おおぐま座π2は、おおぐま座の方向約256光年の距離にある、橙色巨星である。太陽系外惑星が1つ、この恒星の周りを公転していることが明らかとなっている。

おおぐま座π2[1]
π2 Ursae Majoris
星座 おおぐま座
見かけの等級 (mv) 4.61[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  08h 40m 12.81767s[1]
赤緯 (Dec, δ) +64° 19′ 40.5700″[1]
赤方偏移 0.000049[1]
視線速度 (Rv) 14.62 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -60.05 ミリ秒/年[1]
赤緯: 26.40 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 12.74 ± 0.26ミリ秒[1]
(誤差2%)
距離 256 ± 5 光年[注 1]
(78 ± 2 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 0.1[注 2]
物理的性質
半径 18.11 ± 1.47 R[2]
質量 1.234 ± 0.15 M[2]
表面重力 6.4 G[2]
スペクトル分類 K1-IIIbCN-0.5 [1]
表面温度 4,415 ± 70 K[2]
色指数 (B-V) +1.17[3]
色指数 (U-B) +1.16[3]
色指数 (R-I) +0.63[3]
金属量[Fe/H] -0.25 ± 0.04[2]
年齢 4.604 ± 2.0 ×109[2]
他のカタログでの名称
おおぐま座4番星[1]
BD +64 698[1]
FK5 2677[1], HD 73108[1]
HIP 42527[1], HR 3403[1]
SAO 14616[1]
GC 11850[1]
Template (ノート 解説) ■Project

特徴

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おおぐま座π2星のスペクトル型はK1 IIIで、年齢はおよそ46億年だが、既に巨星段階へと進化しているとみられる。質量太陽の1.2倍で、半径太陽の18倍になる。表面の有効温度は、4,415Kである[2]。 この星は、銀河系内を離心率0.10の軌道で周回し、銀河系中心からの距離は2万7700光年から3万4100光年である。軌道面は銀河面にほぼ平行で、銀河面からの距離はせいぜい260光年である。

惑星系

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2007年、視線速度法によって惑星bが発見された[2]。この惑星は、質量が木星の少なくとも7倍ある。軌道は楕円形で、おおぐま座π2星からの平均距離は、太陽-地球間の87%である。この恒星は、水素ヘリウム以外の元素の存在量(金属量)が太陽と比べて少ない。これは、惑星を持つ恒星の多くが金属量が多いのとは対照的である。

おおぐま座π2星の惑星[2]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b > 7.1 ± 1.6 MJ 0.87 ± 0.04 269.30 ± 1.96 0.432 ± 0.024 1.9221 RJ

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s SIMBAD Astronomical Database”. Results for pi.02 UMa. CDS. 2017年6月26日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i Döllinger, M. P.; et al. (2007-09), “Discovery of a planet around the K giant star 4 Ursae Majoris”, Astronomy and Astrophysics 472 (2): 649-652, Bibcode2007A&A...472..649D, doi:10.1051/0004-6361:20066987 
  3. ^ a b c 輝星星表第5版

関連項目

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外部リンク

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座標:   08h 40m 12.81767s, +64° 19′ 40.5700″