Windows Genuine Advantage

マイクロソフトの海賊版防止プログラム

Windows Genuine Advantage (ウィンドウズ・ジェニュイン・アドバンテージ、略称WGA正規 Windows 推奨プログラムとも)は一部のMicrosoft Windowsに関するサービス(例えば Microsoft Update)を利用する場合や、マイクロソフトが提供する一部のソフトウェアをダウンロードおよびインストールするときに、そのWindowsが正規のコピーであることを確認するマイクロソフトの海賊版防止プログラムの一環である。

Windows Genuine Advantage
開発元 マイクロソフト
最新版 1.9.40.0 / 2009年2月20日
対応OS Windows XP
Windows Vista
プラットフォーム Microsoft Update
Windows Update
Microsoft ダウンロード センター(いずれもすべてが対象ではない)
種別 海賊版対策
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト 正規の Microsoft ソフトウェア[リンク切れ]
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当初はWGAでの確認は任意であったが、2005年7月から確認を義務付けられるようになった[1]

特徴編集

WGAの確認プロセスは、関係するハードウェアに対して、Windowsとそのライセンスを確認するものである。

  • ダウンロード センターやMicrosoft Update (Windows Update) などでWindowsが正規品であることをチェックするActiveXコントロールをダウンロードすることによってWindowsが正規のコピーであることを確認することを要求される。Windowsが正規品であることの確認に成功すると、今後の確認のために特別なファイルをコンピューターに格納する。
  • 1度確認が成功すれば、以後、更新のダウンロードはそのまま行える。通常、ActiveXコントロールをダウンロードし直す必要はない。

Windowsが有効なライセンスを持つようでない場合は、WGAは特定の情報をユーザーに通知して、重要でない更新がマイクロソフトからダウンロードされるのを防ぐ。

  • Windows Vista上で、WGAの確認が失敗すると、より大きな影響がある。正規品でない旨通知され続け、重要でない更新がダウンロードできなくなることに加えて、Windows AeroWindows DefenderWindows ReadyBoostが使用できなくなる。また、30日の猶予期間が与えられ、再認証を行わない場合は、「機能縮小モード」へ移行する。機能縮小モードでは、スタート メニューやデスクトップ アイコンが表示されず、デスクトップの背景は黒に変わる。ウェブブラウザは使用できるが、インターネットへの接続はブロックされる。ログオンから1時間経つと、ユーザーは警告なくログオフされる。ただし、システムがシャットダウンするわけではなく、ユーザーは再度ログオンできる。機能縮小モードでも、コンピューターに保存された個人データにはアクセスできるようになっている。

ソフトウェア編集

WGA Validation Tool編集

ユーザーがWGAで確認を行うとき、「Windows Genuine Advantage」という名称のInternet Explorerのアドオンがインストールされる。以前はこのアドオンを「アドオンの管理」機能で無効にできた。WGAは、ライセンスが有効かどうか確認するために「確認コード」を生み出す「確認ツール」(GenuineCheck.exe) かActiveXコントロールを使う。どちらの方法にしろインターネット接続が必要になる。ユーザーが使用しているWindowsのコピーが正規品でないとWGAによって判定された場合でも、表面上正規品に見えるメディアからインストールされたものであれば(すなわちWindowsの正規品と見分けがつかないCDホログラムをもった海賊版を、海賊版と知らずにインストールした場合)、マイクロソフトはユーザーに正規品のCDを提供している。マイクロソフトは、Windowsの合法的な正規のコピーを購入したいが、有効なCDを持っていない者に、割引を提供している。正規品と確認されなくても重要なセキュリティー更新プログラムはダウンロードできるようになっている。

WGA Notifications編集

2006年4月25日から、マイクロソフトはユーザーへ「重要な更新」KB905474として「Windows Genuine Advantage Notifications」を提供し始めた[2]。海賊版を使用しているユーザーは起動時およびWindowsを使用している間、通知を受け続けるようになっているものである。もちろん、合法的なコピーをもつユーザーは、通知は受けない。2006年5月23日に、このプログラムを回避するいくつかの手口に対応するよう、マイクロソフトはプログラムをアップデートした。このプログラムは全言語で同時に更新されるわけではないため、一部の言語で提供されている実際のバージョンは最新のリリースではない可能性がある。Windows XPの自動更新で2007年2月20日から日本語をはじめとする22言語で開始した[3]。 なおWindows VistaはWindows Genuine Advantage Notificationsの仕組みが実装されているため、Windows Genuine Advantage Notificationsの対象になっていない。

WGA Validation Library編集

マイクロソフトは、Windowsが正規のコピーであることを確認するために、「Windows Genuine Advantage Validation Library」をWindows Defender、Windows Internet Explorer 7、Windows Media Player 11のようないくつかの製品に同梱させている。

WGAの回避編集

2005年11月16日に、マイクロソフトはMozilla Firefoxと他のGeckoベースのブラウザーからWGAでの確認を行うために、プラグインを公表した。しかしOperaのような他のNPAPIサポートのブラウザーでは未だ使えないため、批判を免れなかった。もう一つの回避方法は、「確認ツール」によって発生する有効な「確認コード」を用いてWGAを通すために、2005年12月25日に公表された。問題点としては、Windowsの正規のコピーを使っている一般のコンピューターから「確認ツール」を実行し、「確認コード」を記録し、海賊版のWindowsを使っている環境からその「確認コード」を入力することにより、WGAを行わずにダウンロードできることが挙げられる。2006年7月現在、マイクロソフトはこの手口を防ぐ方法を考案していない。WGAでの確認を通させたり、WGAを使わずにMicrosoft Updateなどを行うための回避方法は、様々な方法がインターネット上で示された。

WGA Notificationsとファイアーウオール編集

たとえWindowsの基本的なプロセスでも、一部のファイアーウオールは、「wgatray.exe」のインターネットへのアクセスに警告を発するかもしれない。

収集される情報編集

WGAでは、次のような情報を収集される[4]

批判編集

時限爆弾編集

たとえWGAがWindowsを完全に使えなくしないとしても、製品が正規品と判定されなかったならば、重要なもの以外の更新がマイクロソフトからダウンロードできなくなくなるという事実は、一部の者がWGAを「時限爆弾」と揶揄する原因となった。

スパイウェア疑惑編集

Windows Genuine Advantage Notificationsはスパイウェアのような振る舞いで批判された。マイクロソフトは振る舞い自体の存在は認めたが、それがスパイウェアに達することは否定した[5]。この後、マイクロソフトは毎日ではなく、Windows Genuine Advantage Notificationsが2週間おきに送信するだけに変更したという発表をした。マイクロソフトは、Windows Genuine Advantage Notificationsを削除する方法も示した。

擬陽性編集

WGAは、擬陽性(誤って、Windowsの正規のコピーを「正規でない」ものと判定している)を生むことがある。これには、それぞれ多くの理由がある。マイクロソフトは、問題に遭遇しているユーザーを助けるために、フォーラムを設立した。

擬陰性編集

他方で、Windows をインストールしていなくても Linux で動作させている ies4LinuxWine で Internet Explorer を使えば、「正規マイクロソフト製品」ユーザであると認証され、マイクロソフトの公式サイトから特定のソフトウェアがダウンロードできることが2007年6月18日に明るみに出た[6]

トラブル編集

2007年8月25日、マイクロソフトのWGAサーバに問題が発生した。そして、Windows XPとWindows Vistaの正規品を「正規でない」と誤った結果を示した[7]。この問題は、およそ12時間後に解決された。マイクロソフトによると、「12,000足らずのシステムが、世界中で影響を受けた」とのことである。 類似した問題は2006年10月5日にも起こったが、それは広範囲にわたるものではなかったようである。

Windows Activation Technologies編集

マイクロソフトは2009年にWindows Genuine Advantageを「Windows Activation Technologies」(WAT)に改称すると発表した[8](単数形で「~Technology」と表記されることもある)。Windows Vista以降にはこの名称で海賊版対策が提供され、Windows XP以前ではWGAの名称が引き続き使用される。

2010年2月にはWindows 7用のWATのアップデート(KB971033)がリリースされ、3月からはWindows Update・Microsoft Updateでの自動配信が開始された。それまでに発見された70以上のアクティベーション回避プログラムを検出・除去する。

脚注編集

  1. ^ マイクロソフト (2005年7月25日). “マイクロソフト、正規 Windows 推奨プログラム「Windows Genuine Advantage」の正式運用開始”. 2013年4月27日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年10月24日閲覧。
  2. ^ マイクロソフト (2006年4月25日). “The Continuing Fight for Genuine Software:Microsoft’s Genuine Software Initiative expands programs to help customers identify counterfeit software.” (英語). 2013年4月27日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年10月24日閲覧。
  3. ^ マイクロソフト (2007年2月20日). “『Windows Genuine Advantage Notifications(正規 Windows 推奨プログラムの通知機能/サービス)』を開始”. 2013年4月27日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年10月24日閲覧。
  4. ^ マイクロソフト (2008年2月更新). “Microsoft Genuine Advantage のプライバシーに関する声明”. 2013年4月27日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年10月24日閲覧。
  5. ^ Evers, Joris; 河部恭紀(編集部) (2006年6月8日). “「WGAはスパイウェアではない」:MS、海賊版対策ツールへの批判を否定”. CNET Japan. 2008年10月24日閲覧。
  6. ^ Ubuntu Linux Validates As Genuine Windows”. 2008年6月8日閲覧。
  7. ^ ナンシー・ゴーリング (2007年8月30日). “マイクロソフト、WGAの不具合を「人為的なミス」と釈明”. Computerworld.jp. 2010年3月4日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年10月24日閲覧。
  8. ^ MS、海賊版防止策を「Windows Activation Technologies」に改名インプレス INTERNET Watch、2009年5月8日

外部リンク編集