アシッド・ハウス(Acid house)とは、狭義にはアナログシンセサイザーの変調効果を多用したエレクトロニック・ミュージックを指す。広義では、1987年頃からシカゴロンドンで同時多発的に始まった、電子音楽ファッションクラブ・カルチャーをミックスしたカルト現象を意味する。

アシッド・ハウス
様式的起源 シカゴ・ハウス[1]Hi-NRG[2]サイケデリア
文化的起源 1980年代後期
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 シカゴ
使用楽器 TB-303[1]
派生ジャンル ニュー・ビートアシッド・テクノアシッド・トランスゴアトランスサイケデリックトランスブレイクビート・ハードコアビッグ・ビートトランスエレクトロ・ハウステクノアシッドジャズアンビエント・ハウス
関連項目
レイヴ
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元々の発生は、1987年、シカゴでDJ Pierreが『Acid Trax』を製作した時、古いアナログシンセサイザーローランド・TB-303」のツマミをランダムに動かすことによって偶然生み出されたサウンドが、あたかもアシッドすなわちLSDの幻覚作用を思わせる幻想的なサウンドであったために、この名前がついたといわれている。現在では必ずしもアシッド・サウンド=TB-303を使用した楽曲だけに留まらず(もちろん狭義ではそれこそを「アシッド・ハウス」と呼ぶが)、アナログシンセのフィルターミキサーEQなどを用いて音色変化のスウィープ感を強調した音楽全般へと拡大を見せている。ダフト・パンクの登場以降にシーンを席巻したフィルターハウスと呼ばれるジャンルなどがその筆頭である。

このムーヴメントはやがて、スペインイビサ島やロンドンにおけるクラブ・シーンを経て、1980年代後半から1990年代初頭の、セカンド・サマー・オブ・ラブからはじまるレイヴ・カルチャーへと進化していった。1993年には世界的なアシッドハウス・リバイバルが起こり、その人気を不動の物とした。近年ではさらにアシッドハウス・リバイバルのリバイバルといった現象まで起こった。

主要アーティスト 編集

関連項目 編集

出典 編集

  1. ^ a b Acid House Entry”. AllMusic. 2021年2月5日閲覧。
  2. ^ "Electronic Musician." (1992). 7-12 (8), Polyphony Publishing Company/University of California, p. 7, ISSN 0884-4720. Quote: "[House] derivations include deep house (an integration of Chicago house and New York R&B), acid house, a hybrid of hi-NRG and conventional dance music), and hip house (a mixture of house, hip hop, and rap)."

外部リンク 編集