ステファン・オテルマ彗星

ステファン・オテルマ彗星[4](38P/Stephan-Oterma)は、1867年1月22日にマルセイユ天文台ジェローム・E・コッジャが発見した周期彗星である。

ステファン・オテルマ彗星
38P/Stephan-Oterma
ステファン・オテルマ彗星の軌道。2067年には天王星から1.6 auの距離を通過する[1]。
ステファン・オテルマ彗星の軌道。2067年には天王星から1.6 auの距離を通過する[1]
仮符号・別名 38P、P/1980 L2
P/1942 V1、P/1867 B1
分類 彗星
軌道の種類 周期彗星
発見
発見日 1867年1月22日[2]
発見者 ジェローム・E・コッジャ[2]
発見場所 フランスの旗 フランス
マルセイユ天文台[2]
発見方法 直接観測
軌道要素と性質
元期:2018年11月18日(JD 2458440.5)[3]
軌道長半径 (a) 11.294 au[3]
近日点距離 (q) 1.589 au[3]
遠日点距離 (Q) 21.0 au[3]
離心率 (e) 0.859[3]
公転周期 (P) 37.93
(13,853.524 [2]
軌道傾斜角 (i) 18.353°[3]
近日点引数 (ω) 359.582°[3]
昇交点黄経 (Ω) 78.000°[3]
平均近点角 (M) 355.297°[2]
前回近日点通過 2018年11月10日23時27分42.0秒[3]
(JD 2458433.47757)
次回近日点通過 2056年8月28日15時27分26.8秒[3]
(JD 2472239.14406)
Template (ノート 解説) ■Project

コッジャは発見当初はこの彗星を系外銀河と思っていた。天気が回復した1月24日から25日にかけて、マルセイユのエドゥアール・ステファンが彗星だと気づいたため、この彗星にはコッジャではなくステファンの名が付けられることとなった。その後、1942年11月6日トゥルクリイシ・オテルマが再発見した。なお、ハーバード大学天文台フレッド・ホイップルはオテルマの発見公表後に、前日の11月5日に撮影していたパトロール写真にこの彗星が写っているのを発見した。

1980年の回帰ではかに星雲に接近し、スケッチや写真が残されている。前回は2018年11月に近日点を通過し、同年12月23日に9.0等級にまで増光した[4]

軌道 編集

火星の軌道に近い近日点と天王星の軌道に近い遠日点を持つ。1982年から2067年の間は、小惑星ケンタウルス族のように振る舞い、木星土星、天王星の巨大惑星の近傍を通過する。コマを持たず、木星以上の近日点(5天文単位以遠)を持てば、ケンタウルス族と呼ばれていたはずである。

木下一男の計算では、2056年の回帰の後、上記の巨大惑星の摂動を受けて遠日点が少し伸び、公転周期が38年から39年へ変化する[5]

出典 編集

  1. ^ JPL Close-Approach Data: 38P/Stephan-Oterma” (1981-04-04 last obs). 2009年5月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e 38P/Stephan-Oterma”. JPL Small-Body Database. Jet Propulsion Laboratory. 2019年6月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j 38P/Stephan-Oterma”. Minor Planet Center. 2019年6月4日閲覧。
  4. ^ a b 天文年鑑編集委員会『天文年鑑 2019年版』誠文堂新光社、2018年、172-174頁。ISBN 978-4-416-71802-5 
  5. ^ 木下一男 (2018年5月6日). “38P/Stephan-Oterma”. 2018年9月20日閲覧。

外部リンク 編集


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