シャン州(シャンしゅう)はミャンマーの行政区画である。州都はタウンジー。複数の国と隣接する関係で、多くの自治区、独立紛争を抱える地区を擁する。

ရှမ်းပြည်နယ်
シャン州
(MLCTS: yum: pranynai)
州都 タウンジー
地域 中東部
面積 155,800 km²
人口 4,702,000 (1999)
民族 シャン族ビルマ族コーカン族ワ族、イギリス系ビルマ人(Anglo-Burmese)、カチン族ダヌ族インダー族パラウン族パオ族タウンヨー族印僑
宗教 仏教キリスト教イスラム教ヒンドゥー教

語源 編集

シャン族(大タイ族という呼称も知られている)は、昔年中国の雲南省から東南アジアに広がっているタイ系諸族の一つである。シャン語でシャン州の名称はムアンタイで、ムアンは「国」、タイは「シャン人」を意味し、「タイ国」と日本語に翻訳できる。

地理 編集

行政区画 編集

11県、4自治区、1自治管区を管轄する。

  1. タウンジー県英語版 州都タウンジーの所在地。高速5号線英語版が東部のホウポーン英語版からバゴー地方域タウングーまで伸びている。ニャウンシェから運河インレー湖に通じている。カローはイギリス植民地時代に避暑地である。
  2. ロイレン県英語版 主要都市はモンパン英語版国道45号線の沿線。
  3. ラーショー県英語版 ミャンマー鉄道マンダレーからラーショーまで来ている。第二次世界大戦中、ビルマ公路(ラーショー・昆明)が建設された。
  4. ムーセー県 ムーセー北部を流れるシュウェリ川英語版の橋を北に渡り瑞麗口岸で入国手続きをすれば中国雲南省徳宏タイ族チンポー族自治州瑞麗市へ入国出来る。ムーセーは、第二次大戦中に出来たビルマ公路レド公路の合流地点であった。瑞麗市でG320国道に接続して昆明へ伸びている。中国からミャンマー軍事政権への武器輸出経路である。G320国道は事故が多いことで知られている。ムーセーは高速3号線英語版の終点で、ラーショーを経由してマンダレーに至る。
  5. チャウッメー県英語版
  6. クンロン県英語版 高速3号線英語版沿線のセインニ英語版から国道34号線に接続し、ホパン雲南省臨滄市耿馬タイ族ワ族自治県に入国できるようになる計画(重点国境経済協力区域「耿馬(孟定)国境経済協力区域」)がある。
  7. チャイントン県英語版 チャイントン高速4号線英語版の沿線にある。アジアハイウェイ3号線に接続し国境のモンラー (ミャンマー)から中国雲南省勐海県打洛口岸に入国出来る。
  8. モンサッ県英語版
  9. タチレク県英語版 タチレクからサーイ川英語版を南に渡ると、タイ王国チエンラーイ県メーサーイ郡に入国出来る。第二次世界大戦後、麻薬王「クン・サ」が根拠地とした「黄金の三角地帯」はこの一帯を含む。高速4号線英語版が西のマンダレー地方域メイッティーラまで伸びており、ホウポーン英語版高速5号線英語版に接続し、バゴー地方域タウングーまで伸びている。メイッティーラで高速1号線英語版と接続しており、ヤンゴンまで伸びている。ケンラプタイ語版: Keng Lap)はClement VismaraRoman Catholic Diocese of Kengtungで知られている。
  10. モンパヤッ県英語版
  11. ラングーコ県英語版
自治区
  1. ダヌ自治区
  2. パーオ自治区
    1. ホパン県英語版 2011年9月に新設された県。
  3. パ・ラウン自治区
  4. コーカン自治区 - 漢民族(コーカン族)の集住地区。コーカン族で構成されるミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)と呼ばれる組織が支配地域を形成しており、ケシの栽培問題が発生している。2009年には銃撃戦となったコーカン事件英語版が発生した。
自治管区
  1. ワ自治管区 - ワ州を参照。

武装勢力の活動 編集

  • 2021年3月、クーデターに反対するデモが発生して弾圧が激化。州内に展開する3つの武装勢力(タアン民族解放軍(TNLA)、アラカン軍(AA)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA))が報復を警告する共同声明を発表[1]
  • 2023年10月、国軍と3つの武装勢力(TNLA、AA、MNDAA)が武力衝突。武装勢力側が軍の拠点や中国へ通じる主要道路を占拠した[2]

脚注 編集

  1. ^ ミャンマー弾圧の死者500人超 少数民族武装勢力、報復を警告”. AFP (2021年3月30日). 2023年11月2日閲覧。
  2. ^ ミャンマー国軍、中国国境の要衝失う 少数民族武装勢力との戦闘で”. AFP (2023年11月2日). 2023年11月2日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集