ジェームズ・フレイザー
イギリスの社会人類学者(1854 - 1941)、金枝篇の著者
サー・ジェームズ・ジョージ・フレイザー(Sir James George Frazer, 1854年1月1日 - 1941年5月7日)は、イギリスの社会人類学者。原始宗教や儀礼・神話・習慣などを比較研究した『金枝篇』(The Golden Bough, 1890年 - 1936年)の著者。
![]() ジェームズ・フレイザー(ナイトに叙された頃) | |
人物情報 | |
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生誕 |
1854年1月1日![]() |
死没 |
1941年5月7日 (87歳)![]() |
出身校 | グラスゴー大学・トリニティ・カレッジ |
学問 | |
研究分野 | 文化人類学・神話学 |
生涯編集
1854年1月1日、スコットランドのグラスゴーで長老派教会の両親の間に生まれる[1]。父ダニエル・フレイザーは現地では有名なフレーザー・アンド・グリーン商会の有力な役員であり、母はグラスゴーの裕福な商家の出であった。
学童期をむかえるとヘレンズバラにあるラーチフィールド学院に通い、1869年11月にグラスゴー大学に入学。ギリシア語とラテン語を専攻する[2]。1874年1月に奨学金の給付生に選ばれ、同じ年の秋にケンブリッジのトリニティ・カレッジに入学し、古典学の研究に没頭する。この頃E・B・タイラーの『原始文化』を読んだことと、当時ケンブリッジ大学に在職していたW・R・スミス[3](William Robertson Smith)に会ったことが契機となり、古典学から人類学・民族学・神話学の方向へシフトする。1879年に優等卒業試験を受け、特別研究院枠の一つを勝ちとり、学者への道に進むことになる[4]。1896年、42歳の時にフランス人の未亡人リリィ・グローブと結婚した。
その後、畢生の大作『金枝篇』を完成させるために半生を費やし、後の研究者に大きな影響を与えることとなる。1920年王立学会評議員、1921年トリニティ・カレッジ評議員。1941年5月7日にケンブリッジで老衰により死去。
研究内容・業績編集
受賞・栄典編集
著作編集
日本語訳編集
- 『金枝篇』(全5巻)、永橋卓介訳、岩波書店〈岩波文庫〉 1951-52年、改版1967年 - 重版多数
- 『図説 金枝篇』 サビーヌ・マコーマック編、吉岡晶子訳、東京書籍 1994年 / 講談社学術文庫(上下)、2011年
- 『初版 金枝篇』、吉川信訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉(上下)、2003年。Kindle版もある
- 『金枝篇』(全10巻、別巻1)、神成利男訳・石塚正英監修、国書刊行会
- 2004年より刊行中、完結時期未定
- 呪術と王の起源(上)
- 呪術と王の起源(下)
- タブーと霊魂の危機
- 死にゆく神
- アドニス、アッティス、オシリス
- 穀物と野獣の霊(上)
- 穀物と野獣の霊(下)
- 未刊は、 8「スケープゴート」、9・10「麗しのバルドル(上・下)」 、別巻(索引・資料ほか)
脚注編集
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参考文献編集
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- R・アッカーマン『評伝J・G・フレイザー その生涯と業績』法蔵館文庫 [上・下]、2020年7月
関連書籍編集
- ロバート・アッカーマン 『評伝J・G・フレイザー その生涯と業績』 小松和彦監修、玉井暲監訳
- 法蔵館 2009年2月。ISBN 978-4-8318-7216-6。上記の元版
- 山田仁史「金の枝を手折りて - フレイザーが遺したもの」『印度学宗教学会 論集34号』、213−237頁、2007年
- 石塚正英『フレイザー金枝篇のオントロギー 文明を支える原初性』社会評論社、2022年