オオイチモンジ

タテハチョウ科のチョウ

オオイチモンジ(大一文字、Limenitis populi)は、チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ上科タテハチョウ科に属するチョウの一種。

オオイチモンジ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
亜目 : Glossata
下目 : Heteroneura
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: タテハチョウ科 Nymphalidae
亜科 : イチモンジチョウ亜科 Limenitidinae
: イチモンジチョウ族 Limentidini
: オオイチモンジ属 Limenitis
: オオイチモンジ L. populi
学名
Limenitis populi
(Linnaeus,1758)
和名
オオイチモンジ
大一文字
英名
The Poplar Admiral
亜種
  • L. p. jezoensis(Matsumura)

概要 編集

 
背面

斑紋はイチモンジチョウアサマイチモンジに似るが、倍近いサイズを誇る大型種。黒地に白条を持ち、後翅外縁に沿って青色の構造色を持つ光沢部と赤斑が並ぶ。飛び方は力強い羽ばたきと滑空を繰り返す。獣糞や湿地で吸水したりするが、訪花例は少ない。

幼虫の食樹はドロノキヤマナラシヤナギ科)。幼虫は緑から褐色の斑模様でごつごつした姿をしている。成虫は7月から8月にかけて見られる。8月末に産卵し、3齢幼虫で越冬する。

本種は愛好家の間でも人気が高い蝶のひとつである。

分布 編集

日本国内では、北海道および本州甲信越から中部地方の高山にのみ分布する。

北海道では道央から道東にかけて広く分布。山地には比較的普通に見られる。大雪山系や道東に多産地が多い。

本州では日本アルプス八ヶ岳連峰日光連山尾瀬などに分布するが、本州産は個体数が非常に少なくなかなか見られない。長野県、山梨県では天然記念物となっている。

日本国外では、ヨーロッパ、東アジア温帯から亜寒帯にかけての地域に生息する。

保全状況評価 編集

日本産オオイチモンジ Limenitis populi jezoensis

関連項目 編集

参考文献 編集

  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112OCLC 170389984