クロキ

ハイノキ科に属する常緑小高木

クロキ(黒木、学名Symplocos kuroki)はハイノキ科ハイノキ属に属する常緑小高木。

クロキ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnolipphyta
: 双子葉植物綱 Magnokiopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: カキノキ目 Ebenales
: ハイノキ科 Symplocaceae
: ハイノキ属 Symplocos
: クロキ S. kuroki
学名
Symplocos kuroki
Nagamasu (1993)[1]
シノニム

S. lucida Siebold et Zucc., excl. typo S. l. (Thunb.) Siebold et Zucc. f. spathulata (Hayashi) Hayashi ex Ohwi et Kitag.

概要

編集

日本固有種で、南関東地方以西の比較的暖かい海岸付近に分布する。和名の由来は「黒木」であるが、樹皮が黒褐色であるよりも白っぽいものが多い。

高さは5-6m。花期は3-4月ごろ。秋ごろに黒い果実が実り、鳥が食料としてついばむ様子を見ることもできる。

沖縄県嘉手納町(1982年8月5日制定)[2]鹿児島県与論町(1983年制定)[3]の町木になっている。

利用・文化

編集

古代、板葺きの屋根に用いられたことが『万葉集』巻第四「相聞」779番に詠まれているが、皮がついたままの木材ゆえ珍しい例とされる[4]。また同780番にもクロキを詠んだ一首が見られる。

大嘗祭の大嘗宮正殿の柱にはクロキが用いられる(詳細は、「大嘗祭#大嘗宮」を参照)。

鎌倉時代の説話集『十訓抄』(13世紀中頃成立)には、筑前国上座郡朝倉の山中においてクロキ造りの屋を築いた記述が見られる(「黒木御所」「朝倉橘広庭宮」参照)。

脚注

編集
  1. ^ 日本植物誌DB
  2. ^ 嘉手納町について”. 沖縄県嘉手納町. 2016年12月14日閲覧。
  3. ^ 地勢・シンボル”. 与論町ホームページ. 与論町. 2016年12月14日閲覧。
  4. ^ 桜井満訳注『現代語訳対照 万葉集(上)』旺文社文庫、1974年。p.254の脚注。「クロキ造りの家の板葺き屋根か」ともするが、古くから建材として用いられたことに変わりはない。