ジャコウソウ(麝香草、学名:Chelonopsis moschata )は、シソ科ジャコウソウ属多年草[3][4][5]

ジャコウソウ
福島県尾瀬 2013年8月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
亜科 : オドリコソウ亜科 Lamioideae
: ジャコウソウ属 Chelonopsis
: ジャコウソウ C. moschata
学名
Chelonopsis moschata Miq.[1]
シノニム
  • Chelonopsis moschata Miq. var. jesoensis (Koidz.) Miyabe et Tatew. [2]
和名
ジャコウソウ(麝香草)[3]

特徴

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は四角形で、直立するか、多くは斜めに傾き、高さは60-100cmになる。は対生し、長さ5-12mmの短い葉柄があり、葉身は狭倒卵形から広倒披針形で、長さ10-20cm、幅3-10cmになる。葉先は長く鋭くとがり、基部はやや細くなって耳状心形になり、縁には粗い鋸歯がある。葉の表面には斜上する毛が、裏面には脈上に開出毛が生える[3][4][5]

花期は8-9月。上部の葉腋に1-3個のをつける。葉腋からでる花柄は短く、その先の小花柄は長さ2-7mm。 は鐘形で、花時の長さは10-15mm、果時には長さ15-18mmになり卵球形になる。花冠は淡紅色で、長さ4-4.5cm、筒部が長い唇形で、上唇は短く、下唇が3裂し、中央の裂片は他の2片より大きく、中央裂片の先は浅く2裂する。雄蕊は4個あり、下側の2個が長い。果実は4個の分果で、大きく卵球形になった宿存性の萼に包まれ、分果の長さは7-8mmになる[3][4][5]

分布と生育環境

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日本固有種。北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の湿り気のある木陰や谷間など、湿った場所に生育する[3][4][5]

和名の由来

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麝香草の意味で、茎葉をゆすると「麝香」のような馥郁(ふくいく)としたよい香りがするとして付けられたが、ジャコウソウにそれほどの香りはない[5]

ギャラリー

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類似種など

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同属タニジャコウソウ (C. longipes )は植物体の姿も花もよく似ているが、花柄が葉柄よりかなり長く、また、アシタカジャコウソウ (C. yagiharana )は、日本に分布する他の種と比べ小さく、植物体全体に立つ毛が多いことで区別できる。

イブキジャコウソウは名前は似ているが見かけはまったく異なり、分類的にもイブキジャコウソウ属であり、ジャコウソウとは別群である。

脚注

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  1. ^ ジャコウソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ジャコウソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.424
  4. ^ a b c d 『日本の野生植物草本III合弁花類』p.89
  5. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.642

参考文献

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