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イリナ・ファリオン

ウクライナの言語学者、政治家 (1964-2024)

イリナ・ドミトリヴナ・ファリオン[3][4]（ウクライナ語: Ірина Дмитрівна Фаріон [iˈrɪnɐ ˈdmɪtrʲiu̯nɐ fɐrʲiˈɔn]、1964年4月29日 - 2024年7月19日）は、ウクライナの政治家、言語学者。

イリナ・ファリオン
Iryna Farion
Ірина Фаріон
2015年
最高議会議員
任期
2012年12月12日[1] – 2014年11月27日[2]
前任者なし (選挙区増設)
後任者イリーナ・ポドリャク
選挙区リヴィウ州第116区
個人情報
生誕 (1964-04-29) 1964年4月29日
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国リヴォフ
死没2024年7月19日(2024-07-19)（60歳没）
 ウクライナ リヴィウ州リヴィウ
死因銃器による暗殺
政党全ウクライナ連合「自由」
子供1
出身校リヴィウ大学
職業教授、政治家、言語学者
受賞
  • オレクサ・ヒルニク賞
  • ボリス・フリンチェンコ賞
公式サイト公式ウェブサイト

経歴

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イリーナ・ドミトリヴナ・ファリオンは1964年4月29日にリヴィウにて教師の母と配管工の仕事をしていた父の間に生まれた[5][6]。 リヴィウ大学文献学部を卒業後、1991年まで同大学のウクライナ研究センター長を務めた[7]。

政治家として

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2006年にファリオンは2005年から所属していた極右政党スヴォボダからウクライナ人民代議員に立候補した[8]。  2006年にファリオンはリヴィウ州地方議会にも立候補し、教育科学委員会の副委員長を務めた。 2010年にはリヴィウの多数派選挙区で当選を果した[9]。

2012年の議会選挙で、ファリオンはリヴィウ州の選挙区で勝利し、国会議員に選出された。2013年からは、科学と教育に関する議会の高等教育小委員会の委員長を務めた。 2014年には、科学と教育委員会の第一副委員長に就任した。

2014年の議会選挙で、ファリオンは再びリヴィウ選挙区の議席獲得を目指したが、今回は約16%の得票率で3位に終わり、落選[10]。

2015年7月にロシア捜査委員会はファリオンを「殺人扇動」と「過激な発言」の罪で刑事告訴した。捜査委員会の声明によると、ファリオンは2014年10月15日の集会で「国家としてのロシアと、国籍に基づく集団としてのロシア人の破壊を促す破壊的で暴力的な行動の呼びかけを行った」という[11]。

2019年7月のウクライナ議会選挙では、ファリオン氏はリヴィウ州の第116選挙区で10.35%の得票率で5位に終わり、落選した[12]。

2023年11月にファリオンはインタビューで「ロシア語を話す人口は存在せず、ウクライナ人とカツァプ人がいる」と述べた。また、彼女はロシア語を話すアゾフ旅団の戦闘員をウクライナ人とは見なさないと述べた。ファリオンは占領下のクリミア半島の支援者による手紙も公表したが、彼女は彼の名前をぼかさなかったため、彼はロシア当局に拘束された。これは、政治家のタミラ・タシェバからの批判、やリヴィウ工科大学の学生抗議など、国民の怒りを招いたが、大学は彼女の解雇を拒否した。ファリオンは後に、彼女を批判したアゾフ戦闘員に対して「対策を講じる」よう大統領と国防大臣に訴えた。この事件を受けて、ウクライナの人権オンブズマンは、ウクライナ保安庁（SBU）に捜査を開始するよう要請したと発表した。  11月15日にSBUは差別、軍人の尊厳の侮辱、通信の守秘義務の侵害、私生活の不可侵性の侵害の罪で彼女に対する捜査を開始し、 彼女はリヴィウ工科大学の職を解かれた。しかし、ファリオンは2024年5月にリヴィウ工科大学に復職している。

暗殺

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2024年7月19日の午後19時30分頃（東部標準時）、ファリオンはリヴィウの自宅外で銃撃された[13]。襲撃者は20～25歳くらいの若い男で、ファリオンの隣人によると、朝、彼女の家の近くで待ち伏せしているのに気づいたと証言している[14][15]。ファリオンは頭部に銃弾を受けて「極めて重篤な」状態で、すぐに病院の救急科に入院した[16][17]。同日23時頃（東部標準時）、病院の医師は彼女が昏睡状態にあり生命維持装置をつけていると発表。彼女は23時20分頃に60歳で死亡した[18][19][20][21]。

ウクライナの内務大臣イゴール・クリメンコは、殺人は計画的なものであり、捜査官が検討している主な動機は彼女の政治的・社会的活動か個人的な嫌悪感のいずれかであると述べた[22]。

葬儀

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ファリオンの追悼式は7月21日にリヴィウで行われた[23]。会葬者の数は数百人から5千人以上と発表されている。彼女はシンガーソングライターのヴォロディミル・イヴァシュークの近くにあるリチャキフ墓地に埋葬された[24]。

脚注

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出典

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  1. ^ You Scratch My Back, and I'll Scratch Yours Archived 12 October 2012 at the Wayback Machine., The Ukrainian Week (26 September 2012)
  2. ^ CEC registers 357 newly elected deputies of 422 Archived 4 December 2014 at the Wayback Machine., National Radio Company of Ukraine (25 November 2014)
    Parliament to form leadership and coalition on November 27 Archived 1 December 2014 at the Wayback Machine., UNIAN (26 November 2014)
  3. ^ “ウクライナ最高議会のイリナ・ファリオン元議員が銃撃され死亡…ロシア語話者を「ウクライナ人ではない」と批判し物議も”. 読売新聞オンライン (2024年7月22日). 2024年7月24日閲覧。
  4. ^ 外信部, 時事通信 (2024年7月20日). “民族派元議員、銃撃で死亡 国語推進で批判も―ウクライナ西部：時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年7月24日閲覧。
  5. ^ “Большая патриотка или "агент Кремля"? Кто такая Ирина Фарион и почему вокруг нее постоянно скандалы” (ロシア語). РБК-Украина. 2024年7月24日閲覧。
  6. ^ “От КПСС до радикального национализма: какой была Ирина Фарион” (ロシア語). www.unian.net. 2024年7月24日閲覧。
  7. ^ “От КПСС до радикального национализма: какой была Ирина Фарион” (ロシア語). www.unian.net. 2024年7月24日閲覧。
  8. ^ “Список депутатів нової Верховної Ради” (ウクライナ語). Українська правда. 2024年7月24日閲覧。
  9. ^ “Большая патриотка или "агент Кремля"? Кто такая Ирина Фарион и почему вокруг нее постоянно скандалы” (ロシア語). РБК-Украина. 2024年7月24日閲覧。
  10. ^ http://www.cvk.gov.ua/pls/vnd2014/wp040ept001f01=910pf7331=116.html
  11. ^ “СК РФ завел дело на бывшего депутата Верховной Рады Ирину Фарион” (ロシア語). Meduza. 2024年7月24日閲覧。
  12. ^ “Фаріон і Подоляк поступилися на виборах Княжицькому” (ウクライナ語). www.ukrinform.ua (2019年7月24日). 2024年7月24日閲覧。
  13. ^ “Former Ukrainian MP Iryna Farion assassinated in Lviv” (英語). The Kyiv Independent (2024年7月19日). 2024年7月24日閲覧。
  14. ^ “Во Львове убита бывший депутат Рады Ирина Фарион. Главное” (ロシア語). Meduza. 2024年7月24日閲覧。
  15. ^ “Соседи Фарион, в которую стрелял неизвестный, заявили, что нападавший сидел в их дворе две-три недели — СМИ” (ロシア語). nv.ua. 2024年7月24日閲覧。
  16. ^ “У Львові стріляли в Ірину Фаріон” (ウクライナ語). Варта 1 (2024年7月19日). 2024年7月24日閲覧。
  17. ^ Zaxid.net (2024年7月19日). “У Львові вчинили замах на Ірину Фаріон” (ウクライナ語). ZAXID.NET. 2024年7月24日閲覧。
  18. ^ “Вбивство Ірини Фаріон. Деталі замаху, версії слідства та чим була відома львівська професорка” (ウクライナ語). Українська правда. 2024年7月24日閲覧。
  19. ^ “Во Львове убита бывший депутат Рады Ирина Фарион. Главное” (ロシア語). Meduza. 2024年7月24日閲覧。
  20. ^ “Украинский политик Ирина Фарион умерла в больнице после покушения” (ロシア語). Meduza. 2024年7月24日閲覧。
  21. ^ “Фарион умерла в больнице” (ロシア語). РБК-Украина. 2024年7月24日閲覧。
  22. ^ “Клименко про вбивство Фаріон: “Стрілець готувався завчасно”” (ウクライナ語). Українська правда. 2024年7月24日閲覧。
  23. ^ “У Львові прощаються з Іриною Фаріон (фото, відео)” (ウクライナ語). РБК-Украина. 2024年7月24日閲覧。
  24. ^ “Сотні людей прийшли віддати шану: у Львові попрощалися з Іриною Фаріон” (ウクライナ語). 24 Канал (2024年7月21日). 2024年7月24日閲覧。

関連項目

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