ウェスタン航空2605便着陸失敗事故
ウェスタン航空2605便着陸失敗事故(ウェスタンこうくう2605びんちゃくりくしっぱいじこ)は、1979年10月31日の早朝にロサンゼルス発メキシコシティ行きの国際旅客定期便、ウェスタン航空 (en) 2605便(機材:DC-10)が霧の中メキシコシティのベニート・フアレス国際空港に着陸する際、メンテナンスのため閉鎖されていた滑走路に着陸し大破した事故である。搭乗していた88人のうち72人と地上の1人が死亡した。 この事故はメキシコではメキシカーナ航空704便墜落事故およびメキシカーナ航空940便墜落事故に次いで死者数が多い航空事故となり、DC-10による航空事故では7番目に死者数が多い事故となった[1]。
![]() 同型機のマクドネル・ダグラス DC-10 | |
事故の概要 | |
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日付 | 1979年10月31日 |
概要 | パイロットエラー、滑走路取り違え |
現場 |
![]() ベニート・フアレス国際空港 北緯19度26分11秒 西経99度04分20秒 / 北緯19.43639度 西経99.07222度座標: 北緯19度26分11秒 西経99度04分20秒 / 北緯19.43639度 西経99.07222度 |
乗客数 | 77 |
乗員数 | 11 |
負傷者数 | 14 |
死者数 | 72 |
生存者数 | 16 |
機種 | マクドネル・ダグラス DC-10-10 |
運用者 |
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機体記号 | N903WA |
出発地 |
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目的地 |
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地上での死傷者 | |
地上での死者数 | 1 |
1979年はDC-10による大事故が多発しており、5か月前にはオヘア国際空港でアメリカン航空191便墜落事故が、1か月後にはエレバス山でニュージーランド航空901便墜落事故が発生している。
事故概要編集
同便は滑走路23Rへの着陸を指示されたが、あやまって路面の補修工事のため閉鎖中の23Lに接地した。その後エンジン出力を上げ着陸復行が試みられたが、右主脚が駐車していたトラックに激突し引きちぎられ、それが右水平尾翼と昇降舵を直撃した。その後機体が右に傾き左翼が滑走路端から1,500mの地点にあった油圧ショベルの運転席に激突した後、建物に衝突し出火した。この事故で搭乗者のうち72人と地上の1人が死亡した[1][2][3]。
関連項目編集
- シンガポール航空006便離陸失敗事故 - 2000年に発生した事故。改装工事のため閉鎖中の滑走路から離陸しようとして失敗し大破した。
脚注編集
- ^ a b “ASN Aircraft Accident McDonnell Douglas DC-10 N903WA Mexico City-Juarez International Airport (MEX)”. Aviation Safety Network. 2015年1月19日閲覧。
- ^ Kebabjian, Richard (2012年). “Accident Report: Western Airlines Flight 2605”. planecrashinfo.com. 2012年6月29日閲覧。
- ^ NTSB summary
- Aftermath: Wrong Runway Landing in Flying Magazine p.100
参考文献編集
- デビッド・ゲロー 『航空事故』 清水保俊訳、イカロス出版、1994年、154-155頁。
外部リンク編集
- Aviation Safety Network for Western 2605
- Photos of N903WA at Airliners.net
- CVR audio on YouTube
- Garrison, Peter. "Aftermath: Wrong Runway Landing." Flying Magazine. December 1983. Vol. 110, No. 12, ISSN 0015-4806. p. 100-101, 106-107. (mentions Air Line Pilots Association, International (ALPA) report)