イエゴン・ヴィンセント・キベット
イェゴン・ヴィンセント・キベット(Vincent Kibet Yegon、2000年12月5日 - )は、ケニアのボメットカウンティ・ソティック[1]出身の陸上競技選手。専門種目は長距離走。東京国際大学経済学部卒業。Honda陸上競技部所属。
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選手情報 | ||||
ラテン文字 | Vincent Kibet YEGON | |||
愛称 | ヴィンちゃん | |||
国籍 | ケニア | |||
競技 | 陸上競技 | |||
種目 | 長距離走 | |||
所属 | Honda陸上競技部 | |||
大学 | 東京国際大学経済学部 | |||
生年月日 | 2000年12月5日(23歳) | |||
身長 | 187cm | |||
体重 | 68kg | |||
自己ベスト | ||||
5000m | 13分13秒22(2023年) | |||
10000m | 27分24秒42(2021年) | |||
ハーフマラソン | 1時間01分18秒(2022年) | |||
編集 |
経歴
編集チェビルベレク(Chebirbelek)セカンダリースクール出身。2016年からケリチョカウンティ・リテインの陸上クラブに所属し、本格的に陸上競技に取り組む[2]。2019年4月、東京国際大学に入学。
大学時代
編集大学1年次
編集デビュー戦となった4月の平成国際大学長距離記録会では10000mで28分24秒33。5月の関東インカレでは5000mに出場し13分45秒20で2着。
6月の全日本大学駅伝関東地区選考会では10000m28分04秒55の自己ベストで全体トップのタイムを記録し、チームの予選トップ通過に大きく貢献する。
第96回箱根駅伝予選会で初めてハーフマラソンを走る。季節外れの酷暑の中、1時間02分23秒で全体3位に入り、チームはトップ通過を果たした。
11月の八王子ロングディスタンスで10000m27分47秒76の自己ベストを記録する。
第96回箱根駅伝では当日エントリー変更で3区に出場。8位でタスキを受けると、11.3kmで先頭に立ちその後も独走。これまでの区間記録を2分01秒も更新する59分25秒の驚異的な区間新記録を叩き出し、チームの初シード獲得に大きく貢献した[3]。
大学2年次
編集7月のホクレンディスタンスチャレンジで5000m13分20秒39の自己ベストを記録するも、9月の日本インカレ10000mで途中棄権。それ以降しばらく試合出場が無かったが、11月の平成国際大学記録会で復帰し10000m27分38秒48の自己ベストを記録する。
第97回箱根駅伝では当日エントリー変更で2区に出場。15番手[4]でタスキを受けると12.7kmで単独トップに立ち、相澤晃が持つ区間記録を8秒更新する1時間05分49秒の区間新記録を樹立。大会のMVPにあたる金栗四三杯を留学生として初めて受賞した[5]。
大学3年次
編集5月9日の日本体育大学長距離競技会において、それまで竹澤健介がもっていた5000mの学生記録13分19秒00を更新する13分15秒15の日本学生新記録を樹立した[6]。
同月の関東インカレでは10000mで自己ベスト・大会新記録の27分30秒24を記録し優勝、5000mでも13分42秒54で優勝し長距離二冠に輝く。
6月の全日本大学駅伝関東地区選考会では全体トップのタイムを記録し、チームの予選トップ通過に貢献する。
第33回出雲駅伝では最終6区を担当。トップでタスキを受けると後続をぐんぐん引き離し、区間賞の走りで初出場・初優勝のゴールテープを切った。
第53回全日本大学駅伝では3区を担当。6位からトップに浮上すると後続を大きく引き離し、相澤晃が持つ区間記録を15秒更新する32分46秒の区間新記録を樹立した。
12月4日の日本体育大学長距離競技会10000mで、日本学生歴代3位となる27分24秒42を記録する。しかし同じ組で出場した田澤廉(駒澤大学)には0秒98及ばなかった。
第98回箱根駅伝では2区を務めたが、前述の日体大競技会で左足を痛めた影響から、5km以降は意図的にペースを落とさざるを得なかった。それでも国士舘大学のライモイ・ヴィンセントと競り合いながら7位から4位に順位を押し上げたが、1時間07分02秒の区間5位と本来の走りを見せることはできなかった[7]。
3月6日のパリ・ハーフマラソンでは1時間01分18秒の自己ベストで2位に入った。
大学4年次
編集右ふくらはぎの負傷で出雲駅伝、全日本大学駅伝を欠場[8]。
第99回箱根駅伝では4区を務め、同区間タイ記録となる8人のごぼう抜きを記録し、1時間00分00秒の区間新記録を樹立した[8]。これにより異なる3つの区間で新記録を樹立した[8]。
社会人時代
編集2023年4月より、Hondaに入社し、社会人選手として活動する[9][10]。
2024年1月1日に行われた全日本実業団対抗駅伝競走大会では、4区を務めるも、区間10位に終わり驚きの声が広がった[11]。
人物
編集戦績・記録
編集大学三大駅伝戦績
編集学年 | 出雲駅伝 | 全日本大学駅伝 | 箱根駅伝 |
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1年生 (2019年度) |
第31回 - - - 不出場 |
第51回 ― - ― 出走なし |
第96回 3区-区間賞 59分25秒 区間新記録 |
2年生 (2020年度) |
(開催中止) |
第52回 ― - ― 出走なし |
第97回 2区-区間賞 1時間05分49秒 区間新記録 |
3年生 (2021年度) |
第33回 6区-区間賞 29分21秒 |
第53回 3区-区間賞 32分46秒 区間新記録 |
第98回 2区-区間5位 1時間07分02秒 |
4年生 (2022年度) |
第34回 - - - 出走なし |
第54回 ― - ― 出走なし |
第99回 4区-区間賞 1時間00分00秒 区間新記録 |
自己ベスト
編集- 5000m - 13分13秒22(2023年5月4日、ゴールデンゲームズinのべおか)
- 10000m - 27分24秒42(2021年12月4日、日本体育大学長距離競技会)
- ハーフマラソン - 1時間01分18秒(2022年3月6日、パリ・ハーフマラソン2022)
脚注
編集- ^ a b “【衝撃の箱根駅伝】2区区間新・東国大ヴィンセントのスゴいふくらはぎって? “牛丼”を愛する最強留学生の秘密”. Number Web. 文藝春秋 (2021年1月3日). 2021年8月14日閲覧。
- ^ a b “イェゴン・ヴィンセント「将来の夢は軍人だった」~最強留学生の秘密~”. Number Web. 文藝春秋 (2020年12月30日). 2021年8月14日閲覧。
- ^ “【箱根駅伝 3区】ヴィンセント 驚異の区間新59分25秒「来年の箱根は別の区間を」”. スポーツニッポン (2020年1月2日). 2021年10月11日閲覧。
- ^ 順位は14位。オープン参加の関東学生連合を含む。
- ^ “箱根MVPに東京国際大・ヴィンセント、区間新樹立”. 日刊スポーツ (2021年1月3日). 2021年10月11日閲覧。
- ^ “男子5000mでヴィンセントが14年ぶり学生新の13分15秒15!石原がU20日本歴代2位の13分30秒98/日体大長距離競技会”. 月陸Online (2021年5月9日). 2021年10月13日閲覧。
- ^ “【箱根駅伝】東京国際大・ヴィンセント左足負傷告白「5キロ過ぎから痛み」”. 日刊スポーツ. 2022年1月10日閲覧。
- ^ a b c “【箱根駅伝】東京国際大ヴィンセント史上最強、異なる3区間で新記録樹立!衝撃の1時間ジャスト - 陸上 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年5月20日閲覧。
- ^ “4年生の進路は? 駒大・田澤廉はトヨタ自動車、青学大・近藤SGH、岸本はGMO、ヴィンセントはニューイヤーV2のHondaへ”. 月陸Online|月刊陸上競技 (2023年1月6日). 2024年5月29日閲覧。
- ^ “Hondaに東京国際大ダブルエースが加入!丹所健&ヴィンセント「ニューイヤー駅伝3連覇に貢献したい」”. 月陸Online|月刊陸上競技 (2023年4月3日). 2024年5月29日閲覧。
- ^ “【陸上】〝史上最強留学生〟ヴィンセント ニューイヤー駅伝でまさかの区間10位に沈む”. 東スポWEB (2024年1月1日). 2024年5月29日閲覧。
- ^ “東京国際大・ヴィンセント「また仲間と喜び合いたい」箱根駅伝3年連続区間新狙う”. スポーツ報知. 2021年12月28日閲覧。
参考文献
編集- https://www.yomiuri.co.jp/hakone-ekiden/2021/team/5/13/
- イエゴン・ヴィンセント・キベット (@yegon_vincent_kibet23) - Instagram