あきだわら は、日本イネの品種名および銘柄名である。農研機構作物研究所の稲マーカー育種研究チーム・低コスト稲育種研究チームが育成した。温暖地においては中生の水稲品種。地方系統名は「関東222号」である。良食味・短稈・耐倒伏性の多収米品種として、2009年に命名された[1]。名称は、秋に並ぶ米俵を意味しており、多収米であることを表している[2]

あきだわら
イネ属 Oryza
イネ O. sativa
交配 関東188号(ミレニシキ)×越南176号(イクヒカリ
亜種 ジャポニカ O. s. subsp. japonica
品種 あきだわら
開発 農研機構
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概要 編集

温暖地においては「日本晴」と出穂期が同時期となる中生の水稲品種である。一穂あたりの籾数が多いため、多肥栽培した場合、標準施肥栽培の「コシヒカリ」と比べて30%程度多収となる[3][4]。通常水稲は多肥条件にすると収量が多収となるが、タンパク質含有量も増える。タンパク質含有量の多い米は食味が劣るとされる。しかし、あきだわらは750kg/10aを超える多肥多収条件であっても玄米タンパク質含有率は6%にとどまった[3]。耐倒伏性はコシヒカリに優る。 葉いもち・穂いもち病の圃場抵抗性は高くない[5][6][7]

  • 出願番号:23503
  • 出願日:2009年2月24日
  • 登録番号:20717
  • 登録日:2011年3月18日
  • 育成者権の存続期間:25年(満了日:2036年3月18日)
  • 交配系譜
ミレニシキ(農林366号)[8][9]
 
イクヒカリ[10][11]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あきだわら

脚注 編集

  1. ^ イネ品種 データベース 検索システム  「 関東222号( あきだわら ) 」 品種情報 ”. ineweb.narcc.affrc.go.jp. 2021年8月27日閲覧。
  2. ^ 株式会社日本食糧新聞社編『全国お米のこだわり銘柄事典』株式会社日本食糧新聞社、2018年4月10日、158頁。 
  3. ^ a b 吉永悟志, 平内央紀, 大角壮弘, 古畑昌巳「良食味多収水稲品種「あきだわら」の多収要因と品質特性}」『日本作物学会講演会要旨集』第237巻、日本作物学会、2014年、20頁、doi:10.14829/jcsproc.237.0_202020年6月9日閲覧 
  4. ^ 良食味・多収の水稲新品種「あきだわら」を育成 | プレスリリース・広報”. www.naro.go.jp. 2022年1月17日閲覧。
  5. ^ 「あきだわら」多収・良食味水稲栽培マニュアル”. 農研機構. 2018年12月14日閲覧。
  6. ^ あきだわら(加工用米):兵庫県”. 兵庫県. 2018年12月14日閲覧。
  7. ^ 農研機構理事長インタビュー〜水稲直播栽培は「攻めの農業」実現への切り札〜”. クボタ電農ナビ (2015年6月8日). 2018年12月14日閲覧。
  8. ^ 品種詳細”. CiNii. 2018年12月14日閲覧。
  9. ^ 水稲新品種「ミレニシキ」の育成”. 農研機構. 2018年12月14日閲覧。
  10. ^ 水稲新品種「イクヒカリ」”. 農研機構. 2018年12月14日閲覧。
  11. ^ 水稲品種「イクヒカリ」の形態の特性”. 農研機構. 2018年12月14日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集