電気自動車(でんきじどうしゃ)とは、電気をエネルギー源とし、電動機(モーター)で走行する自動車[1]である。略称は一般的にEV(Electric Vehicle)が用いられる。内燃機関(エンジン)を持たない事から、走行時に二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物が出ないゼロエミッション車である[2]

概要編集

電気モーターを動力源とする電気自動車は、車載電池(バッテリー)から電力を得る電池式電気自動車と、走行中に電力を外部から供給する架線集電式電気自動車とに大きく分けられる[注 1]軽自動車や普通乗用車としては電池式電気自動車が注目されたが、大型車を電気自動車化するには大量のバッテリーを搭載しなくてはならず、最大積載量に対するその重量が課題となる。そのため、大型車ではモーターアシストハイブリッドカー路線バスでは架線集電式電気自動車が注目された。

種類編集

電池式電気自動車は、外部からの電力供給によって二次電池(蓄電池)に充電し、電池から電動機に供給する二次電池車が一般的である。 →#二次電池式電気自動車 (BEV)

なお、かつての二次電池では、出力やエネルギーあたりの体積と質量が大きく、コストも高く、寿命も不十分であった。また、電池の寿命を低下させる急速な充電を避ける必要もあり、稼働時間に対し長い充電時間も短所であった。そのため、交通機関の主流たりえなかった。しかし、出力・エネルギー密度が高く、繰り返しの充放電でも劣化の少ないリチウムイオン二次電池の発展により、電気自動車が注目されるようになった。また、近年は、電気自動車の普及とともに各国で全固体電池の開発が活発化しており[3][4]、実用化のため自動車メーカーや電機メーカーが研究に投資している[5]

車両自体に発電装置を搭載する例としては、太陽電池を備えたソーラーカー燃料電池を搭載する燃料電池自動車がある。発電専用エンジン(レンジエクステンダー)を搭載する物については、内燃機関と二次電池を併用する事からプラグインハイブリッドカーに分類される。

架線集電式電気自動車としては、集電装置架線架空電車線)に接触させて電源を得る方式はトロリーバスとして古くから用いられている。大型トラックや鉱山ホウルトラックなどでも集電装置を搭載するものがあるが、多くの場合、バッテリーを搭載しており、架線のない所でも走行できるようになっている[6][7]。集電装置は、トロリーバスではトロリーポールが一般的で、大型トラックやホウルトラックでは弓形の集電舟が用いられている。

また、架線に代わる電力線を地下に埋設し、誘導電流によって走行中に充電(インダクティブ充電)ができるオンライン電気自動車などがある。

特性編集

ガソリンエンジンディーゼルエンジンなどの内燃機関(ICE)による動力源と比較すると、適切に選ばれた電動モーターの起動トルクは大きく、高回転域まで電力の変換効率がそれほど変化しないので、電気自動車はほとんどの場合で変速機を必要としない。また、車両の停止中もアイドリングの必要が無く、自身で始動できるため始動用の補助動力装置も不要である。電動モーターは内燃機関に比べると振動騒音が少なく静かである。

持続可能性と電気自動車編集

20世紀後半から地球温暖化に加速がつき、2000年代に入ると先送りができない問題となった。その結果、脱ガソリンエンジンと電気自動車の利用推進は強力に推進されるようになり、一方でそれ以前から技術者たちによって継続的に行われてきた電池技術の改良や発展があったおかげで技術的な障壁は下がり続けている。また、政策として再生可能エネルギーの利用割合を増加させている国もあり、それらの相乗効果により、各国政府では電気自動車の導入推進を図ると同時に、内燃車の新規販売を規制する法律が整備され、電気自動車は公道で日常的に走るための現実的で日常的な乗り物として、存在感を増してきている。

電気自動車は、特に地球温暖化問題に関する京都議定書CO2排出削減目標を達成する手段の1つとして、あるいは産出国が局在する化石燃料に対する依存を減らす手段の1つとして国家レベルで実用化に力を入れられるようになった。環境より経済性を重視する人々の間でも、2008年平成20年)の夏にかけて、原油価格の急騰に伴ってガソリン価格が上昇した時には、(導入費用は別として)「燃費の良い自動車」の1つとして関心が高まった。風力発電への依存度が高いデンマークでは、風力発電特有の不安定な発電量や、余った電力を蓄電できないといった欠点を、各家庭の電気自動車を蓄電池として利用することで電力網全体の負荷を下げる方針を打ち出している。デンマーク政府は2007年から、内燃車では車両価格の105 - 180 %にも達する「新車登録税」を蓄電池電気自動車に限って撤廃した結果、内燃車と電気自動車の価格差はほとんどなくなっている[8]

電気自動車が自動車産業にもたらす変化編集

2010年時点で既に、「電気自動車は自動車産業に大きなインパクトをもたらす(変革をもたらす)と予期される[9][10]」と指摘された。世界の多くの政府が、自国の自動車産業がこれから迎える電気自動車が主流の時代を生き残ってゆくためにと、電気自動車とその構成部品の開発のために莫大な資金を出すことを決断するようになった。たとえばアメリカ合衆国では、バラク・オバマ政権が、電気自動車とバッテリー向けに24億ドルの連邦補助金を出すと約束した[11]

中華人民共和国は(2010年代初頭に)電気自動車産業の立ち上げに50億米ドル相当のお金を供給すると公表した[12]

2010年代の後半から、世界各国で、特にヨーロッパ諸国などを中心として持続可能性の必要性の認識が高まった。ガソリン車の販売を規制・禁止したり、(ヨーロッパでは様々なタイプがありえた非ガソリン車の中でも、電気自動車が最も好適なものだと判断しつつ)電気自動車の販売を促進するための法律が導入されたりした。2030年代半ばなどにそうした期限を設定する形での法律が多数可決されており、それをきっかけにして人々の意識や自動車メーカー側の意識がさらに高まるという現象も相まって、そうした法制度上の変化や整備にもさらに加速がついてきている。

2000年代に急速な経済成長を遂げ自動車の巨大な販売市場となった中国では、2019年時点で中国の新車販売に占める電気自動車(EV)の割合は5 %で残り95 %はガソリン車という状況であった。その中国政府もついに、2020年10月に「2035年には新車販売の50%をEVとし、残り50 %をHVとする」という方針を打ち出した。

2020年代に入り、ヨーロッパや中国などの主要な販売市場において「ガソリン車の販売禁止までわずか十数年後」となり、重大な期限が目前に迫る中、世界各国の自動車メーカーは、自社の「生き残り」をかけて電気自動車の改良を加速させることや、すでに急成長してきている販売市場でシェアを確保することにしのぎを削っている。

2020年8月、ドイツに本拠を持つBMW社は「電動化攻勢をさらに加速させ、2030年までに電動モデルの比率を全販売の50%にする」と発表した [13]。2021年2月15日、イギリスに本拠を持つジャガーランドローバー社は、4年後の2025年から高級車ブランドのジャガーの全ての車種を電気自動車にする計画を発表した[14]

歴史編集

 
ローナーポルシェ
(ヤーコプ・ローナー)
 
エジソンDetroit Electric Model 47
(Anderson Electric Car)

黎明期 1800年代 - 1950年代編集

前史編集

人間は乗用しなかったものの、電気自動車の元祖は、ハンガリーイェドリク・アーニョシュ発明に遡ることができる。彼は1827年電動機を開発し、翌1828年には模型車両に載せて動かすことに成功した[15][16]

1835年、トーマス・ダベンポート (en) が鉄道線路の上を走る電気機関車を製作した。1838年、スコットランドロバート・デービッドソン(en)は時速約6kmの速度で走行する電気機関車を作った。1840年、イングランドで鉄道線路を電気の供給に使う方式の特許が取得されており、1847年にはアメリカ合衆国でも同様の特許が取得された[17]

電気自動車の歴史の始まり編集

1830年代(1832年~1839年の間に、正確な時期は不明)、スコットランドの発明家ロバート・アンダーソンが充電不可能な一次電池を搭載した世界初の電気自動車を発明した[18]

販売された初の電気自動車は、最初のガソリンエンジン車(1891年)の5年前に英国で登場した。1899年にガソリン車よりも早く初めて100km/hを突破するなど当初は有望視され、自動車の黎明期には蒸気機関・内燃機関と動力源の覇権を争っていた。ハブにモーターを搭載したインホイールモーターの原型とも言える4輪駆動車を当時ローナー社在籍のフェルディナント・ポルシェが、1900年のパリ万博に出展した。

アメリカでも発明王トーマス・エジソンが電気自動車の改良に努め、特に充電可能なバッテリーの開発に邁進していた。しかし、広大な国土を持つアメリカでは航続距離の短さが克服し難いネックとなり、やがて彼のもとで内燃機関を研究していたヘンリー・フォードによるフォード・モデルTの成功により自動車市場は完全に内燃機関自動車に支配された。イギリスでの牛乳配達用や屋内用のフォークリフト等、一部を除いて電気自動車は一旦市場から姿を消す[19]

1930年代ゼネラルモーターズ (GM)、ファイアストンスタンダードオイルカリフォルニアの3社の協業で National City Lines (NCL) という会社が設立された。この会社は各地の電気機関車を使っていた路面電車の会社を買い取り、電車を廃止してGM製バスに切り替えるという事業を行った。3社はNCLへの車両や燃料などの供給を独占したことで有罪とされたが、NCLによる交通サービスの独占は問題にされなかった(アメリカ路面電車スキャンダル)。

日本でも第二次世界大戦後、ガソリンが不足していたうえに日本本土空襲による工場の破壊で電力が余っていた[16]時期に数社から電気自動車が販売されていた。このうち東京電気自動車が開発したたま電気自動車鉛蓄電池への一度の充電で65キロメートル走れ、最高時速は35キロメートルだった。東京電気自動車を源流の一つとする日産により復元された車両が現存する[16]。だが、終戦直後の日本製電気自動車は、朝鮮戦争による価格の上昇やガソリンの入手性が向上した事により姿を消した。

石油ショック 1970年代編集

再び脚光を浴びるのは先進国でモータリゼーションが進んだ1970年代である。

オイルショックが起き、石油資源依存に対するエネルギー安全保障上の懸念や、排気ガスによる大気汚染公害)の深刻化への解決策として電気自動車が提案された。日本においては通商産業省(当時)主導の電気自動車研究開発プロジェクト(通称「大プロ」)が実施され、本田技研工業を除く国内全メーカーが電気自動車を開発した。しかし主に鉛蓄電池を用いた電気自動車は求められる性能を確保できぬまま、石油確保の政治的解決やガソリン自動車の排気ガス浄化性能の向上に伴い、電気自動車は再び姿を消す。

ゼロエミッション規制 1980年代後半 - 1990年代編集

次に状況が変化するのは1980年代後半、CARB(カリフォルニア大気資源局)のゼロエミッション規制構想時である。これは米国カリフォルニア州で販売する自動車メーカーは一定台数、有害物質を一切排出しない自動車を販売しなければならない、という規制の構想であった。これに対応できるのは電気自動車と考えられた。

1970年代に比べ、鉛蓄電池からニッケル水素電池と言った技術の進歩もあり、実際にトヨタのRAV4EV、ホンダのEV-PLUS、ゼネラルモーターズEV1などの限定販売・リースが開始され、電気自動車の本格普及も近いと思われた。しかし鉛蓄電池に比べニッケル水素電池はエネルギー・出力密度に優れてはいたが、それでも電気自動車は充分な性能(航続距離や充電時間、耐久性、車両価格など)を確保できなかった。

1990年代により高性能なリチウムイオン電池を採用したのは日産のみであった。(1997年プレーリージョイEV、1998年ルネッサEV/北米向けアルトラEV、1999年ハイパーミニ[20])ハイパーミニはアルミスペースフレームによる超軽量ボディとリチウムイオン電池を採用する意欲作ではあったが、車両価格が362万円と高価で、かつインフラ整備も整わず、普及には至らなかった。

これ以降、自動車メーカーは、電気自動車の欠点であるエネルギー密度の問題を解決するため、燃料電池を搭載した燃料電池自動車の開発などにも注力し、2002年平成14年)には燃料電池自動車ホンダ・FCXや、トヨタ・FCHVリースが開始されたが、水素ステーションの未整備など、使い勝手や費用等に問題があり普及には至っていない。

2000年代編集

電気自動車のネックとなっていたバッテリー性能について、大きな進歩がみられる。

モバイル機器等で使用が当たり前になったリチウムイオン電池を採用することで、性能向上を果たした電気自動車が発表されるようになった。リチウムイオン電池は、ニッケル水素電池より高エネルギー・高出力密度であるとされ、電気自動車の性能改善が見込まれる。充電時間についてはメーカーや研究機関で30分以下で70 %の充電を可能にする急速充電技術が開発されている。電池寿命についてはモバイル機器などに使用されているものとは異なり長寿命である。長寿命である要因は質量あたりのエネルギー密度がモバイル用よりも低く、設計的に余裕があるためである。後述のテスラの電気自動車では16万 kmの電池寿命と発表している。日本国内で使われる自家用自動車の場合、走行距離が20万キロに及ばないうちに廃車になることも多いが、30万 km以上使うこともある商用車などの用途では途中で交換が必要と考えられる。

充電時間の長い二次電池を使用せず、動力源に絶縁性能を改善したキャパシターを用いた試験では、車両総重量が1.5 tクラスであれば、100 km/hの定速運転で700 km以上の航続距離を達成することが既に可能であると報道された[21]。短時間の充放電が可能なキャパシタは回生ブレーキで発生した電力の有効な回収手段としても注目されており、日産ディーゼルが開発中である[22]

また、従来のバッテリーよりもはるかに高性能のリチウム・空気電池の開発も進みつつある[23][24]

バッテリー性能向上のほかにも、電気エネルギ効率を高められるインバータによる可変電圧可変周波数制御といった、パワーエレクトロニクスの発達もあり、電気自動車の性能は向上している。慶應義塾大学電気自動車研究室が開発したエリーカでは、既に370km/hの最高速度と4.1秒の0 - 100km/h加速が達成されており、内燃機関車両に比べ簡単な駆動系で高い動力性能が引き出せることを実証した。

 
台湾豊原バス純電気バス

米国では、テスラ (Tesla) により、0 - 60mph (0 - 96km/h) 加速約4秒、最高速度130mph (208km/h) 以上、航続距離250mile (400km) を達成したスポーツカータイプの、純粋の電気自動車「ロードスター」が発表された。電池寿命は10万マイル(16万km)は動力性能を出来るとしている[25]。さらに2009年3月には「モデルS」が発表された。これは大量生産車で、2009年4月ごろの段階ですでに1200台以上受注し、すでに数百台が路上を走っており、毎週25台のペースで生産しており、予約は同年秋までいっぱい[26]とされた。燃費が非常に良く、トヨタ・プリウスのおよそ2倍で、370km走っても電気代が500円程度で済む[27]とされた。

日本では2009年6月4日[28]三菱自動車により三菱・i-MiEVが生産開始され、続いて2010年12月20日[29]日産自動車により日産・リーフが生産開始された。

従来の電気自動車は、パワー・航続距離が不足しているため、短距離を走るシティコミュータなどが使用法として考えられてきたが、上記のような高性能の自動車が開発され、問題は解決した。

米カリフォルニア州の2017年のZEV規制の規制強化[30]、フランスやイギリス等におけるガソリン車・ディーゼル車の将来的な新規販売禁止(2040~2050年までを目途)[31]など、自動車メーカーによる電気自動車等のゼロエミッション車の開発・販売が急がれている。

電気自動車で先行する日産自動車[32]は、鋭い加速などが特徴のスポーツ車へのEVモデルを[33]、トヨタは航続距離の長距離化に有利と主張する全固体電池の実用化[34]を、それぞれ東京モーターショーで発表した。

中国では、2015年に発表した産業中期戦略「中国製造2025」において電気自動車を中心とした新エネルギー車を国家産業競争力の核心的利益として育てていく方針を打ち出し、2025年までに新エネ自動車販売台数を100万台、国内市場占有率70%以上にすること掲げた。2017年における中国市場の電気自動車販売台数は約58万台となっており、世界で販売される電気自動車全体の4割以上を占める状況となっている[35]。2021年現在の中国では、上汽通用五菱汽車が販売するセカンドカー向けの低価格車から、上海蔚来汽車の高級クーペまで多彩なラインナップが揃い、IT業界からの新規参入もあるなど群雄割拠となっている[36]

トヨタ自動車の豊田章男社長は、エネルギー政策とセットで考えなければ日本国内での電気自動車生産は難しいという意見を表明している[37][38]。トヨタではハイブリッド車と燃料電池自動車の販売を行っているほか、電動トラックの開発を進めている[39]

2019年10月、電池技術を軸に電気自動車事業への参入を表明していたダイソンは、全固体電池の研究開発などを除き事業から撤退することを決めた[40]

2021年、本田技研工業は電気自動車と燃料電池車に注力するため、ラインナップの整理を行うほか、フォーミュラ1からの撤退を表明した[41][42]

二次電池式電気自動車 (BEV)編集

 
日産・リーフ(2代目 ZE1型)

車体に電気プラグを接続し二次電池に充電、その電気で電動機を回して走る自動車。蒸気自動車ガソリンエンジン自動車と並んで古くから開発されていたが、リチウムイオン電池が実用化される2000年代まではバッテリーの性能が低く普及していなかった。電気自動車はエンジン車に比べ構造が単純で排気ガスも出さないことから世界で普及が加速している。ただし、同等車で比較すると車両価格は高価になる。

長所(内燃機関自動車との比較)編集

 
BEVの概略図

電気自動車は加速性能がよく静かで排気ガスもない。同じ走行距離のガソリン代と電気代を比較してもかなり安く付く。また、現在多くの乗用車メーカーは電気自動車用バッテリーの保証を走行距離10万kmまでとしており、耐久年数に関してもガソリンエンジン自動車と比べて遜色がない。

大気汚染地球温暖化の観点からは、内燃機関が排出するCO2やNOx等の有害排出物が無く、二酸化炭素も排出しない。発電所から走行時までを考慮した電気自動車のエネルギー効率については、発電効率・送電損失・充放電効率・動力変換効率などを含めても、内燃機関自動車(ICEV)に比べて数倍程度高いエネルギー効率が実現できる[43]慶應義塾大学電気自動車研究室の試算では、電気自動車の電力をすべて火力発電でまかなったと仮定しても、ガソリン車よりも3~4倍、総合効率で優れるとしている(詳しくはエリーカを参照)。また、太陽光発電など再生可能エネルギーを活用すれば、Well-to-Wheelの観点から見ても完全なゼロ・エミッションを達成することも可能である。(太陽電池を車両に貼りこの電力を主な動力源として走行する自動車については太陽電池自動車の項を参照)

電気モーターは起動から最大トルクを得ることができ、摩擦損失の発生するトランスミッションなどを用いず直接車輪に動力を伝達でき、これを生かした技術としてインホイールモーター(またはハブインモーター)と言われる、モーター軸にホイールを取り付けて動力伝達ロスを最小限にする技術が存在する(実際には、インホイールモーター内に減速ギアを用いている例がある。ダイレクトドライブインホイールモーターと言われる、完全にトランスミッション機構を廃したインホイールモーターも一部で研究開発されている[44])。

  • 走行時に二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染の原因となる有害物質を排出せず、発電所から排出される分を考慮に入れても、従来の内燃機関自動車(ICEV)より有害物質の排出が少ない。
  • 走行時の騒音や振動が少ない。内燃機関は回転数が上昇すると振動が大きくなるが、電動機では内燃機関ほど変化がない。内燃機関に比べエネルギー効率が数倍高く、エネルギー消費が大幅に抑えられる。
  • 深夜電力を利用した充電で基本料金を除くと、電気は1km走行で約1円、ガソリン税を除いたガソリン代の10-15%(ガソリン税:1リットル53.8円)とかなり安い。
  • 内燃機関、クラッチ変速機スターター などが不要で、部品点数が内燃機関車に比べ大幅に少なく、部品ユニット(ASSY)の交換も容易なので、メンテナンスや故障の際のコストが抑えられる。
  • エンジンやラジエーター、エキゾーストシステム、ギアボックスをおさめるセンタートンネル等が不要なため、車上有効スペースが増加。
  • 発進時から最大トルクが発揮できるため、加速性能が高い。
  • モーター、二次電池を持つため、運動エネルギーを再び電力に変換して蓄える、回生ブレーキが実現できる。
  • 内燃機関特有のアイドリングが存在しないため、車両停止時も無駄なエネルギー消費がない。同様の理由で停車時にはほぼ無音である。
  • 電動機は駆動力と制動力の双方を生み出すため、電子制御で高性能のトラクションコントロールABSを実現することが容易。
  • 電気自動車に蓄えられた電力は、電池容量24kWhで一般家庭約2日分に相当し、停電が発生した際の緊急用の電源として用いることが可能であり、近年注目されている[45]
  • 戸建ての車庫や事業所の駐車場に充電済みの車があれば、蓄電池として小規模なスマートグリッドとして使用できる。
  • 衝突時などに足元に侵入してくるエンジンがなく、衝撃を吸収するクランプルゾーンを広くとることが可能。
  • バッテリーパックが床下に収納されているものは、低重心で横転リスクを軽減できる。
  • 内燃機関は標高が高くなると大気圧や酸素濃度の低下により出力も低下するのに対し、標高の変動による影響を受けず一定の出力を保つことができる[46]

短所(内燃機関自動車との比較)編集

二次電池式電気自動車 (BEV)の短所は、主に航続距離と充電速度で、一般に内燃機関自動車に比べると航続距離は短く、充電にも時間がかかる。充電池を満充電にすると電池の劣化進むため80%充電にすることが多く航続距離が短くなる要因の一つになっている。ただし、バッテリーサイズが大きければ航続距離は伸びるため、一度の充電で600km以上走る乗用車も存在する。充電速度は車のバッテリーサイズやそのバッテリーが対応する最大電圧、充電スタンド側の最大電圧によっても異なるが、一般に急速充電でも80%充電に30分~40分程度かかる。

  • 現在の二次電池は、体積重量あたりのエネルギーが化石燃料に比べて小さいため、同一体積、同一重量あたりの、航続距離がICEVに比べて短い。
  • 一般に普及している40kwh程度のバッテリーを家庭用充電器200V/100Vで80%充電するのに11時間程度、充電スタンドの急速充電器でも40分程度かかる。
  • 充電に時間がかかるため充電スタンドの回転率が非常に悪く、多数の充電スタンドが必要となる。
  • 急速充電は高電圧で充電するため、電池の劣化が速くなる。
  • 電池の温度が低温や高温になると、充電速度が低下し、電池も劣化する。これらを防止するために十分な性能の電池の温度管理システムが必要。
  • 衝突時などの事故処理、通常のメンテナンス時に内部の高電圧回路による感電事故や高電流による火傷などのリスクがある。
  • 寒冷地で立ち往生した場合、暖房を使用すると電力を消耗してしまう。これは特に、豪雪地帯の多い日本で問題となる[47][48]。内燃機関自動車の場合はガソリンが携行可能だが、電気自動車の場合は上記のように充電は困難である。

エネルギー効率編集

ガソリンの質量エネルギー密度(単位質量あたりのエネルギー量)は約42MJ/kgであるが、リチウムイオン電池では100 - 200Wh/kg (0.36M - 0.72MJ/kg) と、60 - 120倍もの差がある。しかし、ガソリン車の車両効率は20〜30%程度であるのに対し、電気自動車は80%以上の効率を持つ。仮に60倍の差があると仮定した場合、実質的に取り出せるエネルギー量の差は15倍にまで縮まる。(こうした考えを 車両効率:Tank to Whell Efficiency と呼ぶ)

また、上記に加え、車載エネルギ貯蓄源からタイヤ駆動エネルギを取り出すまでのシステム全体の質量についても考慮に入れる必要がある。二次電池式電気自動車では、二次電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換し、電動機が電気エネルギーを運動エネルギーに変換する。内燃機関自動車では燃焼により熱エネルギーを発生し運動エネルギーに変換する。この両者のシステム質量を比較する必要がある。具体的には内燃機関(燃料+タンク+エンジン+補機類(冷却系など)+変速機+駆動伝達装置)対 電気自動車(電池+インバータ・モーター等)で比較され、電気自動車電池以外のシステム質量は内燃機関車より軽量である。

バッテリー編集

 
日産・リーフ(初代 ZE0型)カットモデル

重金属レアメタルや化学物質などを多量に消費する旧式のバッテリー(二次電池式)を大量に搭載する前提でライフサイクルアセスメント (LCA) の観点から問題を指摘する向きもあったが、急速な開発によって解決されつつある。電解質に用いられるリチウムの陸上資源は豊富にあり、海水中に無尽蔵に存在するリチウムを抽出する技術もあるため価格の高騰を防げ、安価に供給可能である。リチウムイオン二次電池に使われる希少元素は正極材料に使われてきたコバルトであり、現在コストの7割を占める。しかし、ニッケルマンガンリン酸鉄などを使った正極材料が開発されつつあり、全く希少元素を使わないリチウムイオン二次電池も可能である。ニッケルは希少元素だがコバルトよりは安い、マンガンはベースメタルでないだけでレアメタルと呼ばれているが厳密には希少元素ではなく安価である。リン、鉄は全くレアメタルではない[49][50][51]。少なくとも電気自動車用に採用しようとしているリチウムイオン二次電池はコバルトを使わないものである。

整備や修理などで電力系統に触れる場合には感電事故の危険性があり、キャパシタを用いた電力源では特に重大となる。内燃機関式の液体燃料を用いる車両の整備などでは、燃料漏れといった事態でも臭いで容易に判別できるが、蓄電池からの漏電はすぐには判らないので、整備士には安全確保に対する教育と現場での注意が求められる。従来は電気取扱者(低圧)の特別教育を修了することが求められていたが、2019年10月1日からは、電気自動車とハイブリッド車の整備に電気自動車等の整備業務に係る特別教育が求められるようになった[52]

リチウム編集

リチウムは軽量・大蓄電量のリチウムイオン二次電池に使用されている。リチウムは経済産業省の分類ではベースメタルでないというだけでレアメタルとされているが、希少元素ではない。 リチウムの陸上資源は全ての大陸に存在するが、豊富すぎる埋蔵量が単一鉱山にあるため、最も低コストで産出できる一握りの資源メジャーが飛び抜けた競争力を持ち、価格を自在にコントロールして、自分の収益を確保した上で、条件の悪い下位グループの鉱山の操業を出来ないようにしてしまう。これを一般には偏在すると呼んでいる。リチウムイオン二次電池におけるリチウムの使用量はわずかであり需給が逼迫する可能性は少ない。リチウムは海水中に無尽蔵に存在しており、現在の技術でも採取可能であるが、開発途上である。ただし海水からの採取技術を担保しておけば、陸上資源の価格も抑えられる。

コバルト編集

リチウムイオン二次電池におけるレアメタルとは主に正極材料に使われているコバルトである。2009年(平成21年)地点でリチウムイオン二次電池のリサイクルで取り出されているのはコバルトのみであり、リチウムは分離技術も経済性もなく、全くリサイクルされていない。リチウムイオン二次電池のコストの7割はコバルト代だといわれている。現在、ニッケルマンガンリン酸鉄などの正極材料が開発中であり、コバルトを使わないリチウムイオン二次電池を実用化しつつある。

希土類編集

軽量、小型で大出力の電動機であるネオジム永久磁石同期電動機を作るには、希少元素であるネオジムやジスプロシウムといった希土類が使用され、価格の高騰などの影響を受けやすい。磁石メーカーはリサイクル技術の確立に力を入れている。電動機メーカーは希土類を用いない電動機の開発に力を入れていて、2008年(平成20年)に日立はジスプロシウムを使用しないモーターの開発に成功した[53]

あるいは、誘導電動機を採用することで希少元素を使わずに済む。誘導電動機は、高速域と低負荷の効率が良いため、制御を高度化すれば、総合効率はネオジム永久磁石同期電動機に勝るとも劣らない。さらに、誘導電動機は、複数のモーターを設置しても単一コントローラで済む利点がある[54][55]。実際に、テスラ社の「ロードスター」や「モデルS」は誘導電動機を用いている[56]。特に初期の「モデルS」は後輪の間に誘導電動機とコントローラを設置し、その上には通常のトランクルームがあるだけでなく、そのすぐ後方には子供用の2座のジャンプシートも収納され7人乗りにできたうえに、フロントボンネット内にもトランクルームがある[57]。すなわちネオジム永久磁石同期電動機は、設置スペースの少ないハイブリッド車かインホイールモーターに必要なだけで、純電気自動車にはエンジンや変速機の代わりのスペースがあるため、車載型の誘導電動機で十分である。

あるいは、希土類磁石が不要な電動機としてスイッチトリラクタンスモータの開発も進行中である。通常の永久磁石式電動機が電磁石の吸引力と反発力の両方を使用して回転するのに対して、この電動機はステッピングモータのように回転子の吸引力のみで回転する。

既に永久磁石同期電動機とスイッチトリラクタンスモータのハイブリッド電動機は広くハイブリッド車の動力として利用中である。このハイブリッド電動機も永久磁石の使用量を減らす効果がある。

世界の車載電池メーカーの出荷量編集

グローバル市場では、寧徳時代新能源科技、通称CATLがの車載電池の出荷量で世界一である。2010年代初頭までは元々パナソニックが世界一であったが、順位が後退した。中国は政府が力を入れてバッテリー産業を育てている。

メーカー別 世界の車載電池メーカー
2019年通年 資料: SNE Research[58]
順位 国籍 メーカー GWh
1位   中華人民共和国 寧徳時代新能源科技 34GWh
2位   大韓民国 LG化学 31GWh
3位   日本 パナソニック 25GWh
4位   中華人民共和国 比亜迪 10GWh

電気自動車の最大の欠点はバッテリーの充電時間と航続距離である。航続距離はバッテリー容量を大きくすれば解決できるが、バッテリーは高価で、容量を増やせば車重も重くなり充電時間も長くなるという問題があった。近年電気自動車の普及が進み、自動車用バッテリーの価格が下がってきたため、バッテリー容量を大きくし航続距離は大幅に改善されたが、こんどは満充電に時間がかかるため大出力の急速充電設備が必要となってきている。

航続距離編集

2020年6月現在、最も航続距離の長い市販電気自動車はバッテリー容量100kwhのテスラ・モデルSで402マイル (647 km)となっている[59]。ただし、この航続距離はアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)の基準で、現在日本や欧州等で採用されている国際基準WLTPでの航続距離とは異なる。一般に航続距離はバッテリー容量が大きいほど長くなるが、バッテリーは燃料タンクと違い電気を消費しても軽くならないため、バッテリー容量が大きければ大きいほど車体が重くなりエネルギー効率(電費=1kwhあたりの走行距離)が悪くなる。またモーターの効率や車体の抗力係数、気象条件などによっても航続距離は大きく変わる。日本で普及している日産リーフ40kwhタイプではWLTCモードで航続距離322kmとなっている。

充電設備編集

 
充電スタンドの例

電気自動車の充電設備は、家庭や事業所用100V/200V電源を利用する緩速充電設備[注 2]と、市街地の充電スタンドなどに設けられた公共用急速充電設備に大きく分類される。急速充電設備は直流400V以上100A以上40kw以上の電力で供給するため事業用の高圧供給となる。事業者用電力料金は家庭用の6割以下となるが[60]、急速充電設備の一番高価なものは1基300万円程度かかり、大きさも家庭用冷蔵庫ほどになる。急速充電設備は高価なため、家庭や事業所用では緩速充電設備がほとんど。

急速充電設備は「充電スタンド、充電ステーション、充電スポット」などと呼ばれ、公共施設の駐車場、高道路のサービスステーション、主要道路に面した場所などで、有料の充電サービスを提供している。

普通充電では充電に時間がかかるが、自宅や事業所で普通充電の設備があり月に数回充電する場合は電気代が安く済む。しかし、日本の都市部では賃貸駐車場の利用者が多く、駐車場には充電設備がほとんどないため、市中の急速充電設備は欠かせない。また、電気自動車は同型車の内燃機関の車に比べ航続距離が短いため、長距離を走る場合、途中で何度も急速充電が必要となる。

日本の充電スタンドの料金体系は基本料金+時間単価などスタンドにより様々であるが、日本の最大手であるe-Mobility Power(トヨタ、日産、本田、三菱、東京電力、中部電力などが出資)の場合、非会員の急速充電が1分50円、普通充電で1分8円となっている。急速充電だと一回最大30分で1,500円となる。

しかし、現存する給油事業者が一部充電スタンドに転換すると、現行の電気価格相場は非常に低いため20kWh程度の充電だと多くても200円程度の利益しか見込めない。また、充電時間が25分程度かかるため、ガソリンの給油時間を5分とすると回転率は1/5となり、ガソリンスタンドの充電スタンドへの転換は難しい。

また、電気自動車の航続距離は同型のガソリン自動車の約半分と短いため、家庭や事業所で充電できない場合スタンドでの充電回数が多くなり、多くの充電スタンドが必要となる。そのため、日本やアメリカの観光地、パーク24などの駐車場、ショッピングセンターなど、駐車場に急速充電設備を設置して電気自動車の利便性を向上させようとする動きもある。

急速充電と普通充電の主な違い
e-Mobility Powerの場合 急速充電(50kw) 普通充電(200V 3kw)
バッテリー容量40kwh 80%充電 約40分 約11時間
1分あたりの充電料金 50円(税別) 8円(税別)
上記条件での充電料金 約2,000円(税別) 約5,280円(税別)
 自宅での充電の場合
200V 3kw 基本料金

1kwhあたりの電気料金

40kwh80%充電の電気料金

月約2,900円(税別)

約12円 (税別)

約384円(税別)

100V 深夜電力 基本料金

1kwh あたりの電気料金

40kwh80%充電

月約2,000円(税別)

約10円(税別)

約320円(税別)

バッテリーの寿命 短い 長い

(e-Mobility Powerの急速充電は1回最大30分)

  • 急速充電では40分程度で80%まで充電できるが[注 3][注 4] 、普通充電では11時間程度かかる。
  • 充電スタンドで満充電する場合、急速充電は普通充電に比べ電気代が安い。
  • 戸建て住宅の車庫や事業所の駐車場などに普通充電設備を設置し深夜に充電すれば、安価な深夜電力を利用することができる。
  • 深夜電力の利用が進めば、電力供給者側の発電の平準化に役立つ。
  • 急速充電はバッテリー内部の化学的負担が激しく温度が上昇し寿命が短くなる。

充電規格編集

 
非接触充電システム(東京モーターショー2011)

当初は日本で開発された「CHAdeMO」という規格が世界に普及していたが、最近ではヨーロッパ、アメリカ、中国で大容量のバッテリーに対応させるため独自の高規格急速充電設備が普及している。日本ではほとんどが従来のCHAdeMO規格だけで、200kwを超える大出力には対応していない。CHAdeMOの最大出力は 200kw(400A /500V)。 また、コードの要らない非接触充電方式も開発されているが普及していない。

静音性に伴う問題編集

電気自動車は動力源と駆動系に由来する騒音が非常に少なく、爆発によって動力を得る内燃機関自動車よりも非常に静かである。静音性は電気自動車のメリットでもあるが、その一方で電気自動車の不用意な接近により歩行者(および周囲の交通全般)が自動車の存在に気付かないまま危険に曝される状況が発生するようになる。

ハイブリッド車を含めた電気自動車の静音性は、ロードノイズや風切音など走行騒音の少ない低速時に際立つため、重大事故にはつながりにくいものの、聴覚機能が減退した高齢者聴覚障害者に加え、音により判断することの多い視覚障害者が危険に曝されやすい。また静音性を悪用した犯罪の事例も既に存在し、プリウス、またはアクア等の各EVモードを悪用したひったくり事件が発生している。

対策として、接近を歩行者に音で知らせる「車両接近通報装置」の設置を、2018年3月の新型車から義務付けられている[61]

低価格車など車内の防音対策が疎かな場合、走行時のモーター音が気になることもある[36]

電池交換方式自動車編集

電池交換所において満充電のバッテリーと短時間で交換することで車両への長い充電時間をなくす方式である。この方式では、電気そのものではなくバッテリー交換サービス自体を販売対象とするため利益が上げやすく、バッテリーのメンテナンスの手間が省けるなどのメリットがある[36]

テスラモーターズは90秒でテスラ・モデルSのバッテリーを交換するシステムを開発している[62]。これは、給油や充填に約3分かかるガソリン車、燃料電池車よりも早い。また、ルノー・日産アライアンスは、充電スタンドの整備運営をする米国ベタープレイス社と組み、電池交換所整備に加えて政府や自治体による助成金や優遇税制の導入をセットにした電気自動車発売を計画している。ベタープレイスでは、電力の補給を、車両に搭載された電池への充電ではなく、カートリッジ式の電池を交換する方法を想定しており、充電時間の問題を解決できるとみている。また、過去に成功を収めた携帯電話のビジネスモデルに倣い、電気自動車の車両本体はユーザーに無料で提供し、電池の利用に応じた料金収入による経営とする方針を打ち出している。

京都市交通局で1970年代に導入された電気バスでは床下のバッテリーを交換する方式を採用、バス営業所にバッテリーの交換・充電・保管設備を設置していた。

中国の蔚来汽車ではバッテリー交換式として設計した上で、バッテリーをサブスクリプション方式とすることでバッテリーの代金を車両価格から割引、使用していない時間に充電済みのバッテリーと出張交換する有料オプションなど設定をしている[36]。これにより1箇所の拠点で多数の充電が可能となり、充電スタンドを各所に設置するよりも効率が高いとしている[36]

改造電気自動車編集

 
ディーゼルエンジンの路線バスを改造した電気バス(九州産交バス、ベース車:日産ディーゼル・スペースランナーRA

ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの自動車からエンジンやマフラー、燃料タンクなどを取り除き、モーターや電池を取り付けた電気自動車。EVコンバート、EVコンバージョン、コンバージョンEV、コンバートEV英語版とも呼ばれる。広義のエンジンスワップに該当するため、電気自動車として公道を走行する場合は書面審査と構造等変更検査を受けて検査に合格する必要がある[63]

市販の自動車の電気自動車への改造は希に行われている。改造電気自動車には近距離の荷物配達用バン(デリバリー・バン)や霊柩車などの実例がみられ、珍しいところでは九州電力玄海原子力発電所見学者用のバスや九州産交バスの路線バスを電気自動車に改造。趣味性の高い方向では、日本EVクラブマツダ・ロードスターのEV改造キットを発表したり、同クラブ広島支部が2007年から2008年にかけて事故車のデロリアン・DMC-12をEV改造し、翌年3月にナンバー取得をしたケースがある。

長所編集

  • エンジン自動車に比べ構造が単純なためメンテナンスが容易。
  • 個人や小規模な事業所でも改造が可能。
  • MT車からクラッチやギアボックスを取り外してAT車にすることもできる。また、MT車のままでなおかつエアコン、パワーステアリング非搭載車の場合は改造も簡単にでき、費用も安価である。

短所編集

  • 大型車、AT車、エアコン、パワステ搭載車の場合は構造が複雑であり、改造費用が高価となる。
  • 航続距離が基本的にエンジン自動車より短くなる。
  • 改造を行える事業所が少ない。

商業用での導入事例編集

電気自動車の国内における導入実例には、1970年昭和45年)の大阪万博の会場内輸送を担う車両の生産をダイハツが担当した。それ以来ダイハツは3輪バイクハローや、商用車ハイゼットEVなどの市販電気自動車のほか、自治体特殊法人向けにラガー改造したEVを少数納入している。

山梨県北杜市では、7月末から電気自動車のモデルゾーン実験を行った。実験ではトヨタ車体旧アラコ)『コムス』、ゼロスポーツ『ゼロEVエレクシードRS』、オートイーブイジャパン『ジラソーレ』、昭和飛行機工業『e-VAN』等が採用された。

日本郵政グループの郵便事業会社(現・日本郵便)は、2008年12月初旬から環境対応車両の実証実験を行って、郵便事業会社の保有する集配用の自動車2万1000台を電気自動車に切り替える方針を発表している[64]。しかし2011年にゼロスポーツが破産したことで導入計画は頓挫、その後日産・e-NV200や後述する三菱・ミニキャブMiEVバンを導入している。

佐川急便では2021年4月に中華人民共和国・広西汽車集団製の小型商用バンを2030年までに7200台導入することを発表した[65]

三菱自動車は商用車で1971年にミニカEVを限定販売、1991年にランサーバンEV、1993年にリベロEVを限定販売したのち、ミニキャブバンをベースにしたミニキャブMiEVを開発、2010年秋にプロトタイプ車をヤマト運輸に貸与して実証実験を行い、2011年から2017年まで販売され、2013年からはトラックも追加された。

そのほかでは、ホンダが栃木県のサーキット、ツインリンクもてぎ内で提供している会場内専用のレンタル車輌などがある。

自動車共用実験では超小型モビリティとしてシティコミュータータイプの電気自動車を使用するケースがあり、トヨタ・e-com日産・ハイパーミニなどがある。

トラックでは積載量1-3トンクラスの小型トラックでの採用例が見られる。2010年に三菱ふそう・キャンターをベースにしたキャンターE-CELLをIAAに出展、NEXCO中日本他でのモニター使用を経て2017年にeCanterとして量産を開始した。日野自動車は2013年にデュトロをベースに荷台部分を低床化して前輪駆動とした集配車を開発、ヤマト運輸と西濃運輸が東京都内で実証運行を行った[66][67]。2022年にはこれらの実績を元に改良された「デュトロZ EV」を発売する予定である[68]。またヤマト運輸では集配車として三菱・ミニキャブMiEVや三菱ふそう・eキャンターに続いて2019年からドイツのストリートスクーター製電動トラックの導入を開始した[69]

バスでは一定の範囲内を走行すること、運行スケジュールが決められていて充電のタイミングを取りやすいことから路線バスへの導入例が見られる。

他に特殊用途自動車としては、ターレットトラックフォークリフト・ゴルフカートでは電動式のものが少なくない割合を占めている。動力つき車椅子や老齢者用カートは大半が電動式である。築地市場(東京都中央卸売市場)など建屋内部で商品の運搬を行うターレットトラックでは、電気自動車を採用することで商品や市場内を汚さないよう配慮している。

日本国外ではスイスの観光地ツェルマットなど、内燃機関自動車の乗り入れを禁止し村内の自動車は原則としてすべて電気自動車とされている場所などもある。完全に定着した特殊用途自動車としてイギリスの牛乳配達用車両 (milk float) があげられる。これは「早朝にエンジン車はうるさい」との苦情から発生したもので、鉛蓄電池により駆動する。

モータースポーツ編集

モータースポーツの世界でも、2010年代に入り電気自動車を用いたレースが徐々に拡大しつつある。

古くから電気自動車が活躍するレースとしてはパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムがある。標高3,000 mを超える高地で行われる同レースでは、標高による出力低下の影響を受けない電気自動車の利点を活かす形で多くの電気自動車が参戦しており、参戦台数の増加に伴い2012年からは単独の「Electric Class」が設けられた。2015年には並み居るガソリン車勢を破り、リース・ミレンのドライブするeO PP03が電気自動車として初の総合優勝を遂げ、2018年にはロマン・デュマのドライブするフォルクスワーゲン・I.D. R Pikes Peakがコースレコードを樹立している。

日本では2010年より、日本電気自動車レース協会(JEVRA)[70]の主催で「全日本電気自動車グランプリ」(通称 : EV-GP)シリーズが開催されている[71]

2014年には国際自動車連盟 (FIA) がフォーミュラカーによるレースシリーズとしてフォーミュラEを発足させた。当初は速度が低く軽んじる者もいたが、フォルクスワーゲングループのディーゼルエンジンにおける排ガス不正発覚後は一転、ディーゼル推進派であったイメージを払拭したいドイツ車メーカー各社を中心にEVシフトが叫ばれ、ハイブリッドカーのF1やLMP1(ル・マン24時間)に代わり、メーカーが大挙する一大カテゴリとなった。

アメリカでは2018年からGRC(グローバル・ラリークロス)でEVカーによるクラスが発足する他、欧州中心の世界ラリークロス選手権でも2020年にEVクラスを導入する計画を進めている[72]。2021年からはフォーミュラEのオフロード版となるエクストリームEが発足する。

燃料電池自動車 (FCV)編集

燃料電池自動車(: Fuel Cell Vehicle, FCV)とは、搭載した燃料電池発電し、電動機動力で走る電気自動車。燃料電池に水素メタノールなどを使用する。

水素燃料電池自動車編集

 
2代目トヨタ・MIRAI (JPD20)
:2020年12月9日発売開始

車に高圧充填した水素と空気中の酸素化学反応させて発電し、その電力で電動機を動かして走行する自動車。水素と酸素の化学反応後に排出されるのは少量の水だけである。水素の充填時間は約3分、航続走行距離はトヨタの新型MIRAIで約850kmを実現している。水素燃料電池自動車を実用化し販売しているのは世界でトヨタ、ホンダヒュンダイの3社のみ。車種は乗用車でトヨタ・MIRAIホンダ・クラリティ フューエル セルヒュンダイ・ネクソ商用車トヨタ・FCバスなどがある。

しかし、車両価格がまだ高額であること、水素ステーションの数が少ないことがその普及を妨げている。水素ステーションは安全性を確保する上で立地やタンクの設置方法、安全装置など多数の制約があり、建設費用は現状でガソリンスタンドの約3倍のコストがかかる(ガソリンスタンドの建設費用は約1億円、水素ステーションは約3億円である)。

アルコールを搭載した水素燃料電池自動車編集

車に水素を充填するのではなく、エタノールを車の燃料タンクに供給し、搭載した改質器により水素を得る。その水素と空気中の酸素を化学反応させて発電し、電動機を動かす燃料電池車。水素の高圧充填方式を嫌った日産自動車が開発したが、構造が複雑なため実用化には至っていない。日産が開発した発電用スタックはトヨタミライホンダクラリティ フューエル セルで採用されている固体高分子形燃料電池(PEFC)ではなく、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を用いている[73]

ダイレクトメタノール燃料電池車編集

メタノール 水溶液と空気中の酸素を化学反応させて発電し(ダイレクトメタノール燃料電池)、電動機で走行する車[74]。反応後に水と二酸化炭素が発生する。自動車としてはまだ実用化に至っていない。

金属燃料電池(金属空気電池)自動車編集

新しい材料と構造の金属空気電池を使い電動機を駆動する自動車。エンドユーザーにとっては空気電池を一次電池のように電池パックごと交換して使い、バックエンドの再生場で金属燃料と正極電解液を交換して燃料電池として再利用する。金属空気電池は燃料密度が大きく、容量が非常に大きいので、1回の交換あたり1000km以上を走行できる。金属燃料として金属リチウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛などが検討されている[75][76]

貴金属フリー液体燃料電池車編集

貴金属を含まない燃料電池液体燃料を供給し、電動機で走行する車。

太陽電池自動車編集

 
ソノモータース サイオン
 
ライトイアー社が開発中の太陽電池自動車「ライトイアーワン」プロトタイプ

車体に太陽電池を組み込み、その電力を二次電池に蓄えて電動機で走行する自動車。近年、太陽電池のエネルギー変換効率が改善されてきたため、太陽電池の電気エネルギーだけで走行できる車が開発されている。ただし、日中の太陽光から車体に組み込まれた太陽電池で発電するため、夜間や天気の悪い日、屋内車庫などでは充電できない。屋根に太陽電池を組み込んだ車はトヨタ プリウスプラグインハイブリッドカー(PHV)のオプションで存在するが、1日の充電で6.1kmしか走れない。現在はドイツ新興電気自動車メーカーソノモータース(Sono Motors)のサイオン(Sion)や新型のトヨタのプリウスで太陽電池のみで走行できる車両が開発されている[77]。1日の太陽電池のみでの充電でサイオンは34km(ミュンヘンでの日照時間)、プリウスは56.3km(日本での日照時間)走行することができ、近郊の通勤や買い物を可能にしている。サイオンは予約を受け付けており価格は22,500ユーロEU限定で2023年に販売予定[78]。日本では新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とシャープ、トヨタ、日産が協力して開発を進め、太陽電池セルの変換効率は世界最高水準の34%以上、航続距離56.3km相当の電力量を実現したが、量産の計画はない。

オランダのライトイアー(Lightyear)社も「ライトイアーワン(Lightyear One)」という同様の太陽電池自動車のプロトタイプを開発しているがまだ公道の走行は実現していない。

太陽電池自動車は駐車中や走行中に太陽光で蓄電するため、プラグでの二次電池への充電の煩わしさがなく、太陽光のみの充電であれば発電時に二酸化炭素も出さず電気代も要しない。近郊の通勤や買い物のみであればプラグでの充電を一切必要としない可能性を秘めている。

オンライン電気自動車編集

 
韓国で実用化されているオンライン電気バス

電磁誘導や共振現象を利用して非接触で給電する自動車。駐車場や道路下に埋設した地下架線やコイルまたは路上に設置した架線から、車両の駐車中・停車中・走行中に車両の受電装置に対して非接触で電力を供給する方式である。走行中や停車中に充電できるため車載電池容量が少なくてすみ車両コストの低下と軽量化が実現できる。道路に給電設備が普及すれば長距離の走行が可能となる。決められた道路を走る路線バスには有効で[79][80]、走行頻度の高い都市での採用が期待されている。

大韓民国では、すでに地下給電線を用いたシステムを試験しており、ソウル大公園内の2.2キロの循環バス路線内の3か所に合計400mに渡り給電線が埋設されている。試験結果に問題がなければ路線バスへの導入が計画されている[81]。日本では今のところ道路側の給電装置の配置間隔や給電技術はまだ研究段階。

軌道走行中に充電し、軌道外を電池式EVとして走行する自動車は「2モード電気自動車」と呼ばれており、ドイツでは高速道路にリニアモーターを組み込み、自動車走行中に非接触給電により二次電池へ充電する構想がある。高速道を降りた市中では通常のEVとして走行する[82]。完全に給電場所と走行モードを分ける考え方である。

その他の電気自動車編集

トロリーバス編集

道路上空に張られた架線架空電車線)から取った電気を動力として走るバス。トロリーバス都市部の交通機関として古くから広く利用されているが、架線のある所以外では走れないことなどから、最近は他の交通機関に変わっている都市が多い。

近年、電動機とエンジンを併用するハイブリッドバスをトロリーバスにすることで、架線があるところでは架線より給電走行し、架線のない所ではハイブリッドバスとして長距離を走れるバスが開発されている。架線建設費用を含んでも二次電池のみで走行するバスより安価なため、豪州米国欧州 の一部でこのトロリーバスが見直されている。また、架線を設けた幹線では架空電車線から集電して電動機で走行しながら二次電池に充電し、架線のない支線で二次電池式電気自動車としての走行が可能な2モード電気自動車も構想されている。

長所(二次電池式電気自動車との比較)編集

  • 電池が少容量(小型)で済み、重量・コスト面で有利。
  • 車両コストはハイブリッド式と大きく変わらず、数百万から数千万円ですむ
  • 架線集電では航続距離の制限が無い
  • 電池式電気自動車に比して蓄電池が小さいため車両が軽くエネルギー消費が低減できる
  • 走行エネルギーコストが非課税ベースで電力は石油の10-15%である

短所(二次電池式電気自動車との比較)編集

  • 基本的に架線のある道路を走行しなければならない。
  • 停電に弱い。
  • 架線の問題
    • 道路上の架線を社会が受容する必要あり、美観への影響と安全性が問われる
    • 架線敷設の為、低く見積もってもkmあたり2-3億円のイニシャルコストが必要
    • 通常の架線で交通集中に見合う電気容量が確保できる保証が無い
    • 架線保守要員が必要
    • 溶断、破断による新たな危険

間欠給電式電気自動車編集

 
Charger Pole
 
Contactor

この方式では、走行用バッテリーの充放電頻度を極限まで下げ、その寿命を飛躍的に伸ばすことが可能となる。システムとしては、従来のバッテリー駆動電気自動車(BEV)に、80 m走行分ほどの小容量キャパシタ1(C1)を追加した形となる。急速な充放電が行えるキャパシタの特徴を活かし、回生ブレーキ時の充電と、次回に発進する際の放電をキャパシタで賄い、損失などで不足する分や照明などのサービス電源用電力をバッテリーから供給する。これにより、バッテリーの充放電回数を1 - 2/日に抑えられるため、10年以上にわたって電池交換が不要となる。キャパシタは一回の充放電量が少ないものの、短時間での反復使用が可能であり、回生電力の再使用により走行距離も増加する。以上は中型車以下のBEV、またはハイブリッド車に有効である。

また、大型の電気自動車などでさらに搭載電池量を少なくするには、間欠的に外部給電を利用する方法もある。路線バスでは、まず、停留所歩道端上部に給電線または1 - 2本の給電ポール (Charger Pole) を、車両側面上部に受電板 (Contactor) を設ける。車両が接近した時、給電ポール (Charger Pole) 上部に取り付けてある給電ロッド (Contactor) が車道側に回転し受電板 (Contactor) に接触して、停車中および発進時に車両のキャパシタ2に充電する。走行時にはまず、ブレーキにより充電されたキャパシタ1からの放電で発進し、次にキャパシタ2よりの放電、最後に電池の放電で次の停留所まで走行する。以上のパターンで停留所間を次々と走行する。渋滞や交差点の一時停止・発進にはキャパシタ1を利用する。登り坂では給電ポール (Charger Pole) よりの給電を優先的に利用する。以上により、給電状況によっては、従来の電池自動車の電池の小容量化(1/10以下)及び長寿命化(15年以上)を可能にした電気自動車システム[83][84]である。

長所(内燃機関自動車との比較)編集

  • 重量面、コスト面、環境面(CO2 、NOx、核ゴミ等)で有利である。
  • 車道上に架線(突出物)を張らなくてよい、純電気自動車である。
  • 市内バス、宅配便、巡回車など停留所間が800 m前後の間欠的な場合、300停留所走行するのに要する電池量は1/10以下も可能となる。停車・発進時の受電板からの外部給電、キャパシタからの内部給電、走行中の受電板からの外部給電が得られるためである。
  • 渋滞等による回生はキャパシタ1が担うので、他の方式に比べ電池の消費・劣化が少ない。
  • バス停に設ける給電ポール (Charger Pole) は分散給電のため小容量で、比較的安価である。
  • 登り坂に給電ポール (Charger Pole) を設ければ、登攀能力は倍増する(または電池消費が少なくなる)。
  • トラックなどで、屋根のない車両にも適用可能である。

短所(内燃機関自動車との比較)編集

  • 回生ブレーキの使用頻度が少ない長距離(ノンストップ)走行には効果が少ない(市街地など短距離・繰返し走行によい)。
  • (バックアップ電池がない場合)停電に弱い。
  • 給電ポール (Charger Pole)、給電ロッド・受電板 (Contactor) の実績は少ない。
  • 全幹線道に給電ポール (Charger Pole) を取付けると、保守要員も少なからず必要となる。
  • 近くに商用高圧線 (600 - 1.200 V) がない場合、送電線が必要となる。

駆動系の配置による分類編集

 
1.通常のガソリンエンジン車 (FR)
2.エンジン部分を積み替えた
3.後輪横に2つ別々にモーターを配置し、減速ギヤを介して接続した車
4.インハブ・モーター車
5.ガソリンエンジン
6.クラッチ・変速機
7.電動モーター
8.減速ギア

電気自動車は電動モーターを含む駆動系の配置によりいくつかに分類できる。通常のガソリンエンジン車に最も近く、比較的簡単な改造によってエンジン部分を積み替え、プロペラシャフトデフなどをそのまま使用するものから、駆動タイヤ近くにモーターを配置し、場合によっては減速ギヤを介して駆動輪に接続するもの、そして、最も従来の自動車とは異なる駆動系の配置となるインハブ・モーターを持つものなどがある。図では簡単のために後輪のみの二輪駆動で示したが、前輪駆動やエリーカのような総輪駆動も可能[85]である。


電気自動車市販車一覧編集

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 日本の法令において、トロリーバスは無軌条電車と呼ばれる鉄道として扱われ、自動車として扱われないため、電気自動車には含まれてはいないが、メカニズムは電気自動車そのものである。
  2. ^ 100Vより200V給電の方が電力ロスが少ない。
  3. ^ 一般に蓄電池の容量上限近くは内部抵抗が高くなり温度上昇と充電効率も悪化して時間も掛かるため、満充電ではなく80%ほどで充電を終える方式が採られる。
  4. ^ 数分程度で充電が完了する急速充電器も開発されている。充電器側はキャパシタなどを内蔵することで短時間に大電流を供給できるが、このような急速充電による車載蓄電池側の発熱などが問題とならないか不明であり、一般には十数分程度の充電時間とされている。

出典編集

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参考文献編集

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  • 電気自動車 夢・化学21 ISBN 9784621047095
  • 電気自動車のすべて ISBN 9784526037962
  • 電気自動車ハンドブック ISBN 9784621048405
  • EV・電気自動車―色々な方向に走り出します ISBN 9784381087836
  • 疾れ!電気自動車 ― 電気自動車vs燃料電池車 ISBN 9784806712909
  • 近未来車EV戦略 ISBN 9784380932557
  • 電気自動車が加速する!―日本の技術が拓くエコカー進化形 ISBN 9784774137926
  • 電気自動車は日本を救う ISBN 9784863540354
  • 電気自動車の実像 ― EV・HEV・FCVの最新技術とその将来展望 ISBN 9784946428418
  • 日本充電3000キロ―男たちの“手作り電気自動車”珍道中 ISBN 9784907727024
  • 電気自動車の時代 ISBN 9784643911312
  • 新しいEV―高性能電気自動車 ISBN 9784274031861
  • 電気自動車時代
  • 電気自動車 ― その利点と可能性 ISBN 9784526012648
  • Takeshi KAWASHIMA and Ichiro FUJIOKA, . New public Transportation System with Bus Charged Intermittently at Every Bus Stop Using Green Energy (Model Experiment Using Golf Cart), Journal of Environment and Engineering, Vol.3, No.2, pp.374-384, 2008.10, 日本機械学会.
  • Yasuro HASEO and Takeshi KAWASHIMA, Basic Research on a Novel Zero-Emission Public Transportation System (Design of Charge-Boosting System for an Electric Bus System Charged at Every Bus Stop), Journal of Environment and Engineering, Vol.5, No.1, pp.168-182, 2010.3, 日本機械学会.

関連項目編集

関連技術・車両

関連企業・団体

その他

外部リンク編集