時96.29au)や、あるいはセドナ(当時85.81 au)より遠かった。V774104は太陽系の最も外側を公転している天体の1つであるとされた。

V774104はセドナや2012VP113などと同様に内オールトの雲に属する天体とされた[1]。その他の特徴は正確に分かってはいなかったが、軌道はセドナに似た楕円形で、大きさは500 - 1,000キロメートルほどとされた[3]

実際 編集

V774104は、本来は2015 TH367英語版の内部符号だったが、プレスリリースの内容からは、同じ学会で言及された(541132) 2015 TG387(内部符号はV302126)のことだったようである。

その後の観測で、2015 TG387の軌道はある程度求まっている。2015年11月当時の太陽からの距離は約80 auであり[4]、太陽系外縁天体としてもかなり遠いが、エリスセドナほどではない。ただし、遠日点距離は非常に遠く、遠日点距離・軌道長半径公転周期はいずれも、小惑星番号のついた天体では最大である[5]

距離を過大に見積もっていたということは、直径も過大だったことになる。最新のデータでは直径352キロメートルとされている[6]

なお、2015 TH367の方は、1年未満しか観測されておらず[7]、軌道は今もよくわかっていない。誤差が非常に大きいため、エリスやセドナより遠い可能性も完全に否定はできない。

天体 太陽からの距離
(2015年11月)
軌道長半径 公転周期 近日点距離 遠日点距離 分類
V774104 103 au ? ? ? ? ?
2015 TG387[4] 79.8 au 1010.4 ± 96.7 au 32117 ± 4609 年 65.1 ± 0.2 au 1955.7 ± 187.1 au セドノイド
2015 TH367[7] 88.2 au(誤差大) 82.6 ± 73.5 au 751 ± 1002 年 28.9 ± 6.2 au 136.4 ± 121.3 au 散乱円盤天体

脚注 編集

  1. ^ a b c d すばる望遠鏡、150億Kmかなたの太陽系の最遠天体を発見”. Astroarts (2015年11月13日). 2015年11月13日閲覧。
  2. ^ Absolute Magnitude(H)
  3. ^ a b c Most distane solar system object yet could hint at hidden planet”. New Scientist (2015年11月10日). 2015年11月13日閲覧。
  4. ^ a b JPL Small-Body Database Browser: (2015 TG387)”. Jet Propulsion Laboratory. 2019年11月1日閲覧。
  5. ^ JPL Small-Body Database Search Engine の検索より(2019年11月1日現在)
  6. ^ Johnston, Wm. Robert (2019年7月13日). “List of Known Trans-Neptunian Objects”. Johnston's Archive. 2019年10月21日閲覧。
  7. ^ a b JPL Small-Body Database Browser: (2015 TH367)”. Jet Propulsion Laboratory. 2019年11月1日閲覧。

関連項目 編集