カエル

脊椎動物亜門・両生綱・無尾目(カエル目)に分類される動物の総称

(かえる、Frog)は、両生綱無尾目(むびもく、Anura)に分類される構成種の総称。古称としてかわず旧かな表記では「かはづ」)などがある。

無尾目
ニホンアマガエル
ニホンアマガエル Hyla japonica
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
学名
Anura
和名
無尾目[1][2]

分布域

分布編集

南極大陸を除いた全大陸および多くの島嶼[2]。アカガエル類の一部は、北極線より北にも分布する[2]

形態編集

成体の頭は三角形で、目は上に飛び出している。一見すると頭部には種による差異がないようにも思えるが、実際には天敵対策のために毒液を流し込む鋭い棘を発達させた種や、大きめの獲物を飲み込めるように大きく裂けた顎を持つ種など、種ごとの違いが大きい。中には頭部をヘルメットのように活用して巣穴に蓋をする種もいる。極わずかの例外を除き、上顎にしか歯が生えていない。が歯が無い種類でも、牙状の突起を進化させたものが少なくない[3]。獲物を飲み込む際には、目玉を引っ込めて強制的に喉の奥へ押し込む。

胴体は丸っこく、尻尾は幼体にしか存在しない。ほとんどの種で肋骨がない。

後肢が特に発達しており、後肢でジャンプすることで、敵から逃げたり、エサを捕まえたりする。後肢の指の間に水掻きが発達するものが多く、これを使ってよく泳ぐ。

前肢は人間の腕に似た形状をしている。ジャンプからの着地の際に身体への衝撃を和らげるのが主な役目である。餌となる小動物に飛びついて両肢で押さえつけたり、冬眠などのために土砂を掘ったり、汚れ落としのために片肢で顔を拭いたりする動作も可能である。アオガエル科アマガエル科などの樹上生活をする種の多くでは指先に吸盤が発達し、その補助で細い枝などに掴まることができる。人間や猿のように物を片肢ないし両肢で掴み取ることはできない。

幼生は四肢がなく、ひれのついた尾をもつ。成体とは違う姿をしていて、俗に「オタマジャクシ(お玉杓子)」と呼ばれる(食器のお玉杓子に似た形状から)。オタマジャクシはえら呼吸を行い、尾を使って泳ぐため、淡水中でないと生きることができない。オタマジャクシは変態することで、尾をもたず肺呼吸する、四肢をもった幼体(仔ガエル)となる。

分類編集

6579種が知られており、そのほとんどが水辺で暮らしている。水のそばで生活しないものはわずかしか知られていない。

種数はamphibiawebによる[4]

系統編集

無尾目

ムカシガエル科

オガエル科

Costata

ミミナシガエル科

スズガエル科

Xenoanura

ピパ科

メキシコジムグリガエル科

Acosmanura
Anomocoela

トウブスキアシガエル科

パセリガエル科

ニンニクガエル科

コノハガエル科

Neobatrachia

ユウレイガエル科

Phthanobatrachia

インドハナガエル科

セーシェルガエル科

Australobatrachia

ヘルメットガエル科

カメガエル科

アマガエル上科

アカガエル上科

アマガエル上科
Terrarana

Ceuthomantidae

コガネガエル科

コヤスガエル科

Craugastoridae

Strabomantidae

ツノアマガエル科

Athesphatanura

アマガエル科

Leptodactyliformes

ヤドクガエル科

ヒキガエル科

ユビナガガエル科

スリナムヒメヒキガエル科 Allophrynidae

アマガエルモドキ科

ツノガエル科 Ceratophryidae

Odontophrynidae

Cycloramphidae

Alsodidae

ブラジルガエル科 Hylodidae

ミズガエル科 Telmatobiidae

Batrachylidae

ダーウィンガエル科

アカガエル上科
Allodapanura

ヒメアマガエル科

Afrobatrachia
Xenosyneunitanura

フクラガエル科

クチボソガエル科

Laurentobatrachia

クサガエル科

サエズリガエル科

Natatanura

アフリカアカガエル科

Victoranura

Micrixalidae

ドロガエル科 Phrynobatrachidae

ゴライアスガエル科

イワガエル科 Petropedetidae

アフリカウシガエル科 Pyxicephalidae

Nyctibatrachidae

ハナトガリガエル科 Ceratobatrachidae

ヌマガエル科

Ranixalidae

アカガエル科 Ranidae

アオガエル科 Rhacophoridae

マダガスカルガエル科 Mantellidae

この系統樹Frost et al. (2006)Heinicke M. P. et al. (2009)Alexander & Wiens (2011)に基づく。

生態編集

水辺で生活し、陸と水中の両方で生活する種類が多いが、ほとんど陸上だけを生活の主体にしているもの、樹上にまで進出しているものもある。完全に水中生活のものはそう多くない。

ほとんどが肉食性で、昆虫などを食べる。小型哺乳類まで食べる大型の種もある。陸上で採食するものは、舌を伸ばし、昆虫をそこにくっつけて口に引っ張り込む。口は非常に大きい。胃袋は広くて柔らかいため、異物などを飲み込んだときは胃袋を吐き出しそれを洗う行動をする[5]。胃袋は右寄りに飛び出し、右手からぬぐい出すためカエルは右利きであるとされる[5]

呼吸の大部分を皮膚呼吸に頼っていて、皮膚がある程度湿っていないと生きていけない。わずかに肺呼吸も行っている。その際は口を膨らませ、それによって得た空気を肺に送り込んでいる。つまり、空気を「飲み込む」ような格好になる。これは気嚢横隔膜といった呼吸機構を獲得しておらず、それら補助器官による自発呼吸ができないためである。ただし、Barbourula kalimantanensisは肺を持たず、皮膚呼吸のみで生きている。また、海水に入ると浸透圧により体から水分が出て死んでしまう。ただし、例外的に水から離れて生活したり、汽水域に棲む種類も知られる。

変温動物なので極端に暑い、寒い環境の際は土中などで休眠する。

多くの種で体外受精を行う[2]。多くの種は水中で産卵するが、陸上で産卵する種もいる[2]。水面や樹上に泡状の塊をつくり、その中に卵を産むものもいる[2]。卵数は、数個から数万個まで変異が大きい[2]。卵を保護する種や後述する直接発生する種では少卵傾向があり、水中に産んでそのままにする種では多卵傾向がある[2]。卵から孵化した幼生は、水中で自由遊泳する種が多い[6]。幼生期は数日の種もいれば、数年にわたる種もいる[2]。一方で卵の中で卵黄を吸収して成長し、自由遊泳する幼生期間を経ずに幼体が孵化する(直接発生)する種もいる[2][6]。さらに輸卵管の中で胚に栄養を与え、幼生や幼体を産む胎生種もいる[6]



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蛙は良く鳴くことで有名である。特に配偶行動に関わって大きな鳴き声を上げるものが多くあり、世界各地で古くから注目された。

日本では水田が多い地方などでは、夜にたくさんの蛙が一斉に鳴き出し、「蛙の大合唱」といって夏から秋の風物詩となっている。夜、家の外から静かに響いてくる蛙の鳴き声の美しさは、多くの俳句や歌に詠まれている。 日本語では、「ケロケロ」「ゲロゲロ」「クワックワッ」などと表記されることが多い。

鳴嚢を膨らませることによって鳴き、鳴嚢はのどの前にある種類と、両側の頬にある種類とがある。

求愛音(mating call)
繁殖期にオスがメスを呼び、産卵を促すための鳴き声。これまで求愛音とされてきた鳴き声には、実際にはメスに対してだけではなく、他のオスに対する縄張り宣言の意味も含まれていることが多いため、最近では求愛音と縄張り音を両方含んだ広告音という言葉が使われることが多い。
縄張り音(territorial call)
繁殖期にオスが他のオスに対し、縄張りを宣言する鳴き声。他のオスとの距離や行動によって縄張り音を複雑に変化させる種類もある。
広告音(advertisement call)
繁殖期にオスが他の個体に対し、自分の存在をアピールして、メスを引き付け、オスを排除するための鳴き声。春から夏にかけて田んぼでよく聞かれるカエルの合唱が、これにあたる。非常に近縁な種が、肉眼では見分けられないほど似通っていても、広告音が明確に違うこともある。
解除音(release call)
他のオスにメスと間違われて抱接されたオスが、間違った抱接を解除させるための鳴き声。繁殖期のヒキガエルのオスを背後から軽く握ると体を震わせながら解除音を発する。
警戒音(warning call)
敵が近づいたときに発する鳴き声。人影が近づき、一鳴きして逃げる時の声。
危険音(distress call)
敵に捕まったときに発する鳴き声。蛇に巻きつかれたり、人が強く握りしめると(握り潰してしまわないように注意)、大きなわめき声を上げる。
雨鳴き(rain call, shower call)
低気圧が近づいたり、雨が降っているときに発する鳴き声。アマガエルが有名。

人間との関係編集

大型の種類は、世界各地で食用にされる。日本で「食用蛙」といえば、普通ウシガエルのことを指す。肉は鶏肉のささみに似ており、淡白で美味である。中国をはじめ、欧州など世界的には、カエルを食べることは特別なことではない。ただし、欧州の蛙食の歴史に於いて先駆的であったフランス人は、後続の国々から「カエル喰い」と揶揄を込めて呼ばれていた。現在でも英語で frog eater (フロッグ・イーター)やJohnny Crapaud(ジョニー・クラポー。クラポーは仏語でカエル)はフランス人に対する蔑称であり、frog だけでフランス人を指すこともある。現代フランス料理の祖といわれるオーギュスト・エスコフィエは、若き日の英国王エドワード7世に自慢のカエル料理を提供し賞賛を得たが、材料を問われて言葉につまり、「頭が三角になる思い」をしたという。後年、エスコフィエはロンドンの「カールトン・ホテル」で評判となった冷製料理「妖精・オーロラ風」がカエル料理だったことを明かし、イギリス食通のあいだに騒動を巻き起こした[7]。食べ方としてはソテーパン粉焼きなどがある。もっぱら腿が用いられる。

中国においてもっとも一般的な食用蛙はアカガエルの一種で、中国語では「田鶏(ティエンジー)」と呼ばれる。冬に食べることが多かったが、現在は養殖されており年中食べることができる。またエジプトなどから大型のウシガエルも移入されて養殖されている。安徽省福建省などでは渓流に住む「石鶏 (シージー、Rana spinosa)」も美味と珍重されている。食べ方としては手足の部分の唐揚げが最も一般的。上下を真っ二つに切って、内臓を取り出し、スープにする場合もある。また、華南ではの具としても利用される。

なお、人へも寄生する広東住血線虫などが寄生している場合もあるので、生食や野生の捕獲喫食は危険である。

モデル生物としてカエルが利用されることも多い。発生生物学や生理学の部門での利用が有名である。特にアフリカツメガエルはよく実験目的で飼育される。脳を切除して脊髄反射を見る実験は「脊髄ガエル」という名がつけられている。 解剖の実習では蛙が定番であるが、日本の理科教育においては次第に軽視される傾向にある。

文化編集

 
鳥獣戯画

日本大和民族)におけるカエルは、棲息に好適な水辺や水田が多かったことから、常に人にとって身近な存在となっている。古来より冬眠から覚めて活発に行動するからにかけての景物とされ、『万葉集』以来、特に鳴き声を愛でて詩歌に詠む。 例えば山上憶良が「あまぐものむかぶすきはみ たにぐくのさわたるきはみ」(万葉集巻第五)と詠んだように、上代では谷間で聞かれる鳴き声から、ヒキガエルを「たにぐく(多爾具久・谷蟇)」と呼び[8]、『古事記』にも葦原中国の神の一柱として多邇具久が登場する。 和歌での「かはづ」は、主に鳴き声が美しいことで知られるカジカガエルのことを指すが、この語は平安初期ごろから、混同されてカエル一般を指すようになった。俳諧においては、カエル一般を指すと思われる用例が増える。芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」、一茶の「やせ蛙まけるな一茶これにあり」等の句は特に有名。「蛙」は春の季語で、これは初蛙のイメージから。「雨蛙(あまがへる)」「蟇/蟾蜍(ひきがへる)、蟾(ひき)、蝦蟇(がま)」「河鹿(かじか=カジカガエル)」は夏の季語である[注釈 1]歌舞伎では、アカガイの貝殻を2枚こすり合わせることでカエルの鳴き声を表現する[10][11]

鳥獣戯画平安時代末期)にも、サルウサギとともに、人間に擬せられたカエルの姿が、生き生きと描かれている。また、草双紙江戸時代)では妖術使いの児雷也が大蝦蟇(おおがま=空想上の化け物)に乗って登場する等、様々な表現のモチーフとなっている。

童謡『かえるの合唱』は、ドイツ民謡を音楽家の岡本敏明が日本語に訳詞したもの。

昭和40年代にはカエルを主人公とした漫画およびアニメーションど根性ガエル』や、着ぐるみ劇『ケロヨン』が人気を博した。

また、サンリオは『けろけろけろっぴ』という子供カエルのキャラクターを創造した。宮沢賢治は寓話『蛙のゴム靴』で、西洋から渡来のゴム長靴を晴れた日にも履き、得意になっている文明開化の明治紳士を風刺する中篇を書いている。21世紀にあっても、百田尚樹の風刺小説『カエルの楽園』のモチーフに使用されている。

貝原益軒の『大和本草』によれば、カエルの名は他の土地に移しても必ず元の所に帰るという性質に由来すると記述されている。

日本では、「お金が返る(カエル)」として、カエルのマスコットを財布の中に入れておく習慣がある。似たような扱いで、新しいものでは、1985年NTTが出した「カエルコール」がある。帰るときに家に連絡を入れよう、というものだが、「今から、カエル」というテレビのコマーシャルが人気を呼んだ。

一方、北海道アイヌ民族の文化においては、カエルは不吉な生き物とされていた。家にカエルが入り込めば、すかさず炉の熱灰をかけて退治したという。水田耕作をおこなわなかったアイヌにとって湿地帯は利用価値の低い土地で吸血虫の住処であり、そこに住むカエルも同様に忌み嫌われたものらしい[12]

中国では道教青蛙神信仰の影響から後ろ脚が一つのガマガエルが縁起物として飾られている場合がある。

南米のいくつかの地域では、カエルは幸運(特に金運)を招くものと考えられている。このため、カエルをペットのように飼ったり、カエルの置物を家に飾ったりすることがある。また、口を開けたカエルの置物に向かってコインを投げ、うまく口の中に入れることを競う遊びも行なわれている。

西洋においてもカエルはよく親しまれている。ギリシャ古喜劇の『』では、カエルが船をこぐディオニューソスを半ば冷やかしながら歌い続けるシーンからそのタイトルをとっている。 日本語ではカエルという語はカエル目全般を指す総称だが、ヨーロッパ言語では愛すべき生き物としてのカエル(frog,frosh,grenouileなど)と、醜い生き物であるヒキガエル(toad,kröte,crapaudなど)やガマガエル(unke)を区別しており、後者はしばしば人に対する蔑称として使用される[8]。中世キリスト教ではカエルは死や吝嗇など不浄のシンボルとされたが、死後の世界では魂が水底と地上を循環するという民間伝承を持つドイツでは、水との親和性や冬眠することなどからカエルは人の魂のメタファーとされた。

ノーベル賞の授賞式では参加した学生と受賞者がカエルのようにジャンプする「蛙跳び」の儀式があり、これは受賞者のさらなる飛躍を願ってのことである由。受賞者の参加は自由意思によるが、参加した受賞者には「カエル勲章」が授けられる。またアメリカ合衆国では地域によってウシガエルの三段跳び競争が行われている。東洋においても、農業が盛んな一部の地域では信仰の対象として事実上の保護動物として扱う国々があり、一方でベトナムや東南アジアでは主に唐揚げとして酒の肴とする食用カエルが養育されている。その他熱帯雨林気候の地域では多種が生息する身近な動物である為、その国ごとのことわざにも登場する例が多い。

この他にも、世界の森林保全を目的に活動する国際NGO団体「レインフォレスト・アライアンス(RA)」が定めた、独自の基準を認証した農園で栽培された作物を使用した商品に対して付けられるマークにカエルを採用している。これはカエルが自然環境に敏感であり、環境が悪化すると他の動物よりも先に消えてしまうと言われているからである[13]

成句編集

蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)/蛙鳴雀噪(あめいじゃくそう)
井の中の蛙(かわず)、大海(たいかい)を知らず
井の中の蛙(かわず)、大海(たいかい)を知らず(「されど空の高さを知る」と続ける場合もあり、意味が逆転する。元々は「されど空の高さを知る」はなく、日本で勝手に付け加えられたもの)。
蛙、オタマジャクシの時を忘れる
蛙が兜虫に成る(かえるがかぶとむしになる)
蛙の尾
蛙の行列
蛙の子は蛙
蛙の相撲
蛙の面に水(かえるのつらへみず)/蛙の面に小便(かえるのつらにしょうべん)
蛙の頬被り(かえるのほおかむり)
蛙の目借時(かえるのめかりどき)
蛙は口ゆえ蛇に呑まるる/蛙は口から呑まるる
井底之蛙(せいていのあ)、井蛙之見(せいあのけん)
「井の中の蛙、大海を知らず」と同じ。
蛇に見込まれた蛙/蛇に逢うた蛙
茹でガエル(ゆでがえる)
三竦み

飼育上の注意編集

カエルツボカビ症による両生類の絶滅が危惧されている。致死率は種類によっては90%にもなる。麻布大の宇根有美助教授(獣医病理学)は、「飼っている両生類に異変があれば、すぐに獣医師などに相談してほしい。水の管理が最も重要で、水槽の水を消毒せずに排水溝や野外に流さないでほしい」と訴えている[14]。日本産の両生類についても、その蔓延が危惧されたこともあり、実際に多くの地域で存在が確認されている。ただし、それによる被害の報告はない。むしろ、元々日本にも生息していたものらしいと考えられるに至っている。

食物連鎖とカエル編集

 
ウシガエルを捕獲するニホンイタチ

自然界の食物連鎖の中でカエルは下位の昆虫類や節足動物類の捕食者としての位置づけだけでなく、上位の多くの生物に対する餌としてもカエルの占める位置は非常に重要でヘビ、鳥類、小動物の餌となり[注釈 2]、陸上における食物連鎖を支えている。特に日本に於いては、耕作農地面積の多くの部分が水田であり稲作の害虫となるウンカを始めとする昆虫類、様々な伝染病を媒介するを含めた生物を大量に捕食し上位生物の餌となっている。水田の圃場整備をする際は、カエルの生息環境に考慮した工法が望まれる[15]

進化編集

2020年にカエル改め無尾類の2億年あまりの進化に関する包括的な研究が発表された。この研究は2434種もの無尾類を調べた結果、成長に際して遊泳期(俗に言うオタマジャクシ)を持つ種は、遊泳期を持たない種(卵胎生の種)に比べて身体が大きい傾向が強いことが示された。また餌に脊椎動物を含む種(例→ウシガエル)は、含まない種(例→アマガエル)よりも身体が大きい可能性が高いことも示されている。こうした研究により無尾類は他の四肢動物とは全く違う地理的・生態学的適応を遂げていたことが判明した[16]

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 「蛙/蝦」は三春(初春・仲春・晩春・義春)・動物に、「雨蛙」「蟇/蟾蜍」「河鹿」は三夏・動物に分類される季語である[9]
  2. ^ ただし、大型のカエルは反対にこれら捕食者を捕食することもある。

出典編集

  1. ^ 日本爬虫両棲類学会 (2020) 日本産爬虫両生類標準和名リスト(2020年3月16日版). http://herpetology.jp/wamei/ (2020年4月27日閲覧).
  2. ^ a b c d e f g h i j Anthony Arak 「カエル類」松井正文訳『動物大百科 12 両生・爬虫類』深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編、平凡社1986年、42-63頁。
  3. ^ Skulls gone wild: How and why some frogs evolved extreme heads https://www.floridamuseum.ufl.edu/science/how-frogs-evolved-extreme-skulls/
  4. ^ Amphibiaweb”. 2014年12月12日閲覧。[出典無効]
  5. ^ a b フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 2』講談社、2003年。
  6. ^ a b c 倉本満 「すべてのオタマジャクシ期を経るわけではなく、繁殖様式は変化に富み多様である。」『動物たちの地球 両生類・爬虫類 3 トノサマガエル・モリアオガエルほか』第5巻 99号、朝日新聞社、1993年、66-67頁
  7. ^ 21世紀研究会 (2004, p. 235)
  8. ^ a b 嶋内博愛、松枝到(編)「カエルをめぐる象徴性:グリム童話集を起点に」『象徴図像研究:動物と象徴』 言叢社 2006 ISBN 4862090079 pp.147-168.
  9. ^ 齋藤 & 阿久根 (1997)
  10. ^ 歌舞伎用語案内 照明と音響”. 松竹、国立国会図書館、歌舞伎. 2020年1月2日閲覧。
  11. ^ 身近な音具たち かえる”. 京都教育大学. 2020年1月2日閲覧。
  12. ^ 『図解アイヌ』 角田陽一 新紀元社 2018年 p92
  13. ^ JICA (2011, p. 16f)
  14. ^ “<カエル・ツボカビ症>国内で初確認 両生類絶滅の危険性も”. 毎日jp (毎日新聞). (2007年1月12日). オリジナルの2007年1月15日時点におけるアーカイブ。. http://wayback.archive.org/web/20070115085859/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070112-00000044-mai-soci 2013年1月10日閲覧。 
  15. ^ 東 (2002)
  16. ^ 200 million years of anuran body size evolution in relation to geography, ecology, and life history

参考文献編集

  • 東淳樹「サシバとその生息地の保全に関する地域生態学的研究」『東京大学農学部.博士論文』博農第2480号、東京大学大学院農学生命科学研究科、東京大学農学部、2003年、2016年7月24日閲覧。
  • 齋藤慎爾阿久根末忠 編著『必携季語秀句用字用例辞典』柏書房、1997年9月。ISBN 4-7601-1456-4
  • 21世紀研究会 編著『食の世界地図』文藝春秋〈文春新書378〉、2004年5月。ISBN 4-16-660378-7
  • Alexander, Pyron R.; Wiens, John J. (2011), “A large-scale phylogeny of Amphibia including over 2800 species, and a revised classification of extant frogs, salamanders, and caecilians”, Molecular Phylogenetics and Evolution 61 (2): 543-583 
  • Frost et al. (2006), “The Amphibian Tree of Life”, Bulletin of the American Museum of Natural History 297: 1–291, doi:10.5531/sd.sp.13, https://hdl.handle.net/2246/5781 
  • Heinicke M. P. et al. (2009), “A new frog family (Anura: Terrarana) from South America and an expanded direct-developing clade revealed by molecular phylogeny” (PDF), Zootaxa 2211: 1–35, http://evo.bio.psu.edu/hedgeslab/Publications/PDF-files/220.pdf 
  • 自然界の変化に敏感!?“カエルマーク”の正体とは… (PDF) 」 『JICA's World』第33号、JICA、2011年6月、 16-17頁、2016年7月24日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集