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エアゾール式簡易消火具

エアゾール式簡易消火具

エアゾール式簡易消火具(エアゾールしきかんいしょうかぐ)はスプレー缶の形状をした簡易消火具。ノズルを押すことで内部の消火剤が噴出される。初期消火に有効とされる。

概要編集

消火剤は液体、または粉体で、容器内に充塡した窒素ガス等の圧力により、直線状または放射状に消火剤を噴出して消火するものであり、家庭内の天ぷら油火災、石油ストーブの火災など、比較的小規模な火災に有効とされる。一方で、消火器の代わりになるものではなく、あくまでも補助的な役割を果たすものという認識が必要である。[1]

消火剤の種類による分類編集

国民生活センターによる消火剤の分類を以下に示す。[2]

液体のもの編集

粉末のもの編集

外国製エアゾール式簡易消火具の注意点編集

一部日本国内に輸入されるエアゾール式消火具には、日本の規格を満たしていないため、不具合が生じる機種があるので注意が必要である。国民生活センター2004年に行ったテストによれば、外国製のハロンや代替ハロンを使用したエアゾール式簡易消火具の中には、天ぷら油の火災に使用すると炎があおられ拡大する恐れがあるものがあること、石油ストーブが消火できないものが多いことが指摘されている[3]

ハロン・代替ハロンには大なり小なり毒性があり、火災時の高温で極めて毒性の強いホスゲンフッ化水素ガスを生じるので家庭用として使用するのは危険であると言える。「スペースシャトルにも使う」等の宣伝をしているが、1989年発効のモントリオール議定書により日本では製造・輸入が禁止され現在では発展途上国でのみ製造されている過去の物質である。

また、ハロン消火設備や国家検定品のハロン消火器は回収され特殊用途に限り再利用されているが、各種規制の網を掻い潜って輸入されたエアゾール式ハロン消火具は回収のシステムが無く、それを購入した個人が抱え込む事になるのを忘れてはならない。

これらの商品を販売しているホームページを見ると検定とか認証を受けていますなどともっともらしい事を謳っている場合が多いが、その殆どが消火具(簡易消火具)としての鑑定を受けていない(NSマークがない)製品が多い。

天ぷら油火災以外では、ハロン自体の消火能力はとても強力であり また粉末/液体ではない為消火後の周辺汚染もない点は特筆すべき点ではある。

輸入品の使用に関し規制はないが、輸入者の道義上の責任は免れ得ないであろう。

[4][5]

事故編集

2010年ヤマトプロテック製のエアゾール式簡易消火具において破裂事故が発生した。2010年の9月、10月だけでも18件に及んだという。[6] これによる生命や身体の重大な被害はなかったが、ヤ社は原因を「内面塗膜の耐薬剤性が良くなかった」として自主回収を行った。

リコール編集

2019年7月、大手スプレー缶OEMメーカーのエア・ウォーター・ゾル株式会社より、同年1月から3月に製造したエアゾール式簡易消火具の一部に、薬剤漏出の不具合が発生したことを発表し、該当品は製品回収となった。市場流出本数は11万5千本に及んだ。 [7]

法規制等編集

1982年消防法告示によりエアゾール式簡易消火具が消火器の検定対象から除外され、新たな鑑定基準が決められた。鑑定は義務ではなく、任意の申し出により日本消防検定協会が行うこととなっていた。[2]

2013年、消防法施行令第41条によりエアゾール式簡易消火具は「自主表示対象機械器具等」とされ、製造業者の自主的な検査が義務づけられ、2017年4月1日以降は適合表示が付されたものでなければ販売や陳列が禁止されることとなった。[1][2]

2014年4月1日には「エアゾール式簡易消火具の技術上の規格を定める省令」が施行された。ここでは天ぷら鍋火災、ストーブ火災等に対する消火性能が詳細に規定され、消火剤による容器の腐食を防止する取り決めが定められた。また、電気火災には感電の危険があるため、液体の消火剤が認められなくなり、保管温度は40℃まで、保管期限は最長5年とされた。[8]

これにより従来販売されていた「使用期限無し」や「保管温度100℃までOK」といった謳い文句を売りにしていた商品が生産終了に追い込まれた。

関連項目編集

脚注編集

  1. ^ a b 消火器早わかり講座”. 日本消防検定協会 (2015年3月30日). 2016年4月9日閲覧。
  2. ^ a b c 家庭内火災を防ぐ-その2 エアゾール式簡易消火具のテスト”. 国民生活センター (2004年10月14日). 2016年4月9日閲覧。
  3. ^ 試験の結果全く天ぷら油火災に消火効力を有しないにも関わらず、使用できると宣伝されていた。
  4. ^ [1] 「ハロンを使用したエアゾール式簡易消火具は「天ぷら油火災」に有効ではありません」総務省消防庁
  5. ^ 「家庭内火災を防ぐ-その2エアゾール式簡易消火具のテスト」独立行政法人国民生活センター (PDF)
  6. ^ エアゾール式簡易消火具の破裂事故について (PDF)”. 消費者庁 (2010年10月22日). 2014年8月14日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  7. ^ 報道資料 エアゾール式簡易消火具における不具合の発生”. 総務省 (2019年7月5日). 2019年12月12日閲覧。
  8. ^ エアゾール式簡易消火具の技術上の規格を定める省令”. 国民生活センター (2016年3月18日). 2016年4月9日閲覧。