メインメニューを開く

時間の単位

(にち、ひ、か、: dies: day)は

  1. 一昼夜のあいだ。また、それを単位として数えるための語(概念[1]。本項で詳述する。
  2. 日曜のこと。 →日曜日

日本語では、単独では「ひ」、漢語数詞に続く場合は「にち」、和語の数詞に続く場合は「か」と読む(「よん」、また場合によっては「なな」は漢語数詞のように扱う)。

大和言葉での「ひ」と「か」の使い分けは、「一日」(ひとひ)、「二日」(ふつか)、「三日」(みか)、「四日」(よか)、「五日」(いつか)、「十日」(とをか)、「二十日」(はつか)、「三十日」(みそか)のように単数の日は「ひ」、複数の日は「か」が用いられる。

もともと「1日」というのは地上から見た太陽の周期的な動き(およびそれにともなうや地上の周期的な明暗の変化)をもとにした時のとらえかたであって[注 1]人類に普遍的なとらえかたであり、どの文明においても、用いられてきた。

ただし「1日」と言っても(現代の)天文学には様々な時刻系があり、太陽時平均太陽時世界時(UT)、恒星時暦表時(ET)ではそれぞれ長さが異なっている[2]。例えば、時間の単位としての日(単位記号:d)と、暦日(平均太陽日又は「一日の長さ(LOD:Length of Day)」とは、その時間間隔が異なる。

目次

歴史、定義の変遷編集

1日の始まり編集

1日の始まりをどの時点とするかは、歴史的、文化的に様々である[3]

  • 常用時:現代では、1日の始まりは、真夜中(正子)の0時(midnight)とするのが普通である。これを常用時(市民時、en:civil time)という。
  • 天文時:天文学では、1925年まで、正午(昼の12時)を1日の始まりとする天文時en:astronomical time)を用いていた。1925年以降は、ユリウス日(正午を始まりとする。)を除いては、天文学でも常用時を用いている。
  • 夜明け:太陽が上ってくる夜明けを1日の始まりとすることは自然であり、様々な文明でそのように意識されていた。
  • 日没時:太陰暦では、月の始まりを日没時に見える新月(三日月上の細い月)が観測される時点としていたので、1日の始まりは必然的に日没時となる。イスラム暦やユダヤ暦で用いられている。キリスト教の教会暦も、このユダヤ暦を継承している。ユダヤ暦や教会暦では、1日はで始まり、やがて光に満ちるのである[注 2]

例えば「クリスマス」の1日は、常用時での12月24日の日没時に始まり、常用時での12月25日の日没時に終わる。したがって、クリスマス・イブとは、「クリスマスの前日の夜」ではなく、正に「クリスマスの夜」なのである(クリスマス・イヴ#クリスマス・イヴの日付の図も参照)。全世界のキリスト教の膨大な数の信徒(最も信徒数が多い)がそうした考え方に馴染んでいる。

近代編集

15世紀に機械時計が発明され、ヨーロッパの都市などで広場などに大時計を設置し都市の住民がその針の動きを見られるようになった。[いつ?]から、[どこ?][誰?]特定の時刻を1日の始まりとするようになった[要出典]

[いつ?] 正午太陽南中)、とした[誰?]。(暦法上は半日ずらして正子を1日の始まり)ただし、太陽には大きさがあり中心の位置を正確に測定するのは難しいので、実際は恒星の観測から計算された。この1日は一定と考えられ、太陽日と呼ばれた。

「時の長さの単位」としての「日」の推移

[いつ?]その後、均時差が発見され[要出典]、太陽日が季節により変化することがわかった。そこで、太陽日を1年にわたって平均した平均太陽日が1日の定義となった。

さらに、20世紀前半には、歴史的な天文記録の精査や水晶時計の発明により、平均太陽日が徐々に長くなっていることが発見された。その原因は、潮汐摩擦による地球の自転速度の低下である。

このため、秒の定義を地球の自転よりも変動が少ない公転に求めることとし、1956年国際度量衡委員会(International Committee for Weights and Measures, CIPM)で、平均太陽時とも地球の自転とも無関係な、地球の公転に基づく新たなの定義が定められた。すなわち1900年1月0日の12時(日本時間で1899年12月31日21時)から1太陽年の時間間隔の 1/31 556 925.9747 が1秒と改められ、1960年の国際度量衡総会で決議された[4]。それまでは1秒が1/86400日と定義されていたのだが、これ以降は(単位としての)1日が86 400秒と定義されることとなった(ただし、実際の「日の長さ」(LOD)は、前述のとおり、86 400秒ではない)。

時間の単位としての日編集

記号 d
SI併用単位
時間
SI 正確に 86 400 s
定義 24時間
由来 平均太陽日
テンプレートを表示

もともと1956年までは「日」があらかじめ(ある意味「絶対」のものとして)定まっていることによって、それを24分割して「時」が得られ、「時」を60分割し「分」が得られ、「分」を60分割して「秒」が得られる、と理解され、時計もそう調整されていた。

だが20世紀なかばごろ、わずかではあるが地球の自転が徐々に遅くなっている、1日の時間が徐々に延びている、ということが知られるようになり、1956年の国際度量衡委員会(International Committee for Weights and Measures, CIPM)で、平均太陽時とも地球の自転とも無関係な秒を定め、秒を基に、秒との関係で他の時間単位を定めることにした。これによって、時間単位の関係としては、「日によって秒を定める」という関係から「秒によって日を定める」という関係へと変化し、ある意味関係が逆転した。

その結果、現代の計量単位系においては「秒(s)」が時間の基本単位となっており、結局は秒に換算して位置付けているので(あらかじめ「1日=24時間」「1時間=60」「1分=60」と、日と時と分と秒の関係(式)を定めてあるので)、あとは単純な掛け算によって、日 = 24時間 = 1440 = 86 400とされる。

「日」は国際単位系(SI)では、などと共に、SI併用単位(SIと併用されるがSIに属さない単位」の1つである[5]。その単位記号は「d」である。

ただし、日本の計量法体系では、「日」は時間の単位とは定義されておらず[6]、暦の単位として位置づけられている。すなわち計量法における時間の単位は、10の整数乗倍のものを除いては、のみである。の単位であり、計量法における単位の使用規制の対象外である。したがって、の単位としてd(日)を取引又は証明に用いることは可能である[7]

暦日編集

暦日(れきじつ)は、真夜中 (00:00:00) から次の真夜中までの時間間隔である[8]。暦日をしばしば単に「日」と呼ぶ[9]

また、1か月の中での暦日の順序を「数字 + 日」で表す(例: 6月18日)。読みは時間の単位としての場合と変わらないが、「1日」のみ(「いちにち」とは読まず)「ついたち」と読む。これは元来「月立ち」(月初め)の意味で、「1日」とは無関係な語源の熟字訓である。ただし古くは「ひとひ」とも読んだ。

一日の長さ(LOD:Length of Day)編集

暦日の長さ(ここでは、SIが定義する86 400ではなく、実際の日の長さ、すなわち平均太陽日)は常識的には、「正確に24時間 = 正確に86 400秒」と認識されることが多いが、実際の暦日の長さはこれとは微妙に異なる。

暦日の長さ(LOD:Length of Day[10])は、日々によって異なるが、2011年-2012年には年平均で、約86 400.001秒から約86 400.002秒程度である[11]。即ち、86 400秒と比べて、1 ms - 2 ms程度長い[12][13]。この1 ms - 2 ms程度の差の存在が閏秒を挿入する理由である。詳細は閏秒地球の自転を参照。

  • 閏秒の挿入または削除。閏秒が挿入された暦日は「24時間1秒 = 86 401秒」、より正確には、86 401.001秒 - 86 401.002秒程度となる。

上記の「暦日の長さ(LOD)」に対して、時間の単位としての「日(d)」は正確に「86 400 = 24時間」である。


自転周期との関係編集

地球の公転により地球と太陽の位置関係が変わるため、1日の長さ(LOD)と地球の自転周期は異なる。しかし自転周期は、「太陽の代わりに恒星を基準にした1日」と解釈することもでき、そう考えた場合には恒星日と呼ぶ。

現在の地球の自転周期は約23時間56分4.06秒である。自転周期と1日との差は4分弱だが、それと1日とのは、地球の自転周期と公転周期の比に等しい。

暦との関係編集

天文学的に規定された時間の単位のうち、太陽の動きを基準とした「日」は、目で見てわかる最小のものである。月の動きを基準としたや、季節の流れを基準としたも、では日の整数倍の長さとされる。また、日を分割して時間といった単位も作られた。

  • (単位としての)1日(d) = 24時間 = 1440分 = 正確に 86 400秒
  • において、1日は0時から24時までである。
  • 1間は7日である。
  • 1か月は28日 - 31日である。
  • 1は365日(ただし閏年は366日)であり、広く使われているグレゴリオ暦では、平均すると正確に365.2425日である。

一般の天体の1日編集

地球以外の天体や、地球でもはるかな過去(あるいははるかな未来)については、通常、その天体の平均太陽日(あるいは太陽日)をその天体の1日とする。言い換えれば、太陽の(平均)南中周期に等しい。

自転周期 t と公転周期 T からは、

 

で計算できる。ただし、衛星の場合は、衛星の自転周期と、母惑星の公転周期を使う。太陽の方向は、衛星の公転ではなく惑星の公転により変化するからである。

日の称の由来編集

東南海の外の羲和が十日を生んだことに因んで炎帝の時より暦法官を日官と称し、その十日族の子孫を日と称す。

  • 山海経』‐大荒西経「東南海之外,甘水之間,有羲和之國,有女子曰羲和,羲和者帝夋之妻,生十日」
  • 山海経』‐海外東経「湯谷上有扶桑,十日所浴」
  • 春秋左氏伝』‐桓公「天子有日官,諸侯有日御」
  • 荘子』‐「昔者十日並出,萬物皆照」
  • 淮南子』‐「武王伐紂,當戰之時,十日亂於上」
  • 史記』‐五帝本紀「堯乃命羲、和,敬順昊天,數法日月星辰,敬授民時,分命羲仲居嵎夷曰:暘谷,敬道日出,便程東作,日中星鳥,以殷中春,其民析,鳥獸字微。申命羲叔居南交,便程南為​​,敬致,日永星火,以正中夏,其民因,鳥獸希革。申命和仲居西土曰:昧谷,敬道日入,便程西成,夜中星虚,以正中秋,其民夷易,鳥獸毛毨。申命和叔居北方曰:幽都​​,便在伏物,日短星昴,以正中冬,其民燠,鳥獸氄毛。歳三百六十六日,以閏月正四時,信飭百官,衆功皆興」

符号位置編集

Unicodeには全角幅の「1日」-「31日」が以下のコードポイントに定められている。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+33E0 - ㏠
㏠
1日
U+33E1 - ㏡
㏡
2日
U+33E2 - ㏢
㏢
3日
U+33E3 - ㏣
㏣
4日
U+33E4 - ㏤
㏤
5日
U+33E5 - ㏥
㏥
6日
U+33E6 - ㏦
㏦
7日
U+33E7 - ㏧
㏧
8日
U+33E8 - ㏨
㏨
9日
U+33E9 - ㏩
㏩
10日
U+33EA - ㏪
㏪
11日
U+33EB - ㏫
㏫
12日
U+33EC - ㏬
㏬
13日
U+33ED - ㏭
㏭
14日
U+33EE - ㏮
㏮
15日
U+33EF - ㏯
㏯
16日
U+33F0 - ㏰
㏰
17日
U+33F1 - ㏱
㏱
18日
U+33F2 - ㏲
㏲
19日
U+33F3 - ㏳
㏳
20日
U+33F4 - ㏴
㏴
21日
U+33F5 - ㏵
㏵
22日
U+33F6 - ㏶
㏶
23日
U+33F7 - ㏷
㏷
24日
U+33F8 - ㏸
㏸
25日
U+33F9 - ㏹
㏹
26日
U+33FA - ㏺
㏺
27日
U+33FB - ㏻
㏻
28日
U+33FC - ㏼
㏼
29日
U+33FD - ㏽
㏽
30日
U+33FE - ㏾
㏾
31日

脚注編集

[ヘルプ]
  1. ^ それが後に、「天球上の太陽の動きの周期」と理解されるようになり、さらに17世紀ころから徐々にヨーロッパなどで太陽中心説が流布してから「地球の自転の1周期」と考えられるようになった、という経緯がある。
  2. ^ 闇に始まり、後に光に満ちる、という図式は、聖書の歴史観とも重なる。
出典
  1. ^ 広辞苑第六版【日】
  2. ^ ブリタニカ百科事典
  3. ^ 1日の始まり 暦Wiki、国立天文台
  4. ^ [1] 国際文書第 8 版 (2006) 国際単位系(SI)日本語版 訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター, p.23, 2.1.1.3 時間の単位(秒)
  5. ^ [2] 国際文書第 8 版 (2006) 国際単位系(SI)日本語版 訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター, p.36, 表 6 SI単位と併用される非 SI 単位
  6. ^ 計量法 別表第一 物象の状態の量の「時間」の欄
  7. ^ [3] 単位に関するよくあるご質問と答え  (2)計量単位に関する質問/取引又は証明に使用する際の質問 Q5・A5 「時間の計量単位としてd(日)を取引又は証明に使用できるか。」 、知的基盤・計量行政、経済産業省 
  8. ^ ISO 8601:2004 2.2.6 calendar day
  9. ^ ISO 8601:2004 2.2.6 calendar day NOTE 1
  10. ^ [4] アメリカ海軍天文台 The Astronomical Almanac Online!, Glossary, "length of day"の説明 length of day: strictly the number of fixed length seconds in the day determined from the rotation of the Earth, but most often used to refer to the excess length of day or the difference between the length of day and 86,400 SI seconds.
  11. ^ 1962年1月1日以降の毎日のLODは、[5]で知ることができる。この表のLOD(単位は秒)が86 400秒と実際の暦日との差である。プラスの場合は86 400秒より長いことを、マイナスの場合は86 400秒より短いことを示している
  12. ^ [6] Length of Day (Earth rotation rate) 縦軸が「暦日の長さと86 400秒との差」をミリ秒単位で表している。
  13. ^ [7] 左側のグラフが、「暦日の長さと86 400秒との差」を秒単位で表している。横軸は修正ユリウス日(MJD)(ユリウス通日#ユリウス日(JD)の変種)である。

関連項目編集

一日の部分
夜半(0:00) 正子
  午前
 
日の出
 
 
南中(12:00) 正午
  午後
 
日の入り
 
 
夜半(24:00) 正子