はちぶんぎ座
はちぶんぎ座(はちぶんぎざ、八分儀座、Octans)は、南天の星座の1つ。最も明るいν星も4等星であり、目立つ天体もないが、天の南極は現在この星座の中にある。ただし南極星として使えるような明るい星はないため、天の南極を知るには、みなみじゅうじ座が主に使われる。
Octans | |
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属格形 | Octantis |
略符 | Oct |
発音 | [ˈɒktænz]、属格:/ɒkˈtæntɨs/ |
象徴 | the Octant |
概略位置:赤経 | 22 |
概略位置:赤緯 | −85 |
広さ | 291平方度 (50位) |
主要恒星数 | 3 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 27 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 2 |
3.0等より明るい恒星数 | 0 |
10パーセク以内にある恒星数 | 0 |
最輝星 | ν Oct(3.76等) |
最も近い星 | HIP 113229;(28.1光年) |
メシエ天体数 | 0 |
隣接する星座 |
きょしちょう座 インディアン座 くじゃく座 ふうちょう座 カメレオン座 テーブルさん座 みずへび座 |
日本国内からは観測できない。
主な天体編集
恒星編集
「はちぶんぎ座の恒星の一覧」も参照
- σ星:現在、肉眼で見える星では天の南極に最も近いが、5.4等と暗いので目立たない。2017年9月、正式に "Polaris Australis" という固有名が付けられた。
他に以下の天体がある。
由来と歴史編集
天体の水平線からの高度や離角を観測するために用いられた測角器である八分儀をモチーフとしている。角度45°の扇型の本体に2枚の平面鏡が取り付けられた測角器で、1730年にイギリスのジョン・ハドリーによって発明された[1][2]。
18世紀半ばにニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって考案された[1][2]。天球上のこの領域はペーテル・ケイセルやフレデリック・デ・ハウトマン、ペトルス・プランシウスらによってみずへび座の一部分とされていたが、ラカーユは天の南極の部分を切り取って、はちぶんぎ座の領域とした[3]。ラカーユは1756年に刊行した星図では「反射式八分儀(仏: l’Octans de Reflexion)」としていたが、1763年の第2版ではシンプルに「八分儀(羅: Octans)」と変更した[1]。後の1801年にヨハン・ボーデが刊行した『ウラノグラフィア』では「航海用八分儀(羅: Octans Nautica)」とされた[4]が、1922年に現行の88星座の名前が定められた際に正式に Octans と定められた[5]。
出典編集
- ^ a b c Ian Ridpath. “Octans”. Star Tales. 2020年5月17日閲覧。
- ^ a b 村山定男『キャプテン・クックと南の星』河出書房新社、2003年5月20日、47-48頁。ISBN 4-309-90533-1。
- ^ Ian Ridpath. “Hydrus”. Star Tales. 2020年5月17日閲覧。
- ^ “Uranographia Sive Astrorum. Plate 20. The Southern constellations.”. Linda Hall Library. 2020年5月17日閲覧。
- ^ Ian Ridpath. “The IAU list of the 88 constellations and their abbreviations”. Star Tales. 2020年5月17日閲覧。