人間臨終図巻』(にんげんりんじゅうずかん)は、山田風太郎の著作。英雄、武将、政治家、作家、芸能人、犯罪者などの著名人の臨終の様をまとめたもので、徳間書店発行の月刊誌『問題小説』の1978年9月号から1987年2月号まで連載された。単行本としては徳間書店より1986年9月に上巻が、1987年3月に下巻が刊行され、死亡した年齢順に923人分収録されている。なお、死亡年齢については統一のため西暦での没年次から西暦での生年次を引いたものとなっており、数え年式より1歳少なく、満年齢式より1歳多くなる場合がある。

死亡した年齢ごとに章に分かれており(ただし十代・二十代・百代についてはまとめられている。山田風太郎は後に「どのように死んだかはわかっている有名人ながら享年不明ゆえに採用出来なかった人」として平将門小西行長らを挙げている[1])、各章の冒頭には「生者は死者の為に煩わさるべからず」(九十八歳の章、梅原龍三郎)といった古今の箴言が掲載されている(エピグラフ)。梅原のようにその章に本人が登場する場合もあれば、七十一歳の章の「おいとまをいただきますと戸をしめて出てゆくやうにはゆかぬなり生は」(斎藤史。連載当時健在だった斎藤史本人はもとより近親者も本図巻には登場しない)のように関連のない場合もあり、七十七歳の章の「地上最大の当然事-他人の死。地上最大の意外事-自分の死。」のように山田風太郎本人が書いたものも多数あり、七十三歳の章では「人間は他人の死には不感症だと言いつつなぜ人間臨終図巻を書くのか」と自問して「解剖学者が死体を見るようにさまざまな人間のさまざまな死を見ているだけ」と書いている。

なお、九十三歳の章はとりあげられている人物がなく「欠」とされているが(インターネットがない時代は「93歳で死去した題材になりそうな人物を捜す作業」はかなりの手間を要した)、「老衰といふ死に方や冬の蠅」という富安風生の句が他の章と同様に掲載されている(富安は満93歳で死去しているが、1885年4月生まれで1979年2月死去のため、この図巻の計算法では94歳になる)。

収録人名一覧 編集

十代で死んだ人々 編集

二十代で死んだ人々 編集

三十歳で死んだ人々 編集

三十一歳で死んだ人々 編集

三十二歳で死んだ人々 編集

三十三歳で死んだ人々 編集

三十四歳で死んだ人々 編集

三十五歳で死んだ人々 編集

三十六歳で死んだ人々 編集

三十七歳で死んだ人々 編集

三十八歳で死んだ人々 編集

三十九歳で死んだ人々 編集

四十歳で死んだ人々 編集

四十一歳で死んだ人々 編集

四十二歳で死んだ人々 編集

四十三歳で死んだ人々 編集

四十四歳で死んだ人々 編集

四十五歳で死んだ人々 編集

四十六歳で死んだ人々 編集

四十七歳で死んだ人々 編集

四十八歳で死んだ人々 編集

四十九歳で死んだ人々 編集

五十歳で死んだ人々 編集

五十一歳で死んだ人々 編集

五十二歳で死んだ人々 編集

五十三歳で死んだ人々 編集

五十四歳で死んだ人々 編集

五十五歳で死んだ人々 編集

五十六歳で死んだ人々 編集

五十七歳で死んだ人々 編集

五十八歳で死んだ人々 編集

五十九歳で死んだ人々 編集

六十歳で死んだ人々 編集

六十一歳で死んだ人々 編集

六十二歳で死んだ人々 編集

六十三歳で死んだ人々 編集

六十四歳で死んだ人々 編集

六十五歳で死んだ人々 編集

六十六歳で死んだ人々 編集

六十七歳で死んだ人々 編集

六十八歳で死んだ人々 編集

六十九歳で死んだ人々 編集

七十歳で死んだ人々 編集

七十一歳で死んだ人々 編集

七十二歳で死んだ人々 編集

七十三歳で死んだ人々 編集

七十四歳で死んだ人々 編集

七十五歳で死んだ人々 編集

七十六歳で死んだ人々 編集

七十七歳で死んだ人々 編集

七十八歳で死んだ人々 編集

七十九歳で死んだ人々 編集

八十歳で死んだ人々 編集

八十一歳で死んだ人々 編集

八十二歳で死んだ人々 編集

八十三歳で死んだ人々 編集

八十四歳で死んだ人々 編集

八十五歳で死んだ人々 編集

八十六歳で死んだ人々 編集

八十七歳で死んだ人々 編集

八十八歳で死んだ人々 編集

八十九歳で死んだ人々 編集

九十歳で死んだ人々 編集

九十一歳で死んだ人々 編集

九十二歳で死んだ人々 編集

九十三歳で死んだ人々(欠) 編集

九十四歳で死んだ人々 編集

九十五歳で死んだ人々 編集

九十六歳で死んだ人々 編集

九十七歳で死んだ人々 編集

九十八歳で死んだ人々 編集

九十九歳で死んだ人々 編集

百代で死んだ人々 編集

関連書籍 編集

  • サメマチオ『追読 人間臨終図巻』徳間書店。I・2019[8]、Ⅱ・2021、Ⅲ・2023
    「読楽」2016年11月号から連載されている漫画版。2巻は近代以降の日本の文豪編、3巻は芸術家
  • 関川夏央『人間晩年図巻』岩波書店、2016-2021
    「1990-94年」と「1995-99年」の2冊が、2016年に刊行。2000年代編はWebで連載[9]され、2021年後半に全3冊刊行。

刊行書誌 編集

  • 『人間臨終図巻』 徳間書店(上下)、1986-87
    • 『人間臨終図巻』 新装版・徳間書店(全3巻)、1996
  • 『人間臨終図巻』 徳間文庫(全3巻)、2001
    • 『人間臨終図巻』 新装版・徳間文庫(全4巻)、2011
  • 『人間臨終図巻 山田風太郎ベストコレクション』 角川文庫(上中下)、2014

脚注 編集

  1. ^ 「半身棺桶」P72、1991年、徳間書店
  2. ^ 大山巌の長女で、徳冨蘆花の小説「不如帰」に登場する人物のモデルの一人となった。
  3. ^ 横須賀線電車爆破事件参照
  4. ^ マンフレッド・ベニントン・リー
  5. ^ フレデリック・ダネイ
  6. ^ 執筆当時は88歳没という説が一般的であったが、後に64歳説が有力視されるようになった。詳しくは北条早雲の項を参照・
  7. ^ 執筆当時は120歳没という見方が一般的であった。
  8. ^ 徳間文庫で再刊
  9. ^ 関川夏央 人間晩年図巻 2000年代編