アオノツガザクラ(青の栂桜、Phyllodoce aleutica)はツツジ科ツガザクラ属常緑小低木高山植物

アオノツガザクラ
山形県月山 2013年6月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
: ツガザクラ属 Phyllodoce
: アオノツガザクラ P. aleutica
学名
Phyllodoce aleutica (Spreng.) Heller[1]
和名
アオノツガザクラ(青の栂桜)
英名
Aleutian mountainheath

特徴 編集

は地を這い、よく分枝する。茎の上部が斜上し、高さは10-30cmになる。は密に互生し、線形で、長さ8-14mm、幅1.5mmになり、縁には微小な鋸歯がある。

花期は7-8月。枝先に4-10個のを下向きにつける。花柄は細く、長さ1.5-2cmになり、微毛と腺毛が生える。萼片は広披針形で緑色になり、長さ4-5mmになり、花冠の半ばまでに達し、背面下部に腺毛が生える。花冠は淡い黄緑色で、長さ6-7mmの壷型になり、すぼまった先端が浅く5裂する。果実は長さ4mmの蒴果となり、上を向く。

名前は青っぽい花をつけるツガザクラという意味である。

分布と生育環境 編集

日本では、北海道から本州中部地方以北に分布し、高山帯の雪渓わきなどの適度に湿り気のある岩場や草地に生育する。しばしば群生する。アジア、アメリカでは、千島、樺太、カムチャツカ、アラスカに分布する。基準標本はアシューシャンのもの[2]

秋田県準絶滅危惧の種に指定されている[3]

近縁種 編集

アオノツガザクラとエゾノツガラクザが混在する北海道の地域などでは、両者で交配が行われ様々な段階の雑種が見られる[2]

関連画像 編集

脚注 編集

  1. ^ Phyllodoce aleutica (Spreng.) Heller(アオノツガザクラ)” (英語). ITIS. 2011年9月14日閲覧。
  2. ^ a b 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月、256-257頁。ISBN 4-635-09019-1 
  3. ^ 日本のレッドデータ検索システム(アオノツガザクラ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2011年9月14日閲覧。

参考文献 編集

  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類』(1981) 平凡社
  • 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月、287頁。ISBN 9784635090421 

関連項目 編集