てんびん座
黄道十二星座の一つ
てんびん座(てんびんざ、天秤座、Libra)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。
Libra | |
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属格形 | Librae |
略符 | Lib |
発音 | 英語発音: [ˈliːbrə]、属格:/ˈlaɪbriː/ |
象徴 | the Scale |
概略位置:赤経 | 15 |
概略位置:赤緯 | −15 |
正中 | 6月20日21時 |
広さ | 538平方度 (29位) |
主要恒星数 | 4, 6 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 46 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 3 |
3.0等より明るい恒星数 | 2 |
10パーセク以内にある恒星数 | 2 |
最輝星 | β星(2.62等) |
最も近い星 | HD 131977;(19.3光年) |
メシエ天体数 | 0 |
流星群 | May Librids |
隣接する星座 |
へび座(頭部) おとめ座 うみへび座 ケンタウルス座(角で接する) おおかみ座 さそり座 へびつかい座 |
概要編集
西はおとめ座と、東はさそり座と接する。2等級より明るい星はなく、3つの3等星があり、これらが長方形を形作る。α星とβ星には、さそり座由来の名がついている。これはかつて、この星座がさそり座のはさみの部分であったことに起因する。
α星、β星はてんびん棒の部分で、γ星とσ星はてんびんの皿にあたる。
主な天体編集
恒星編集
「てんびん座の恒星の一覧」も参照
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が付けられている。
- α星:ズベン・エル・ゲヌビ[1] (Zubenelgenubi[2]) は、アラビア語で「南の爪」を意味する。この星は光学二重星で、空気が澄んでいれば肉眼で見わけられる。
- β星:ズベン・エス・カマリ[1] (Zubeneschamali[2]) は、てんびん座で最も明るい恒星。アラビア語で「北の爪」を意味する。実際は青白色だが[3]、緑色に輝いて見える星として知られている[4][5]。
- γ星:ズベン・エル・ハクラビ[1] (Zubenelhakrabi[2]) は、「さそりの爪」を意味する。
- σ星:ブラキウム[1] (Brachium[2]) は、半規則型変光星(変光範囲が小さいので眼視観測では変光はわかりにくい)。
その他、以下の恒星が知られている。
由来と歴史編集
元々はさそり座のはさみの部分であったと考えられている[1][6]。てんびん座として独立したのは紀元前1世紀頃と考えられているが、いつ誰が独立させたのか定かではない[6]。2世紀中頃、クラウディオス・プトレマイオス(トレミー)は『アルマゲスト』の中に「爪」と記している[6]。古代ローマでは昼夜の長さを等しく計る天秤であると考えられていた[6][注 1]。
神話編集
ギリシア神話では、正義と天文の女神アストライアーが手に持っている、正義を計る天秤だとされる[1]。隣にあるおとめ座がアストライアーをかたどったものとする説もある[1]。
脚注編集
注釈編集
出典編集
- ^ a b c d e f g 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、128-129頁。ISBN 978-4-7699-0825-8。
- ^ a b c d “IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2017年10月11日閲覧。
- ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for bet Lib -- Variable Star. 2013年1月14日閲覧。
- ^ Kaler, James B. (2006), “Zubeneschamali”, Stars (University of Illinois) 2006年7月3日閲覧。
- ^ 『星百科大事典 改訂版』地人書館 R.バーナムJr.著。951P。ISBN 4-8052-0266-1。
- ^ a b c d e Ian Ridpath. “Star Tales - Libra”. 2017年10月11日閲覧。