オオイタビ(大崖石榴、学名Ficus pumila)は、クワ科イチジク属常緑つる性木本東アジア南部に分布し、日本では関東南部以西、特に海岸近くの暖地に自生し、栽培もされる。茎から出る気根で固着しながら木や岩に這い登る。オオイタビの名は、イタビカズラに似て大型であることによる。台湾に生育する変種のアイギョクシFicus pumila var. awkeotsang)は果実を食用に用いる。幼苗は観葉植物として利用され、フィカス・プミラの名でも流通しており、園芸品種もある。

オオイタビ
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オオイタビ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
: バラ目 Rosales
: クワ科 Moraceae
: イチジク連 Ficeae
: イチジク属 Ficus
: オオイタビ F. pumila
学名
Ficus pumila L.[1]

特徴編集

付着根でよじ登るつる性植物で、雌雄異株[2]互生し、全縁で卵形、葉先は尖らず、一般に成葉で長さ5 - 9センチメートル (cm) でイタビカズラ(葉先は尖る)よりも大きくなるが、幼葉では長さ2 cm、幅1 cm前後と小さく[2]、イタビカズラやヒメイタビ(枝葉に褐色の毛がある)と区別しにくい。家庭用の鉢植え栽培では成葉は生じないが、暖地の戸外では成葉が生じる[2]

イチジク属の他種と同様、は壷状の隠頭花序の中に咲き、イチジクコバチ類によって授粉され、またその寄生により雄花序が果実様にふくれる。雌花序が受粉すると内部に多数の果実が形成され径5 cmほどになり、熟すと花序の壁が破れて外に出、これは食用可能(アイギョクシではこれからペクチンを抽出して食用にする)。

利用編集

寒さには強いほうで、自生地では塀などに這わせて、暖地の戸外壁面緑化に利用されている[3]。幼苗は観葉植物としても人気があり、学名からフィカス・プミラと呼ばれる[2]斑入り葉などの園芸品種がある。本州中部では露地栽培可能で壁面緑化に用いられるが、気根が基材を傷めることもある。

園芸品種編集

  • ‘バリエガータ’(Ficus pumila ‘Variegata’) - 葉に黄緑色から白色の小さい斑が不規則に入る園芸品種[2]
  • ‘サニー’(Ficus pumila ‘Sunny’) - 白色斑入り葉の園芸品種[2]

栽培編集

観葉植物で栽培される幼苗は、明るい日陰を好む性質があり、強い光に当たると葉が痛むことから半日陰で管理される[4]。春から秋は水やりをたくさん行い、冬場は水切れしない程度に水やりを控える[4]。施肥は、春から秋に液肥を2か月おき程度に与える[4]

脚注編集

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ficus pumila L.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年4月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 土橋豊 1992, p. 113.
  3. ^ 土橋豊 1992, p. 114.
  4. ^ a b c 渡辺均監修 池田書店編 2006, p. 129.

参考文献編集

  • 土橋豊 『観葉植物1000』八坂書房、1992年9月10日、112-114頁。ISBN 4-89694-611-1 
  • 渡辺均監修 池田書店編 『インテリアグリーンを楽しむ はじめての観葉植物 育て方と手入れのコツ』池田書店、2006年11月28日。ISBN 978-4-262-13618-9