コムス
バッテリー駆動の超小型電気自動車
コムス(COMS)は、トヨタ車体が製造するバッテリー駆動の超小型電気自動車である[2]。COMSは同車のコンセプト「ちょっとお出かけ街までスイスイ(Chotto Odekake Machimade Suisui)」[2]の頭字語である。
COMS | |
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超小型BEV「COMS」 | |
概要 | |
別名 | コムス[1] |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 2012年 - |
ボディ | |
乗車定員 | 1 名 |
駆動方式 | モーターデフ付き後輪駆動 |
車両寸法 | |
全長 |
2,395 mm(P・COM) 2,395 mm(B・COM デリバリー) 2,475 mm(B・COM デッキ) 2,395 mm(B・COM ベーシック) |
全幅 |
1,095 mm(P・COM) 1,095 mm(B・COM デリバリー) 1,105 mm(B・COM デッキ) 1,095 mm(B・COM ベーシック) |
全高 |
1,500 mm(P・COM) 1,495 mm(B・COM デリバリー) 1,500 mm(B・COM デッキ) 1,505 mm(B・COM ベーシック) |
車両重量 |
420 kg(P・COM) 430 kg(B・COM デリバリー) 420 kg(B・COM デッキ) 410 kg(B・COM ベーシック) |
概要
編集コムスには、パーソナルユース向けの「P・COM」、ビジネスユース向けの「B・COM」の2タイプが用意され、「B・COM」には荷室の形状が異なる3種類の「デリバリー」「デッキ」「ベーシック」が設定されている。道路交通法上は自動車に分類され、普通自動車免許が必要である。道路運送車両法上は、第一種原動機付自転車(四輪)[3]の扱いで車庫証明や車検等を必要としない。
2012年からセブン-イレブンが「セブンらくらくお届け便」として宅配用に採用している[4]ほか、ヤクルトの宅配などにも使用されている[5]。
年表
編集- 2000年6月1日
- トヨタ系部品メーカーであるアラコが1人乗りの小型電気自動車「エブリデーコムス」を発売、バッテリーは家庭用電源から充電可能で、最高速度は時速50キロメートルとなる[6]。車体重量は270キログラムで、車両は原動機付自転車になるが、運転には普通免許が必要となる[6]。2001年8月1日からはバッテリーを大型化し走行距離を向上させた「コムス・ロング」が発売、また荷物に応じて選べるように「ベーシックタイプ」「パイプデッキ」の2タイプが用意された[7]。
- 2004年10月
- アラコの車両生産部門とトヨタ車体が合併、トヨタ車体が存続会社となる[8]。
- 2012年7月2日
- トヨタ車体が1人乗りの超小型電気自動車「コムス」を発売、パーソナルユースを主体とした「P・COM」とビジネスユース向けの「B・COM」の2タイプが用意され、さらに「B・COM」には用途に応じて選べるように後部の荷室または荷台の形状が異なる「デリバリー」「デッキ」「ベーシック」の3タイプが設定された[9]。1回の充電での走行距離は旧型が35から45キロメートルだったのに対し約50キロメートルとなり、最高時速も時速60キロメートル(旧型は50キロメートル)となった[10][11]。
- 2014年4月1日
- 「コムス」を一部改良、ボディカラーを従来の全5色から全7色に増やしたほか、ヘッドランプにハイ・ローの切替え式、フロントにディスクブレーキを採用するなどした[12]。
- 2018年10月1日
- 「コムス」を一部改良、従来最大11度だった坂道発進可能角度を最大13度として登坂性能を向上させたほか、シフトがニュートラルに入った状態でアクセルを踏むと警告音が鳴るようにし、またボディカラーに「シルバーメタリック」を追加した[13][14]。
- 2022年4月1日
- 「コムス」を一部改良、最大積載量を拡大し、「P・COM」と「B・COMデリバリー」は30キログラムから45キログラムに、「B・COMデッキ」は30キログラムから90キログラムとなった[15][16]。
- 2022年10月6日
- 超小型BEV「コムス」特別仕様車を発売(コムス発売10周年・生産累計1万台を記念)[17][18][19]。
主にコムスを保有する個人ユーザ間で、外装に手を入れるドレスアップ[20]、純正仕様のバッテリーを鉛蓄電池からリチウムイオン電池に換装[21]、といった改造やカスタム化が盛んに行われている。一人乗りの簡易的な構造であること、バッテリーの格納場所が運転席の下で容易に交換が可能なことなどが、それらの改造の背景にある。特に、リチウムイオン電池への換装を行うと車重の軽量化とバッテリー容量の増加によって、純正で約50kmの一充電走行距離を2倍の100km、さらに150~200km以上に延伸することも可能となる。電池容量を増加すると充電時間も増えるが、J1772(タイプ1)規格の充電機能を追加することで充電時間の短縮や一般的な充電スタンドでの200V普通充電を可能とする向きもある[21]。
ギャラリー
編集-
トヨタ車体・2008年型コムスロング
-
リア
-
デリバリータイプ
関連項目
編集脚注
編集注釈
編集- ^ ただし、これらの改造を施すと、製造元であるトヨタ車体による保守や整備などが受けられなくなる恐れがあるため、改造はすべて自己責任で行う必要がある。
出典
編集- ^ 超小型BEV「コムス」
- ^ a b “トヨタ車体、超小型電気自動車『コムス』を発売”. トヨタ車体 (2012年7月2日). 2023年10月10日閲覧。
- ^ いわゆる「ミニカー」規格である。
- ^ “【トヨタ車体 コムス 発売】セブン‐イレブン宅配に採用「3000台規模に」”. Response (2012年7月2日). 2023年10月10日閲覧。
- ^ 湯田陽子 (2022年5月31日). “ヤクルトレディも乗っている、超小型EV「コムス」の次世代試作が初公開…素材や設計が超「環境志向」”. Business Insider Japan. 2023年10月10日閲覧。
- ^ a b “一人乗りの電気自動車「エブリデーコムス」発売”. webCG (2000年6月1日). 2023年10月9日閲覧。
- ^ “アラコ、超小型電気自動車『エブリデーコムス』にロングタイプを追加投入”. Response (2001年8月1日). 2023年10月10日閲覧。
- ^ “アラコの車両生産部門とトヨタ車体が合併へ”. Response (2003年10月3日). 2023年10月9日閲覧。
- ^ “【トヨタ車体 コムス 発売】実質価格59万8000円から”. Response. (2012年7月2日) 2023年10月10日閲覧。
- ^ “トヨタ車体、補助金込みで60万円以下の1人乗り超小型EV「コムス」”. Car Watch. (2012年7月2日) 2023年10月10日閲覧。
- ^ “トヨタ車体、超小型EV「コムス」を発売”. webCG. (2012年7月2日) 2023年10月10日閲覧。
- ^ “トヨタ車体、超小型EV コムス を一部改良…新色追加など”. Response (2014年3月31日). 2023年10月10日閲覧。
- ^ トヨタ車体、超小型電気自動車『コムス』を一部改良 (PDF)
- ^ “超小型電気自動車 コムス を一部改良、登坂時の性能向上”. Response (2018年10月1日). 2023年10月10日閲覧。
- ^ “トヨタ車体、超小型EV「コムス」の積載量拡大など一部改良を実施”. Car Watch. (2022年3月15日) 2023年10月10日閲覧。
- ^ 超小型電気自動車「コムス」の積載量を拡大し、4 月 1 日発売 (PDF)
- ^ 超小型BEV『コムス』特別仕様車を発売(コムス10周年&10,000台記念) (PDF)
- ^ コムス10周年1万台記念特別仕様車 (PDF)
- ^ “超小型EV『コムス』に特別仕様---発売10周年&累計生産1万台”. Response (2022年10月7日). 2023年10月10日閲覧。
- ^ トヨタ コムス P・COM カスタムまとめ - おすすめのカスタムはこれだ!エアロ・ホイール・LEDなど|みんカラ
- ^ a b 例えば、コムス B・COM(トヨタ)|Mr オフグリッドの愛車|みんカラ