アカトマトガエルDyscophus antongilii)は、ヒメアマガエル科トマトガエル属に分類されるカエル

アカトマトガエル
アカトマトガエル
アカトマトガエル Dyscophus antongilii
保全状況評価[a 1][a 2]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
亜目 : Neobatrachia
: ヒメアマガエル科 Microhylidae
亜科 : Dyscophinae
: トマトガエル属 Dyscophus
: アカトマトガエル D. antongilii
学名
Dyscophus antongilii
Grandidier, 1877
和名
アカトマトガエル
英名
Tomato frog

分布 編集

マダガスカル北東部[1][2][3]固有種

形態 編集

体長6-7センチメートル、メス9-11センチメートル[1]。体形は頑丈[1]。頭部は扁平で幅広い[1][3]。吻の長さは眼の直径とほぼ等しく、吻端は丸みを帯びる[1]。眼後部から鼓膜上部、体側面にかけての皮膚が襞状になり、後頭部に水平方向の襞がある個体もいる[1]。背面の体色は赤や褐色で、眼後部から体側面にかけて濃褐色の筋模様が入る[1]。腹面の体色は白や黄色で[3]、褐色の斑紋が入る[1]。喉には不定形な暗色斑が入る[1]

外鼻孔は吻端と眼の中間に開口する[1]。鼓膜は楕円形[1]。前肢には水かきがないが、後肢には水かきがある[1][3]

変態直後の幼体は体長1センチメートル[3]。オスは第1-3指や前腕の内側にあまり発達しない婚姻瘤がある[1]

生態 編集

基底の柔らかい平地に生息する[3]。地表棲。夜行性[3]。乾季になると砂地の地中に潜って休眠する[1][3]

食性は動物食で、小型の無脊椎動物などを食べる[3]

繁殖形態は卵生。雨季になるとオスは水場に集まり、繁殖音をあげてメスに求愛する[1]や水たまりに1回に1,000-3,000個の卵を産む[1][2][3]。卵は2日で孵化し、孵化してから6週間で幼体へ変態する[3]。生後1年で性成熟する[3]

人間との関係 編集

分布が限定的である事に加えて、開発による生息地の破壊、水質汚染、ペット用の乱獲などにより生息数は減少している[1][3]。ワシントン条約附属書Iに掲載されたため、商業目的での国際取引は禁止されている[3]。 サイテスⅠからの降格、Ⅱ類になることで飼育が可能になった。

参考文献 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社2001年、144、253頁。
  2. ^ a b 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、277頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 『絶滅危惧動物百科3 ウサギ(メキシコウサギ)―カグー』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店2008年、72-73頁。

関連項目 編集

外部リンク 編集

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Christopher Raxworthy, Miguel Vences, Franco Andreone, Ronald Nussbaum 2008. Dyscophus antongilii. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.2.